『Gatoh-Move Japan Tour.78』
☆2013年12月14日(土)
市ヶ谷チョコレート広場
観衆56人(満員)
◆オープニング
前々日の板橋大会で、アントンとの大喜利マッチに敗れ三冠のベルトを失ったさくら。
しかし、さくらは「大喜利のお題を出したのは坂井良宏さん。アントーニオ本多の親友であり、これは事前にお題をアントンにだけ漏えいしていたのではないか」と疑惑を口にして「よってタイトル移動は無効とします」と宣言したものの、案の定、大ブーイング。
「チャンピオンがタイトルマッチで負けたけどチャンピオンのまま、というのは世間でもよくあること」と浪速の弁慶を持ち出すも民意は変えられず、さくらも「実力で奪い返すことにします…」とあきらめた。
そしていつものようにさくらが『ノリノリのうた』を歌おうとすると、いつものように里歩と「ことり」が「ちょっと待ったー」と乱入。
さくらは「私は1月4日に福田洋、米山香織との持ち歌争奪3WAY戦に負けたら、もう『ノリノリのうた』は歌えなくなるんだよ。だから今日は歌わせろ」と譲らぬ構えを見せるが、これに里歩が「バカヤロー。やる前から負けることを考えるやつがいるかっ」と闘魂ビンタ。
こうしてさくらは引き下がり、2人の『さくらえびちゅ』が歌われた。
入場式の挨拶は田村。「天井のお披露目会にご来場ありがとうございます」と、先日、ワンチューロが壊した天井を修復したと発表。覆われたシートをはがすときれいに天井が治っていた。
修理代を請求する田村だったが、さくらはお金がないと拒否。折衷案として、HEAT-UPのロゴステッカーを天井に貼り、広告スポンサー料として相殺することになり解決。田村の掛け声で大会スタート。
◆エキシビションマッチ さくらえみvsペパーミント
タイ人女子練習生、ペパーミントが板橋に続いて、さくらとエキシビションで対戦。
さくらの強烈なドロップキックもカウント2で返すなど頑張りを見せて、3分間フォールをとられることなく終了。
タイムアップのゴングが鳴らされているにも関わらず、逆エビ固めをかけるさくらにブーイングが飛ばされた。
◆第1試合 シングルマッチ 10分一本勝負
△マサ高梨(時間切れ引き分け)「ことり」△
試合開始と同時に、チェーンレスリングの攻防。エスケープもないノンストップの基本技の応酬が繰り広げられる。
高梨に対して、一歩も引かずに食らいついていく「ことり」。高梨が強引に腕の力で「ことり」をふりほどいて投げても、負けじと鮮やかなコルバタをきめていった。
高梨の弓矢固めをすぐに切り返した「ことり」は、腕ひしぎ逆十字固めからキーロック。カール・ゴッチばりにそのまま「ことり」を担ぎ上げ窓にのせた高梨だったが、「ことり」はすかさずフライング・ボディアタックを放つ。
高梨の巴投げを「ことり」がこらえると、高梨は珍しいリバース・ロメロスペシャル。
「ことり」は強引な一歩背負いや、卍固めで拍手をあびる。高梨もエビ固めなどでフォールを狙うが、タイ人リングアナウンサーPUMIの慣れないアナウンスに時間配分を見誤ったか、攻めにまわった途中で時間切れ引き分けのゴングを鳴らされてしまった。
◆第2試合 タッグマッチ 15分一本勝負
○山田太郎&中森華子(9分26秒、片エビ固め)田村和宏&さくらえみ×
※ダイビング・ダブルニードロップ
ヤマダハナコはおなじみのタスキを着用し「ヤマダっハナコっ」と煽りながら入場する。山田、華子、田村の3人はそれぞれ年内最終戦ということで気合いが入っているが、さくらだけは明日も明後日も試合があるので、あまりやる気なさげ。
先発の田村と山田が互角の攻防を見せて、同時にタッチ。さくらvs華子になると、さっそく華子コールがおこる。
華子のローキック一発で、さくらは悲鳴。田村にタッチを求めるが「少しは頑張れ」と拒否される。
華子がさくらの髪の毛をつかんで投げる。さくらもやり返そうとするが、華子は逆に髪の毛の力でさくらを投げる。山田と華子が「ヤマダっ」「ハナコっ」と叫びながら、サンドイッチでエルボーとキックの乱れ打ち。さらにダブルのランニング・ネックブリーカー。
華子はさくらを壁につめて、ミドルキック連射。防戦一方となっていたさくらだが、山田にコルバタをきめると、ようやく田村にタッチ。
田村は山田にチョップからニーアタック。続けてエースクラッシャーを狙うが、これは山田がすかし、華子にチェンジして、田村vs華子の局面に。
