健康診断を申し込んだ。

 

申し込んだが、混んでいて実施は2月の初めとなった。4カ月以上ある。ちょっとほっとする。正直なところ、先なら先の方がよい。

 

自分の場合、体すべてに問題があるが、何より気になるのはγGTPだ。健康診断=γGTP。よくなっているか否かは受ける前から分かる。どれくらい酒を飲んでいたらどうなるか分かる。これから4カ月余り、今のままの状態で飲み続けたら自己最高値を出すかもしれない。よく分かってはいる。

 

これまでの経験より、2ヶ月断酒すればγGTP値はぐっと基準値付近まで下がることも分かっている。まだ4カ月ある。2カ月飲んで2カ月やめる。そうすれば何とかなる。

 

とはいってもこれは数合わせみたいなもので、一時的にγGTPを下げても長期にわたる健康とは関係ないのだ。ボクサーが試合前に体重を落とすのと同じ。健診が終わって飲みだせばまた元の木阿弥だ。一時的にγGTPを下げたいのか、今後ずっと健康で生きていきたいのか。それでも、一時的にでもγGTPが下がれば、減量後の試合を戦い抜いたボクサーのようにある満足感はある。また、せっかく下がったのだからと断酒を継続することもあった。

 

たいそうなことを宣ってしまったが、実は一時的にγGTPを下げることすら今回は自信がない。減量に失敗したボクサーの試合は公式記録に残らないが、酒をやめられなかったドリンカーはなさけない記録を残すことになる。12月、1月と酒を抜く。年末年始だぞ。普段から自分に甘いのにその時期酒を抜けるか。酒だけじゃなくて飲み放題食べ放題する時期だ。γGTPだけではなく、中性脂肪も悪玉コレステロールも手と手をつないで暴騰する可能性がある。これが株なら今が買いだ。毎年ほぼその時季になるのは申し込みが遅れるからだ。いっそ4月か5月に延ばせばよかったか。しかし酒飲み音頭ではないが、この国にいると年中酒を飲む理由は見つかる。

 

断酒に踏み切らせる最大のきっかけは年に一度の健康診断である。そしてそれより強力なのはその結果だ。結果を見て青くなって断酒を始めるならば、その2ヶ月くらい先に断酒をして、悪くない結果に喜んだほうがずっといいに決まっている。どうせ断酒をするならば。分かっていてもできない、というのは分かっていないに等しい。なんだかしばらくぶりに深刻な顔をしている自分に気づく。深刻になる必要はないのだ。夜、缶チューハイの代わりに炭酸水の缶を開ければよいだけの話なのだ。あとは何とかなる、はず。

 

なんだか、保釈中の身、になった気分である。でも、自分の意志でどうかなるだけましか。意志があればの話だが。