赤ちゃんの体はぐにゃぐにゃに柔らかい。歳を取ると体が硬くなり、死ぬとカチカチに硬直する。

 

若いころはマッチョにあこがれたものだ。こどものころ見た、燃えよドラゴン、のブルース・リーの敵役はすごい筋肉だった。

若いとは言えなくなってくると、マッチョより柔軟な体にあこがれる。体が硬くなるということは、死に近づいていることの証拠という気がする。

 

肩がこるとかいうわけではないが、何とか体を柔らかくしたい気持ちがある。

体が柔らかいかの一つの指標に、両手が背中で合わさるか、ということがある。やるまでもなく合わさらない。特に右手を下から持っていく方向はひどい。定規をもって測ったら30センチくらい離れている。逆の左手が下の場合23センチだった。

 

30センチ。銀河の彼方より離れている気がする。永遠に届かない距離に思える。ちょっと柔軟運動をしたところで届く距離ではない。背中で合掌というポーズもあるが、両手の人差し指が触れ合うのが精いっぱいだ。合掌どころかE.T.だ。

 

これは肩こりの原因になりうるし、できれば柔らかくしたい。これは肩だけの問題ではなく、肩甲骨周りの筋肉のこりが原因という。そのあたりを柔らかくするストレッチとして、肩甲骨はがしというものがある。肩甲骨をはがす。はがれたら気持ちよさそうであるが、そこに至るまでの修業は並大抵のものではないと思われる。やり方はいろいろあるようだが、取り柄あえず自分でもできそうな方法でやってみる。肩に掌を当てて肩をぐるぐる回してみる。

 

こるということは普段動かしていないからだ。気が付いたときに肩甲骨周りを動かすように心がける。仕事中でもいいし、歩いている時でもいい。動かしてみて分かったが、肩甲骨を動かそうとすると、ほとんど背中全体を動かすようになる。肩甲骨自体は骨なので、それを取り巻く筋肉を動かそうと思うとそうなる。

 

筋肉も固まっているのだろうが、その筋肉を動かす神経が発達していない。手指のようには自在に動かせないのだ。筋肉と同時神経を鍛えねばなるまい。

 

これは気の遠くなるような修行だ。ただ、ちょっと肩甲骨周りを動かすだけで気持ち良い。なんだか体が温かくなる。背中で両手が合わさるようになるとは思えないが、とりあえずストレッチは続けてみる。