観戦記2718 USNBC全米ライトヘビー級王座決定戦 チャド・ドーソンvsデニス・グラチェフ | 人生マイペンライ

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《本日のDVD観賞》

 

ボクシング界において「シュガー(Sugar)」を名乗るのは勇気がいる偉大な愛称。史上最強とも云われる元世界ミドル級&世界ウェルター級‘シュガー・レイ・ロビンソン‘ことウォーカー・スミスJrの愛称‘シュガー‘はウォーカー・スミスJrが18歳以上の年齢制限があるアマチュアの試合に、年上の友人のレイ・ロビンソンの体育協会証で誤魔化して出場~観戦しておいた記者が 『なんとスウィート(素晴らしい・華麗な)』 と言ったのを、ウォーカー・スミスJrのトレーナーが 『シュガーのようにスウィートだよ』 と答えたことから、偽造出場名のレイ・ロビンソンにシュガーを付けて‘シュガー・レイ・ロビンソン‘が出来たという・・・・何とも出来すぎな逸話がある。そして、シュガー・レイ・レナードや‘シュガー‘シェーン・モズリーなどスピードがあって華麗なスタイルな黒人に‘Sugar‘が付けられることがある。

どうしても日本人にはスラング的な英語のニュアンスは理解しづらいが、英語を授業で習ったようなニュアンスとラップなどの曲やニックネームで付いた単語を調べると‘何故!?‘と思ってしまう使い方がある。日本語でも「ヤバイやつ」は酷い人というよりも、凄い人という意味のほうが現代では多いだろう。

元WBC&IBFライトヘビー級王者のチャド・ドーソンのニックネーム‘BAD‘も、単純に悪いヤツとう意味なのかと思ったが、特に犯罪歴などがある訳でも行儀が悪い訳でもなく「BAD=凄いヤツ」という意味らしい。

 

1982年7月にアメリカのサウスカロライナ州ハーツビルで生まれた‘Bad‘チャド・ドーソンは、アマチュアでは2000年度アンダー19全米選手権ミドル級優勝~2001年8月に19歳でデビューして、スティーブ・ギャレットに2RでTKO勝ち~さらに12連勝8KOして、2003年10月にデュモン・ウェリバーを8RにTKOで降しWBCミドル級ユース王座を獲得。次戦は無効試合も、その後はWBCユース王座を3度防衛し返上~2005年8月に、スーパーミドル級に階級を上げてロナルド・ボディーに4RでTKO勝ち~11月には、イアン・ガードナーを11RにTKOで降しNABF北米スーパーミドル級王座を獲得~ノンタイトル戦を2連勝1KOして、2006年6月にエリック・ハーディングを判定で降しNABF北米ライトヘビー級王座を獲得~2007年2月に、トマッシュ・アダメク判定で降しWBCライトヘビー級王座を獲得。

6月に、ヘスス・ルイスを6RにTKOで降しWBCライトヘビー級王座初防衛に成功~9月にも、エビファニオ・メンドサを4RにTKOで降し2度目の防衛に成功~2008年4月に、グレン・ジョンソンを判定で降し度目の防衛に成功~しかし、WBC暫定王者のアドリアン・ディアコヌとの統一戦がまとまらずに王座を剥奪されてしまう。10月に、アントニオ・ターバーのIBFライトヘビー級王座に挑戦し判定勝ちで王座栄冠~2009年5月に、アントニオ・ターバーとの再戦も判定勝ちし初防衛に成功~IBF王座は返上し、11月にグレン・ジョンソンとのWBCライトヘビー級暫定王座決定戦を判定勝ちし王座栄冠。

2010年8月に、WBCライトヘビー級正規王者のジャン・パスカルと対戦も11R負傷判定敗けし暫定王座から陥落~2011年5月に再起し判定勝ちも、10月のバーナード・ホプキンスのWBCライトヘビー級王座挑戦は2Rに揉み合った時にホプキンスが怪我をして無効試合~2012年4月のホプキンスとの再戦は、2-0の判定勝ちでWBCライトヘビー級王座を獲得 『観戦記192』

9月に王座を保持したまま階級を落とし、WBAスーパーミドル級スーパー王者のアンドレ・ウォードに挑戦も10RにTKO敗け~2013年6月にライトヘビー級で、アドニス・スティーブンソンの挑戦を受けるも1RにKO敗けしWBCライトヘビー級王座陥落 『観戦記529』

2014年6月に、ジョーズ・ブレイドに1RでKO勝ち~10月に、トミー・カーペンシーに判定敗け~直ぐに2連勝1KOも、2017年3月にアンドレイ・フォンファラに10RでTKO敗け~2年3ヶ月明け、2019年6月にキントン・ランキンに判定勝ち。

 

元世界王者としての力は衰えてきたのは否めないが、WBC王座を陥落してから初の王座戦となるUSNBC(WBC)全米ライトヘビー級王座決定戦に出場!対戦するのは、元WBCインターコンチネンタルアメリカ大陸ライトへビー級王者のデニス・グラチェフ!

