7月15日(月祝)板橋グリーンホール大会(17:30)出場選手のコメントを試合ごとに掲載していきます!
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女性自由席、および小中学生は入場無料となります!
◆第5試合 AWF世界女子選手 20分一本勝負
さくらえみ(王者) vs 市来貴代子(挑戦者)
《市来貴代子のコメント》
私がベルトを取って我闘舞雲を引っかき回してやろうかな~!
《さくらえみのコメント》
市来さんは、私のデビュー戦の相手です。
それがいつかってー!?
それは!
なんと、18年前!
18年前のことを、覚えていらっしゃる方はいますでしょうか。
当時は今と情報の入手方法が全く違います。インターネットで試合速報がみれたり、何時間もたたないうちに試合動画が見れるなんて、そういう発想すら持つことができない時代でした。
選手の気持ちをTwitterで知るとか、バックステージの様子をブログで読むとか、今では当たり前のことですが、当時、選手になってからも、雑誌を楽しみにする他なかったのよー。
そんな私にとって、プロレスとは市来さんとの試合がすべてでした。情報遮断。
男子団体の中にあって、基本は同じとはいえ、女子プロレスは女子プロレスというくくりだったからです。
私がファン時代に見たプロレスとは何か違うのではないかと思いつつも、やっているのが私なのだからこのようになっても仕方ない…という試合。
蹴られてその痛みに耐えられなくて泣く。
蹴られてその痛みに闘争心を失う。
蹴られて無我夢中で反撃しても途中でわけがわからなくなる。
こんな試合を一年間続けました。
当時は毎月後楽園大会があり、ひと月でたいした成長をするわけでもなく、似たような展開で負けてしまっていました。
負けて負けて負け続けて、悔しい気持ちはあっても、勝ちたいより怖いが強くて、リングの上では自由というのは存在しなかったです。
当時住んでいた風呂なし4畳半アパートで、今日も生き延びた記念にアイスクリームを食べていた、誰にも見られない顔の方が輝いていたと思います。
プロ意識なんて考えたことがなかったのよ。ファンの方から、サインを求めたりされても、申し訳ない気持ちばかり。
応援してくださるファンの方のためにも強くなって勝ちたいとか、みんなの夢を背負ってとか、考えたこともなかった。
勝ちたかったけれど、とにかく今日を無事に生きて終わりたいという気持ち。
大げさでしょう。
でも、それが私のプロレスのすべてだったので仕方ないのです。
最終的に私と市来さんは、一年間戦い続けました。つらかったのは負け続けた私だったでしょうか。いえ、勝ち続けた市来さんのほうでしょう。
いろいろな選手と対戦したり、強い相手に向かって行きたい成長期に、いつまでも自分より弱い相手しか対戦相手がいないなんて。
時がきて、市来さんは退団し、新天地への挑戦を始めました。
私はその時悔しかったかな、さみしかったかな。
うーん。
ほっとしていたのが一番の気持ちだったかな。
そして、ふたたび対戦する機会がきました!なにゆえ!
18年前、対戦するのが嫌で嫌で仕方なかった市来さんと。
それは、周年記念のIWAのリングです。
4年くらい前かな。
当たり前のように勝ちました、当たり前のように強くなっていたのです。
もう泣き虫ではないし、痛みにも耐えられた。
はず…なのですが、実際には会場の雰囲気に飲まれてしまっていました。
その時でも昔を知るお客さんは多くはなかったはずなのに、飲まれました。いつだって市来さんの前では18歳の元川恵美に戻ってしまう。
15日の対戦。
もうそれはありません。
我闘雲舞のリング、ケンちゃんが初来日する日の、さくら代表の試合。尊敬される対象でなければ、男子レスラーはついてきてくれないと思うし、タイのメンバーに不信感を持たれてしまうでしょう。
市来貴代子vs元川恵美を知らないみなさんに向けて、AWF世界女子、このベルトの防衛戦を王者らしく戦いたいと思います。
…なんて書いても。
やっぱりこわいのよー、よよよ。