さっそく2人は我闘雲舞名物と言っていい蹴り合い。一歩も引かずにキックを打ち続けた華子だが、田村がソバットを放ち、打ち勝つ。
田村は窓枠にのぼると、華子に掟破りのディスティニーハンマー。華子がカウント2で返すと、今度は激しい張り手の応酬に。これも田村が優勢となるが、華子はグーパンチを田村の顔面に打ち込み、ハイキックをヒットさせ、今度は本家ディスティニーハンマー。
山田が入ると、田村の胸板にランニングエルボー。続く山田の頭突きを、田村は一瞬のエースクラッシャーで切り返し、さくらにタッチ。
ようやくエンジンのかかったさくらは、山田に勢いよくドロップキック。しかし、さくらえみ70キロを山田に放とうとしたところ、華子が間に入りキャッチされ、ヤマダハナコのダブルブレンバスターで反撃されてしまう。
山田の窓からのダブルニーはさくらがかわし、マヒストラルにいこうとするも、山田が回転をつぶして逆にフォール。カウント2。
さくらはヤマダハナコにまとめてさくらえみ70キロをぶち込み意地を見せる。しかし、田村のアックスボンバーが同士討ちでさくらを直撃。
ここですかさずヤマダハナコはサンドイッチのジャンピングキックをさくらに見舞う。華子がフィッシャーマン気味に投げてさくらをセットすると、山田が窓から「さくらえみ、日ごろの恨みじゃー」と絶叫しながら、両ひざをさくらに落下させる。
このダイビング・ダブルニーがジャストミートして、山田がさくらからカウント3。ヤマダハナコが見事に年内最終戦を勝利で飾った。
◆第3試合 シングルマッチ 15分一本勝負
○里歩(6分39秒、体固め)帯広さやか×
※そうまとう
正真正銘のシングル初対決が市ヶ谷のメインイベントで実現。試合前からにらみ合う両者だったが、がっちりと握手をかわしてゴング。
まずは普段、いっしょに練習をしているのであろう教科書通りのレスリング。里歩が「壁ぶつけるぞー」と叫んでから、壁際で帯広に巴投げを放ち、帯広は腰を壁にぶつけてしまう。
ヘア投げの応酬の後、帯広が豪快にボディスラム。続けて逆エビ固めを狙うが、里歩は両手でマットをつかんでこらえ「返してみろ」と挑発。帯広が強引に返すも、すぐにエスケープされてしまう。
里歩は帯広を壁にぶつけてランニングエルボー。ブレンバスターの仕掛けあいも、里歩が投げ勝ち、そのままブレンバスター・ホールドで固めるが、帯広がカウント2で返す。
里歩は雁之助クラッチで帯広を丸め込む。ここで帯広のチョップと里歩のエルボーの激しい打ち合いに。これをチョップで打ち勝った帯広が、ハーフハッチをきめる。
さらに帯広はドロップキックから窓にのぼるが、里歩がデッドリードライブ。逆に里歩が窓に上り、そのまま急角度落下式のそうまとうを打つが、帯広がかわしてエビ固め。カウント2。
攻勢の帯広は帯広マジック。しかしバースを失敗し、里歩が背後からそうまとう。そしてノーザンライトスープレックスで帯広を投げるも、これもカウント2。
ここで里歩はダイビング・フットスタンプ。ジャストミートしたが、粘る帯広はこれも肩をあげて客席から拍手が起こる。
里歩はフィニッシュのそうまとうを狙うが、帯広がかわしてバース。あわやのカウント2.9で返す里歩。
帯広は一気に帯広マジックできめに入るが、切り返した里歩が、ショートレンジのそうまとう。
すかさず走りこんでのそうまとうをきめ、これでカウント3。粘る帯広をくだし、里歩が初対決を制した。
試合後、両者がもみあう乱闘となったが、「ことり」がのん気に「お茶でーす」と座談会のお茶を配り始めて、一気に場がなごんだ。
◆エンディング
HEAT-UPの年内最終戦も前日に終わり、この日で自身の年内最終戦も終わった田村が安堵の表情でファンに感謝の言葉を述べる。
2014年の初戦は1月18日HEAT-UP王子大会という田村に、さくらが「正月も試合をするのがプロレスラーだ」と、その場でオファーして、1月4日板橋グリーンホールの新春時間差バトルロイヤル参戦が決定した。
同じく、華子も今日が年内最終戦。我闘雲舞が最後で嬉しいという華子の言葉に感動したさくらが、来年の最初も我闘雲舞にしようと、華子も板橋のバトルロイヤル参戦決定。
当然の流れで、山田も「ボクも1月4日あいてますよ」とアピールすると、さくらは山田に我闘雲舞Tシャツを渡して「1月4日はレフリーをお願いします」とお願い。山田はレフリーで出場となった。