登校拒否、自閉症の子。アメリカではどういう対処、教育をしているか。 | アメリカおばさんのブログ

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アメリカの学校の先生と日本語学校の補習校の先生をしています。教育のこと、習慣の違いに驚いたこと日々感じたこと、起こったことなど独り言を書いてみたいと思っています。趣味は料理です。


寒い日が続き学校が雪や氷の為にお休みでしたが、寒さ零下18度から、今日は暖か。4度でした。

この休み中に、私のブログを読んでくれるある方から、質問があったの。
「アメリカでは、福祉というか、自閉症の子や、登校拒否の子供にはどんな対処をしていますか?」

そこですこしそのことについて触れてみたいと思います。
アメリカの小学校は同じ校舎内に色々なクラスがあります。
私が働いている公立のアメリカの学校では
幼稚園の年長さんからキンダーと言うのですが、小学校の2年生までが同じ建物の中にあるの。そして小学校3年生から5年生まではまた別の建物。

小学校の低学年の建物の中に(あれ?やけに小さい子がいるなあ。)と以前から思っていたんだけどキンダーより小さい子がいるの。朝ご飯食べてるし、お昼寝とかの時間もあるみたい。
どういう子なんだろう?調べてみると年少さんと年中さん。息子や娘が通っていたときにはこんなに小さい子がいなかったけど最近できたらしいの。日本で言う保育園みたいな感じかな。こんなコースが出来ていた。この子達はちょっと手がかかる子とか特別の手助けが必要な子(松葉杖の子や車いすの子)などとか、若すぎるお母さんの子供とかそこに混じってお手本になる普通の優秀児を混じらせての教育。

さて、日本とアメリカの違いは、日本にも養護学級の先生はいますけど、アメリカではまず、小学校にも中学校にも常勤の専門の先生で、自閉症専門の先生がいるのです。ここが大きな違い。そして子供一人に対して先生は2人多いときは3人。

私が働いている子供のクラス一般のクラス普通のクラスにも、生徒が20人より一人でも多いクラスはアシスタントの先生がいるのです。チームティーチング。

私のところは、21人の公立の小学校1年生のクラスですが担任の先生、そして私、(私は途中から小学校2年生のクラス、4年生、中学校、高校と移動しますが)とそれからもう一人私と同じアシスタント先生、そして大学生の教育実習生、さらにリーディングはレベル別に分けられて他の先生がもう2人いるの。


さて自閉症の子供。
2005年には自閉症の子は
2500人に1人と思われていたけど、現在ではイギリスでは86人に1人、アメリカでは150人に1人が自閉症だそうです。これは親がカウンセリングに出向いて出たデーターです。もっと多くいるのではとのことです。軽い自閉症の子は親が気がつかないままの人もいるのだそうです。また、親がもしかして?と思っていても、事実を認めたく無い人もいるのでもっと多いのではとのことです。とにかく大勢いるのです。

原因は、昔は水銀が子供のワクチンにはいっているからか?と言われていたのですが、2001年からは水銀は入っていないのに子供が増えているのでそれが原因ではない、
自閉症は昔は親の責任かもしれないと自分を責めている親が多かったのですがそうではない。

脳のコミュニケーションをする部分が他の人より育っていない。相手の話がうまく受け取れない。何個かのDNA関係のものか?環境のもの?と未だに原因が掴めていない。
相手の気持ちを考えることがむずかしい、私たちがありがたいと思うことが彼らには感じられない。

アスペルガーシンドロームは普通の知識一つものにすごく才能を持っていると言われているけど、コミュニケーション人間関係が乏しい。自閉症は男の子が4に対して女の子1の割合。

最近は、ある程度改善することが出来ると分かって来たそうです。小さい子であればあるほど早期発見すればするほどうまく改善できるそうですよ。

おもちゃとかに顔が付いているもののビデオ。これはイギリスのケンブリッジの博士が研究して出されたもので、このビデオを一日に15分見せるだけで改善されているそうです。

http://www.thetransporters.com/index.html

ビデオでは色々な顔の表情が出て来て、嬉しい、楽しいときはこんな顔。と顔の表情を見せています。
このビデオを見せると改善されるんだって。

さて、学校では、自閉症の子は普段どんなことをしているのかというと、手をつないで先生とあちこち学校の校舎の中を探検しています。廊下ですれ違った先生に挨拶しなさいとか。他には絵を描かせたり音楽とかもあるのですが、こちらではいろいろなお手伝いをさせようとしたり、テストをしたりしています。