 

‘ドラゴの息子‘の異名を持つデニス・アレクサンドルヴィッチ・グラチェフは、ロシアのイジェフスク出身でキックボクシングから格闘技を始める~キックボクシングでロシア王者4回~IKFムエタイライトクルーザー級王者に輝く。

アメリカに移住して、カルフォルニアで2007年6月にボクシングでデビューしてロセンド・ルバルカバを2RにKOする~さらに7連勝4KOするも、2009年12月にエルネスト・カスタネタとドロー~さらに2連勝1KOして、2011年7月にエディ・カミネロを3RにTKOで降しWBCユースインターコンチネンタル&WBCコンチネンタルアメリカ大陸ライチヘビー級王座を獲得~2012年4月にも、イスマイル・シラーを8RにTKOで降しNABF北米ライトヘビー級王座を獲得~しかし、11月に元IBFスーパーミドル級王者のルシアン・ビュテに判定敗けし王座陥落。

2013年3月に再起してソルト・エルディに判定勝ちも、7月にエドゥイン・ロドリゲスに1RでTKO敗け~2014年3月にも、アイザック・チレンバに判定敗け~8月の、ライノ・リーベンベルグとWBCライトヘビー級シルバー王座決定戦で対戦も判定敗け~さらに11月にも、トーマス・ウーストハイゼンとのWBCインターナショナルライトヘビー級王座決定戦でも11RにTKO敗け~間を空けて、2016年10月からは3勝1KO1敗~2018年4月に、アダム・バルスキとポーランドインターナショナルライトヘビー級王座決定戦で対戦も判定敗け~メキシコのティファナで3連勝1KOして、2019年8月にチャールズ・フォスターのNABA北米ライトヘビー級王座に挑戦も判定敗け。

 

世界王座を1RKO敗けで手放したのが6年4か月前となるチャド・ドーソンが、37歳となっても闘い続ける!ロシア人ながらアメリカでデビューし、世界中で闘ってきたデニス・グラチェフが大物喰いするか!?

 

2019年10月11日 USNBC全米ライトヘビー級王座決定戦 チャド・ドーソンvsデニス・グラチェフ

 

チャド・ドーソン 35勝19KO5敗 元WBC&IBFライトヘビー級王者

 

デニス・グラチェフ 19勝10KO8敗1分 元WBCインターコンチネンタルアメリカ大陸ライトへビー級王者

 

1R、ガードを固めて覗き見るグラチェフに、ドーソンが綺麗にジャブを伸ばす

 

グラチェフも廻りながら飛び込むが、スピードなくドーソンに捌かれる~ドーソンが、左ストレートからグラチェフをロープに詰め連打!

 

グラチェフが低く入ってきても、ドーソンはダイレクトの左を振り降ろす!

 

2R、ゴングと同時にドーソンが出る~右フックから、アウトを取ってボディー!

 

ドーソンがジャブを当てながら動く~スピード無いグラチェフにカウンター!しかし、お互いの頭も当たる

 

グラチェフが突っ込んできても、ドーソンは素早い動きから右アッパーを当て抜けていく

 

3R、ドーソンが攻める~真っ直ぐ下がったグラチェフに、ボディーから左!

 

グラチェフも必死に攻めるが、顔面は当たらない~ボディーストレート!

 

ドーソンも身体ごと当たっていき、グラチェフをロープまで押し込みボディー!

 

4R、前に出るが手数が出てこないグラチェフに、ドーソンは細かくジャブを打ちながら左!

 

さらにドーソンがボディーを攻める~グラチェフが押し込んできても、柔らかくかわしながら廻る

 

それでも身体を浴びせてくるグラチェフに、ドーソンは身体を入れ替え左フック~右アッパー!

 

5R、グラチェフが低い体勢でドーソンを追いかけるが、ドーソンは綺麗に廻りながらジャブをカウンターで当てる

 

余裕ある動きでグラチェフのパンチをかわしながら、ドーソンがカウンターの左アッパー!

 

6R、ドーソンは倒しにはいかないが、廻りながらグラチェフが入ってきたところにカウンター!

 

それでもグラチェフは、低く何度も入っていこうとする~ボディーストレート!しかし、ドーソンはアッパーを狙い打つ!

 

しかし、グラチェフも振り回して右を効かせドーソンはクリンチ

 

7R、身体を振りながら前に出てくりグラチェフに、ドーソンはサイドに廻りながら速いコンビネーション!

 

さらにスピードが落ちたグラチェフに、ドーソンはカウンターを当てるがダウンは奪えない

 

8R、ダメージは感じさせないグラチェフが出ていくも、ドーソンのスピードには付いていけず打たれる

 

ドーソンは柔らかく廻りながら、ボディーワークでグラチェフのパンチをかわしてカウンター!

 

80-72 79-73 80-72 3-0の判定でチャド・ドーソンの勝利!

 

見事にベテランのチャド・ドーソンが、USNBC全米ライトヘビー級王座を獲得!37歳となってもしなやかな動きで‘Sugar‘振りを魅せたドーソンだが、カウンターを効かせられずに判定になってしまった。プロ41戦となるも、まだ闘うかと思われたが公式戦はこれがラストマッチ。しかし・・・・・2022年6月に突如、Triad Combatで総合格闘家のビクトー・ベウフォーととの対戦が発表されたが試合はキャンセルされた。

大物食いならなかったデニス・グラチェフは、翌月の11月にアルフォンソ・ロペスと対戦も判定敗け~その後は1勝7敗で2022年7月がラストファイト。

 

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