観戦記2575 東洋太平洋&WBOアジアフェザー級王座戦 清水聡vs森武蔵 | 人生マイペンライ

人生マイペンライ

格闘技を愛し50歳過ぎても殴り合う

《本日のDVD観賞》

 

3月28日に引退会見をした村田諒太さんの 「折れない自分をつくる闘う心」 を読んだ。ゴロフキン戦の延期、試合決定~入場前からラウンド毎の闘っている時の心情など‘闘う哲学者‘とも呼ばれる村田選手らしい読み応えのある内容だった。あの2012年ロンドン五輪から9年8ヶ月 『事実は小説より奇なり』 のボクシング人生を送った村田諒太さんには、今後もプロ&アマ、日本&世界を超えてスポーツ界で頑張ってほしい。

オリンピック金メダリストから27歳でデビューして、31歳で辿り着いたミドル級王座戦。コロナ禍の苦難もあり36歳で辿り着いた‘最強‘との激突を何度観ても魂が焦がされる。もう2度と日本人では出ないだろう、オリンピックミドル級金メダル&プロでミドル級世界王者。2022年の東京オリンピックでは田中亮明選手が銅メダルを獲得して、日本人5人目のメダリストになったのを考えるとプロで世界王者になるより難しいのではないだろうか!?

そんなオリンピックボクシングメダリストで、女子の入江聖奈選手と田中亮明選手はプロには転向していなく、東京オリンピックバンタム級金メダルの桜井孝雄さんは世界王座に挑戦も失敗。そして、村田諒太さんと同じロンドン五輪でバンタム級銅メダリストの清水聡選手世界戦に向けて奮闘中!

 

1986年3月に岡山県総社市に生まれた‘ダイヤモンドレフト‘清水聡選手は、2人のメダリストが生まれた2012年ロンドン五輪ボクシングでミドル級(75kg)金メダルの村田諒太選手とともに、バンタム級(56kg)で銅メダルを獲得。村田選手は2013年にプロ入りを表明したが、清水選手は日本人選手として初めてボクシングでオリンピック2大会連続でのメダル獲得を狙いリオデジェネイロ五輪を目指すことを宣言(清水選手は北京五輪にも出場)

そして清水選手は、オリンピックへの出場権を獲得する上で不利にならないように世界のアマチュアボクシング全体をまとめる唯一の組織のAIBAに日本人として初めて正式契約~契約金やファイトマネーが発生する事から自衛隊を離れミキハウスに所属する~しかし、出場を表明していたAIBAの試合を欠場した為に1年間の出場停止処分を科される。2016年3月リオデジャイロ五輪アジア・オセアニア地区予選の代表選考会で自衛隊の成松大介に0-2の判定負けでオリンピックは補欠メンバー。

そしてプロ入り宣言をして大橋ジムに所属し、大橋ジムの元日本フェザー級王者の細野悟選手と7月にスパーリングでプロテスト~9月に、韓国フェザー級王者の李寅圭とのデビュー戦を5RにKO勝ち。2戦目の相手は、来日は3度目のカルロ・デメシーリョ。井上拓真選手のスパーリングパートナーと、2016年10月にジョッシュ・ワーリントンとの英国での1戦に敗れた 『観戦記1136』 天笠尚選手の再起戦で判定までもつれたKO負けのない選手らしい選手を3RでKO勝ち 『観戦記1339』 そして2017年5月の3戦目に初の日本人相手で山本拓哉選手を1RでTKO勝ちし日本フェザー級の10位、東洋太平洋11位にランクインする『観戦記1322』そして、10月に後楽園ホールで東洋太平洋フェザー級王者の韓国のノ・サミュングに挑戦。プロ4戦目で東洋太平洋王座を奪取すれば、田中恒成選手に並ぶ最速記録となる1戦を5RにTKO勝ちで見事に王座奪取~12月の初防衛戦は、東洋太平洋フェザー級14位のエドワード・マンシトを7RにTKOで降す~2018年3月にも、東洋太平洋11位のグォン・ギョンミンを8RにTKOで降し2度目の防衛に成功 『観戦記1498』

 

2018年8月には、東洋太平洋10位の河村真吾選手を4RにTKOで降し3度目の防衛に成功 『観戦記1680』

 

さらに12月にも、上原拓哉選手を3RにTKOで降し東洋太平洋王座4度目の防衛に成功。そして世界戦を睨み、スーパーフェザー級でWBOアジアパシフィック王者ジョー・ナイノイに挑戦も6RにTKO敗けし両眼を眼窩底骨折『観戦記1822』

 

1年のブランクをつくるも、2020年7月に殿本恭平選手を7RにTKOで降し東洋太平洋王座5度目の防衛に成功 『観戦記2502』

 

そして、フェザー級東洋太平洋最強を示す為に対戦するのはWBOアジア太平洋フェザー級王者の森武蔵選手と王座統一戦!

