γGTPの値は飲酒による肝臓障害の程度を最も端的に表す、と考えていいだろうか。

個人差もあるはずなので、私自身のγGTPが下がった経過を書いておく。

 

素人なので深く考えず、ただγGTP値を下げることだけ考えて禁酒してきた。検査の結果ではほかにGOTやGPTも記録されていて、それなりに意味はあるのだろうが、なんといってもγGTPが気になる。こいつを下げる方法はただ一つ。酒をやめることだ。減らして我慢できる性分ではない。禁酒するしかない。

 

 

本気でγGTPを下げる気になる前は、年に一度の健康診断の前日だけ禁酒していた。ほかの検査もあわせて、前日から酒を抜かないと正しい値が計れないと言うので、仕方なくそうしていた。一日抜くのも大変な我慢だった。しかし、一日酒を抜いたくらいではγGTPは下がらない。

 

 

私の過去最高γGTPは今年の9月27日記録した586だ。その四ヶ月前の538の記録を破った。基準値が70といわれているので、その8倍を上回る値だ。もはやヒトの肝臓とは思えない数字だ。この間の期間が四ヶ月しかなかったのは、さすがに5月に538を記録した後、やばいな、と思ったからだった。酒を減らして再計測、というつもりだった。しかし酒は減らせず、あえなく最高記録更新となったのだ。

 

 

それでも9月27日の検査が近づくにつれて、これではいかんと思い直した。思い直したのだが、すでに遅かった。検査は数日後に迫っていた。それでも3日は続けて酒を抜いて検査に挑んだのだった。つまり、3日酒を抜いたところでγGTPは下がらないといえる。これがまず1つ目の結論だ。診断の直前でどたばたしても無駄ということだ。本気でないなりに、ちょっとでも瞬間的にでもγGTPを下げたい(そういう気持ちはよく分かる)と思っても3日ではだめだ。健康診断が3日後くらいに迫ったら、もう開き直って酒を飲んだ方が精神的にはよい。次回の検査にかけるほうが賢明だ。

 

 

しかし、私の場合、3日でも続けて酒を抜けた事実はでかかった。それまでは毎日、好きなだけ飲み続けていた。それも20年以上だ。去年の冬にノロウィルスにかかったのでは、という時も飲んでいた。仕事をしなくても、飯を抜いても、病気になっても、夫婦けんかしても酒だけは抜かなかった。思ってみれば、自分の生活の中で一番誠実に、親密に付き合ってきたのは誰でもなく酒だった。そして酒も忠実にやさしく迎えてくれた。すっかりアルコール依存症になってしまった。その酒にちょっと待ってくれ、と初めて声をかけることが出来た。そして3日待ってもらったのだった。

 

 

健康診断は終えたものの、3日やめた事実を4日目で終えてしまうことが、ケチなせいか、もったいなく思えてきた。3日もやめたのだから、もうちょっと続けてみようか。3日も抜くなんて今後もうないかもしれない。それに酒を抜いた翌朝の爽快さに驚いた。二日酔いに近い状態で目覚める毎朝。そんな朝から比べるこの爽快さはどうだ。普通の人にはあたりまえの朝が、自分にはとても新鮮だった。これは続けられるかもしれない。

 

 

それでも夕方になれば酒の誘惑が訪れる。飲まずにやり過ごす夜。何もすることがない。食事もあっという間に済んでしまう。テレビを見てもつまらない。子供の相手をするのも面倒なだけだ。寝付けない。欝になるかもな、と思った。でも飲まない。禁酒を続けていくうちに段々意固地になっていく。飲まないったら飲まない。

 

 

ちょっと早いが、血圧降下剤(当然のように高血圧でもある)をきれる機会に、もう一度クリニックを訪ね、γGTPを知る為に採決してもらう。10月19日だった。前回から3週間、一滴も酒を飲まずに再検査だ。その結果、γGTPは232まで落ちた。半減である。ちょっと驚きの結果だ。禁酒の効果がはっきり数字で表れた。結論2つ目。γGTPを目に見えて落とすのには3週間あれば大丈夫。

 

 

半減したといっても、まだ基準値の3倍以上だ。ただし3週間酒を抜き続けると、酒を飲む楽しみとγGTPが下がる楽しみのパワーバランスのようなものがほぼ釣り合ってくる。飲みたい、だけど下げたい。γGTPを下げるのはダイエットするのと近い感覚か。体重同様、γGTPも下がり始めると楽しくなる。

 

 

禁酒は続き、11月22日に改めて検査。γGTPは68になった。3つ目の結論。γGTPは580まで行っても、3ヶ月禁酒すれば基準値に収まる。基準値と言ってもぎりぎりだし、アルコール依存症は一生ものだからいつまた飲み始めて、γGTPを押し上げるか、あるいはずっと止め続けられるか自分でも分からない。ついでにいっておくと、年末年始は飲んだ。以前同様好きなだけ飲んだ。しかし、平日は確実に酒は抜けられている。飲まないでいられる、という自信がついたことは大きい。

 

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(追記:2019年3月13日)

再び飲酒をはじめ、またγGTPがとんでもないことにってしまったことについての記事です。

 

2019年3月記事「γGTPを下げる方法と期間 その2」