ハプニング・ピクニック・イン・ワンダーランド2+2.5(PartⅠ) | Love&Sex Navi!

ハプニング・ピクニック・イン・ワンダーランド2+2.5(PartⅠ)

一年前のその日は、風の強い日だった。我が敬愛する福生の不良達が作ったロックンロール・バンド、ストリート・スライダーズに「風の強い日」というダルだが、チャーミングなバラードがあったが、まさにそんな感じの日だった。何しろ、強風のため、電車が各地で運休してしまったくらいだ。





その日、伝説のサロンのオーナーが新たに作った大人の社交場のオープニングを記念したパーティに団体で、伺いさせていただいた。「大人の社会科見学“ハプニング・ピクニック・イン・ワンダーランド”と、ツアー名をつけたが、遊び仲間に声をかけ、宴を盛り上げるため、大挙して繰り出した。




私自身は、遅れて参加する人達のアテンド(当然の如く、初めて行く方ばかり、かつ、わかりにくい場所、おまけに店の電話が開通してなかった)するため、店を出たり、入ったりしていて、店内の暑さと店外の寒さにやられ、発熱。風邪を引いてしまう。宴がお開きに近づく頃には、意識もおぼろげながら、参加された方の誰もが安全に安心して、楽しんでいただけたことだけは覚えている。




実は、見学会を終えてからも、その日は、まだ、しなければいけないことがあった。同時開催していたミニパーティの会場へ移動し、チェックアウトしなければならなかったのだ。同会場で、仮眠後、チェックアウトしたのだが、駅を向かうところで、エネルギー切れ。まったく動けなくなってしまう。身体がだるくて、いうことを利かない。それでも駅まで、なんとか辿りつくも前述通り、“春の嵐”で電車も運休していた。どうしても辛くて、仕方なく、タクシーで帰宅。静養するが、体調は好転する気配はない。週末だったため、たまらず、ERに駆け込んでしまった。驚いたことに体温を測ると39度を超える高熱で、意識も朦朧とし、動けなくなるわけだ。



まさに体力的には散々な目にあったが、精神的には妙に高揚していた。私の中では、忘れ得ぬ“記念日”となったのである。



そして、その日から一年が経ち、見学会で訪れたサロンも一周年になる。それを記念するパーティが開催されるという。




この不沈の激しい世界で、一年が経ち(というか、持ちこたえ)、同時に大人の社交場として確かな地保を築く。いかに同サロンが遊び心を持った大人達に愛されているかの証拠だろう。




ならば、昨年同様、そのパーティへ駆けつけないわけにはいかない。せっかくだから、また、団体でお伺いすることにした。ツアー名は「大人の社会科見学“ハプニング・ピクニック・イン・ワンダーランド2”」。いよいよ同ツアーも回を重ね(!?)、パート2である。




前回同様、知り合いのサークルの主催者に声をかけ、共催という形で呼びかけしていただき、各方面から個性豊かな方が集まる。10数名だが、男女は同数というバランスのいい組み合わせ。





この世界が初めてという方もたくさんいたので、直接、店には行かず、まずは前回同様、カラオケボックスに集合。結団式を兼ねたレクチャーから開始させていただいた。




冒険には準備が必要、知識や情報を仕入れておけば、いろんなリスクも回避できるというもの。同会場では、私が関わる「遊びの学校」で作成したこの世界のグランドルールに、共催のサークル主催者がアップデートしたテキストを配布。簡単に説明しながら目を通してもらう。コミュニケーションを取る、了解を得る、無理強いをしない、衛生や安全の確認、個人情報の交換をしないなど、リスク・マネージメントの基本的なことだが、備えあれば、憂いなしである。聞いてなかった、では済まされないのだ。安全に安心して、楽しく過ごすための準備は怠らない。