 

1999年1月に熊本県菊池市に生まれた森武蔵選手は、幼稚園から小学5年生までは空手を習う~その後ボクシングに転向して、交通事故で大怪我などあったが2011年&2015年のU―15で全国優勝。

中学校を卒業後に薬師寺ジムに入会し、2016年12月に17歳になったと同時にデビューして深井一矢選手に1R41秒でKO勝ち~2017年に入り3連勝3KOして、西日本スーパーフェザー級新人王を獲得~12月に、ジロリアン陸選手を判定で降し2017年全日本フェザー級新人王に輝く。

タイ人&フィリピン人に2連勝1KOして、2018年11月にリチャード・プミクピックを5R負傷判定で降しWBOアジア太平洋フェザー級王座を獲得~2019年4月に、リチャード・プミクピックとの再戦を2-1の判定で降し初防衛に成功~9月に、スントーン・パノムを3RにKO~12月にも、水野拓哉選手を判定で降しWBOアジア太平洋王座2度目の防衛に成功~2020年11月に、溜田剛士選手を11RにTKOで降しWBOアジア太平洋王座2度目の防衛に成功。

 

13歳の時、ロードワーク中に後方から車に追突されて重傷で半年間入退院を繰り返しボクシングは無理と通告されながらもU-15~新人王~WBOアジア太平洋王座まで登り詰めた無敗の森武蔵選手!オリンピックメダリストからTKO敗けして、大怪我をしながら復活してきた清水聡選手がお互いのベルトを賭け国内フェザー級最強決定戦!

 

2021年5月21日 東洋太平洋&WBOアジア太平洋フェザー級王座統一戦 清水聡vs森武蔵

 

清水聡 9勝9KO1敗 東洋太平洋フェザー級王者

 

森武蔵 12勝6KO無敗 WBOアジア太平洋フェザー級王者

 

1R、長身でアップライトな清水選手に、森選手が低い体勢から右を突き出していく

 

清水選手は、森選手の左ストレートをかわして右フック~それでも森選手が積極的に打っていくも、清水選手がカウンターの左!

 

2R、入っていく森選手がボディー連打~長い腕でガードする清水選手もボディーを返す

 

森選手が、清水選手の長いリーチを活かせなくするよう詰めて打つ!

 

3R、やはり、森選手が低く低く入ってボディー~右フックまで繋げる!

 

清水選手は森選手が入ってくるところに打ち降ろしを狙うも、森選手は潜って潜って右フック!

 

4R、カウンターを狙っている清水選手に、森選手は臆することなく飛び込む!

 

清水選手も、身体を合わせた状態で打ち合う~右フックカウンター!

 

公開採点 39-37 37-39 38-38 3者3様のドロー!

 

5R、森選手が勢いづいて、潜ってボディー~潜ると見せかけて、左オーバーフック!

 

頭を振りながら森選手が入っていく~清水選手もカウンターを狙い、タイミングが合ってくる

 

6R、清水選手からガンガン左を振り降ろしていく~森選手も引かずに、低く入って接近戦を挑む!

 

しかし、清水選手は長いリーチを畳んで右ブックを打ち降ろす!

 

7R、完全にスイッチが入った清水選手が、ラフにガンガン打ちまくる~森選手も返すが、清水選手のカウンター!

 

森選手は効いている~必死にくっつこうとする森選手も、清水選手はショートのアッパー!スペースをつくっては左を振り落とす!

 

8R、やはり頭を付けていく森選手も、清水選手はアッパーでカチ上げる~しかし、森選手も素早いステップインから右フック!

 

森選手は何度も低く入ろうとするが、清水選手は上手く回しながら手数で突き放す~左ストレート!

 

公開採点 78-74 78-74 77-75 3-0で清水選手がリードを広げる

 

9R、ポイント差を広げられた森選手が、さらに前へ前へ出て打っていく!

 

しかし、森選手も疲れてきている~清水選手がスペースをつくると左ストレートが飛んでくる!

 

10R、清水選手が先手先手と手を出していく~スピードが落ちた森選手は入れない

 

リズミカルに清水選手がジャブを突く~森選手は、屈んでから右フックで入っていこうとする

 

11R、動く清水選手を森選手は見てしまい、清水選手がジャブから左ストレートを打ち降ろす!

 

初の11ラウンドに突入も、清水選手の動きは落ちない~跳ねるように動いてワン・ツー!

 

12R、森選手が逆転を狙って頭から突っ込む~しかし、距離が無い状態でも清水選手が
上手くアッパー!

 

森選手も最後まで出続けるが、清水選手がボディーで止めて左!

 

判定は、116-112 118-110 118-110 3-0で清水聡選手が、東洋太平洋フェザー級王座6度目の防衛とWBOアジア太平洋フェザー級王座を獲得!前半は入っていけた森選手だったが、中盤から清水選手の絶妙な位置取りからの左ストレート~右フックで入らせてもらえなかった。森選手は 『ディフェンスから組み立てていくというのが僕の作戦。もらわないことを気をつける。ボクシング人生の中で分岐点』 と話していたが、プロ&アマチュアで180戦のキャリアを誇る清水選手に初黒星を喫した。

清水選手は5R終了後にセコンドの松本トレーナーから 『中間距離で戦え。距離を取れ』 と言われたらしく 『途中まで実力を発揮できなかったが、ロングに距離を切り替えてから自分のペースに持ち込むことができた。アマチュア経験が長かったおかげ』 と話す。さらに終盤には上手く足も使い、終わってみれば完勝で 『コロナの中、もがき、いいボクシングを探すことができた。勝ったことで次につながる』 と話す。

そして清水選手は王座を返上して、世界戦の準備に入るも・・・・コロナ禍とフェザー級はスターばかりで中々話は決まらず1年7ヶ月後にランディ・クリス・レオンと対戦。森選手は1年2ヶ月後の2022年7月に再起し、プレスコ・カルコシアに判定勝ち~2023年3月に、東洋太平洋スーパーフェザー級王座決定戦で渡邉卓也選手と対戦もドロー。

 

★いよいよ清水選手は2023年7月25日に初の世界王座挑戦! 格闘技blogランキングをクリック格闘技 ブログランキングへにほんブログ村 格闘技ブログへにほんブログ村