次に登校拒否ですが、
学校に足並み揃えていかなければ特殊な目で見られるという日本のようなことが無いからではないでしょうか?あんまり登校拒否、登校拒否と騒いでいません。確かに登校拒否の子というか学校に来ない子はいます。
でも
日本の熱血先生がわざわざお休みしている子供の家に出向くとかいうテレビのドラマがありますが、アメリカではそんなことをする先生はいません。先生は学校が終るとあとはプライベートの時間。日本のように24時間先生ではありません。
登校拒否というか学校に来たく無いなら個人を尊重。しかし、アメリカでは7日休むと学校から警告、11日休むと医者の診断書が無いと留年になるのです。ちなみに遅刻は3回すると1日お休みしたことと同じに換算されます。ですから普通は学校に来ない子の親が学校に出向いてきますね。

学校には専門の先生カウンセラーがいるので校長、教頭そしてカウンセラーやガイダンスの先生と相談。学校に行きたく無い子供を無理に学校に引っ張っていくことはしません。親がまず相談に行くのです。そして子供がどうしたらハッピーになれるか考えます。

しかしイジメが原因の場合は徹底的に調べ、本人もよび、いじめた生徒には厳しい罰が与えられます。
また学力が劣っている子供には私のようなアシスタントの先生が何人もいるので助けますし、近くに大学があるので大学の生徒もボランテアで勉学の遅れを助けます。

親は最初は学校にいるカウンセラーに相談。そして専門のカウンセリングしてくれるところに教育相談みたいなところに出向きます。主に大学の研究室だったりします。ここでいろいろアドバイスを受けるので日本のように親だけが悩んでいるということはありません。

しかし、辛いのは親が、家族が子供が辛い気持ちでいるのに気がつかずに手遅れになってしまうこともあるのは日本もアメリカも同じです。または子供に無関心の親がいるときです。

でも相談するところがあって、色々なアドバイスをくれるので親が安心したり、気が楽になるので
これからは
カウンセラーという資格のある人が日本にも必要だと思います。これは各学校に必ず一人は必要です。

アメリカでは、日本のように保健室で子供が一日中寝ることはありません。保健室のベッドは親が迎えにくるまでの僅かな時間、休むことの出来るところ。具合が悪い場合は即、親に電話して、親に迎えに来てもらうことになっていますから。

日本で保健室で寝る子、心に何かしょっている子はカウンセラーのところに行きます。


こちらでは学力の遅れている子は親が一学年自分の子供を留年させて欲しいとか、自分の子は授業が退屈のように思っていると思う。飛び級させてくれないか?とカウンセラーに相談したり、(この場合はテストを受けて合格、認められればその科目だけの飛び級とかできます。)
家族の離婚、生活苦、友達が引っ越してしまった、大切な人の死、イジメ、そしてなんと働いている先生も生徒とおなじくカウンセラーに相談します。

実は心身が疲れている子がいましたが、このときの専門家のアドバイスは、まず、親がじっくり聞いてあげる。関心を持って聞いてあげること。親には辛いと言うことを言わない子が多いのですが、話せる気持ちにさせるためには、親が子育てに自信をなくして自分を責めたりしないことだそうです。子供にさぼっているのか?と責めたりしないこと。親がいつもそばにいるよ。

しかし、アメリカでは子供の登校拒否ではなくって、
親の判断で子供を学校に行かせないと決めることもあるんです。
本人は拒否していなくても親が拒否できる。アメリカの法律では学校又は何らかの教育をさせる義務があるのですけど、ホームスクーリングと言って、親が子供の先生をする(親が先生の資格がある場合)または家庭教師を雇うなど。

先程親が判断して学校に行かせないというのがあると言いましたけど、子供を優秀にさせる為にわざとそうさせるとか、子供が体が弱くって病院に入院しているとか、妊娠、出産のためとか理由はいろいろです。
登校拒否と言いますが、イジメだけが原因ではありません。授業についていけない子もしますし、体が弱い子や、授業を妨害する為に学校側から拒否とか。

なんか長い文になっちゃった。今日はこの辺で!