一時間ほどのレクチャー後、猥雑な街を客引きや勧誘をいなしながら、サロンを目指す。同所は不夜城と言われる街にひっそりと佇む。その街は相変わらずの賑わいである。




サロンに入ると、周年の集いらしく、客で溢れかえっている。ラウンジのソファーもいっぱいで、カウンター前にも人だかりがしている。




まさに立錐の余地なしという感じだが、マスターの配慮で、奥のスペースにあるソファー席を用意していただく。団体席の誕生である。まずは、乾杯となる。知り合いも多く、そんな人達を交えながら雑談をしていると、遅れてツアーに参加する人達も合流。




時間の経過とともに、秘密の奥座敷(!?)も活況を呈してくる。この世界、初体験という方達も目の前で繰り広げられる艶景色に感嘆する。こんな世界があったのか、と、感慨深げでもある。あまりの人の多さに人酔い、人疲れしつつも、その世界の濁流に飲み込まれ、自らその世界の住人らしい淫蕩な装いを試みるものもいる。まずは場に慣れるため、コスプレから始めるというのも悪くない。いつもとは違う自分を演出できる。



一年前は知った顔ばかりだったが、まったく面識のない男女も増えている。それだけ、同所が新しい客層を開拓し、この世界の登竜門として、機能していることの証明でもある。



見栄えのいい若い男性も多くなった。この世界、何十年というベテランの遊び人達に混じり、新顔達が存在感を増している。




もっとも、この世界の若者達、積極的かというと、引っ込み思案で、むしろ、女性から声を掛けられるのを待っている風でもある。ここはホストクラブか、という感じだ。ある種のぎこちなさも新鮮かもしれないが、ちょっと残念である。積極的な女性に、消極的な男性という、このところ、パーティやバーでも感じた構造がここでも散見された。




そんな男性に発奮を促すため、今回の共同主催者が声をかけ、見学会参加者の行動派といわれる女性とセッティング。多少、御膳立てはあったとしても引率したのは初心者ばかり、そのくらいの調整は必要だろう。勿論、現場で、その対応を看視もさせていただく。さらに、奥座敷で秘め事めいたことが始まると、呼んでもいない、それこそ、お呼びでない方も大量流入してくるが、そこは露払いの如く、仕分けし、ご遠慮願う。そんな流入組は年長のベテラン組が多く、そうした積極性というか、ずうずうしさは見習うべきだが、まずは、コミュニケーションを取って、空気を読んでからでしょう、というところだ。




私達は参加者の安全を確保しなければならない。現場監督として、多少、口うるさく、目障りでも環境整備のため、ある程度の差配や手配をしないわけにはいかないだろう。




終電を過ぎたあたりで、今回の見学会参加者もある程度、減ってきたが、この世界の若手女性は体力も好奇心も旺盛。果敢、かつ、積極的に、“お試しかっ!”という感じで楽しむ。



勿論、私は終始、現場から目を離すことなく(途中、参加女性の絶妙なハンドマッサージで寝落ちしたが…)、監督させてもらう。サロンそのものもある程度、人の波も収まる。人数が減ってきたこともあって、人疲れすることもなく、乱痴気騒ぎも収まってくる。もっとも静寂になればなるほど、淫靡さは増す。不思議なものだ。



時間の経過とともに、寝落ちするものもいるし、店員と話こむものもいる。思い思いに過ごす自由な時間である。




始発電車が出る頃には、宴のお開きも近くなる。もっとも、そんな時間から時限装置が弾けるように秘め事が始まることもある(笑)。




長いようで、短かった夜は、ようやく明けた。店を出ると、ほんのりと明るいが、まだ、ひんやりとする。春の朝だ。幸い、一年前とは違い、風は強くなく、穏やかだ。体調も問題ない。朝ラーメン(!?)を食すくらいだ。今回は電車も止まることなく、乗ることが出来た。まるで徹夜仕事を終えたような爽快感、やり遂げたという達成感もある。今回も“安全に安心して、楽む”というミッションはコンプリート。それが裏東京の案内人である私達の役目でもあるのだ。ツアーに参加された方、ツアーを共催していただいた方、一周年を迎えたサロンのスタッフの方に、改めて感謝させていただく。とても楽しい時間を過ごさせてもらった。




※「ハプニング・ピクニック・イン・ワンダーランド2+2.5(PartⅡ)」に続く。