《本日のＴＶ鑑賞》
アメリカでは試合ぶりから干され、しかも連敗をして２０２２年３月には調理中の事故であわや失明かと報道があった元ＷＢＡバンタム級＆元ＷＢＡスーパー＆ＷＢＯスーパーバンタム級王者のギジェルモ・リゴンドー。４２歳となり引退したと思われたが、２０２３年２月にフロリダ州でヘスス・マルチネスを１ＲにＫＯして３年振りに勝利した。
ボクシングと野球王国のキューバだが、ワールド・ベースボール・クラッシック（ＷＢＣ）では準優勝１回とベスト４が１回のみで優勝はできていない。オリンピックのボクシングでは多くの階級で金メダルを獲得しているキューバだが、プロボクシングでは意外や３階級制覇王者は誕生していない。やはり、アマチュア歴が長く１０代の減量がきく時に王者になっていないとチャンスに恵まれないのが原因だろう。
そんなキューバ出身の世界王座栄冠した選手の中で、アマチュアで目立った戦績がないからかナショナル・ゴールデングラブに出場後に２３歳でアメリカに亡命したのが兄はアテネ五輪金メダルのランセス・バルテレミー！
１９８６年５月にキューバのアローヨ・ナランホで生まれた‘ＫＩＤ ＢＬＡＳＴ‘ランセス・バルテレミーは、アマチュアでは２００９年５月のナショナルゴールデングローブスに出場し２回戦で敗退。実兄で、アテネ五輪でライトフライ級金メダルのヤン・バルテレミーのような国際大会での実績はない～亡命してアメリカに渡り、２００９年８月にデビューしてジャーマル・クレイを１Ｒの１４秒でＫｏする～その後も１１連勝９ＫＯして、２０１１年７月にヘラルド・ロブレスを判定で降しＵＢＯインターナショナルライト級王座を獲得。
１１月にも、アレハンドロ・バレラを２ＲにＫＯする～２０１２年２月に、ハイロン・ウィリアムズＪｒに判定勝ちして初防衛に成功～さらに３連勝して、２０１３年６月にファーサイ・サックリンＪｒとのＩＢＦスーパーフェザー級王座挑戦者決定戦を２ＲにＫＯ勝ちして挑戦権を獲得～２０１４年１月に、ＩＢＦスーパーフェザー級王者のアルへニス・メンデスに挑戦も２ＲにＫＯ勝ちも・・・・パンチがゴング後のパンチと判定になり無効試合。７月にアルへニス・メンデスと再戦し、判定勝ちでＩＢＦスーパーフェザー級王座を獲得。
３ヶ月を置いて１０月の初防衛戦は、ＩＢＦスーパーフェザー級３位のフェルナンド・ダビッド・サウセドをフルマークの判定勝ちで初防衛に成功 『観戦記２０９９』
２０１５年６月にＩＢＦスーパーフェザー級王座を返上して、階級アップの調整試合としてスーパーライト級契約で元ＷＢＣライト級王者のアントニオ・デマルコを大差判定で降す 『観戦記２１９４』
１２月にミッキー・ベイが返上したＩＢＦライト級王座を、デニス・シャフィコフと争い判定勝ちで２階級制覇達成～２０１６年６月に、前王者のミッキー・ベイを２－１の判定で降し初防衛に成功～ＩＢＦ１位のリチャード・コミーとの指名戦は、バルテレミーは王座を返上～階級を上げ２０１７年５月に、ＷＢＡスーパーライト級王座挑戦者決定戦でキリル・レリクを判定で降し挑戦権を獲得～しかし、ＷＢＡスーパーライト級王者のテレンス・クロフォードは王座を返上しウェルター級へ。ＷＢＡはレリク戦での再手に問題ありと、バルテレミーとレリクに再戦を指示」～２０１８年３月にＷＢＡスーパーライト級王者決定戦として再戦も、大差判定敗けで３階級制覇ならず
１２月に再起し、ロバート・フランケルを３ＲにＴＫＯで降す～そして、再びライト級に戻して、ＷＢＡライト級王者決定戦に出場！対戦するのは、元ＩＢＦライト級王者のロバート・イースター！
１９９１年１月アメリカのオハイオ州トレドで生まれたロバート・イースターＪｒは、トーマス・ハーンズを彷彿させる風貌とスタイルとヒットマンばりの恵まれた体でアマチュア時代も２０歳の時に全米選手権にライトウェルター級で出場して３位～そして、７月のロンドン五輪予選では決勝で敗退し補欠。翌年の全米選手権で３位。
プロの転向し、１１月にエディ・コロナを２ＲにＴＫＯで降す～全て３Ｒ以内の８連勝８ＫＯも、２０１４年に入り９戦目のダニエル・アッター、１０戦目のカルロス・カルデナスで大差ながらも判定勝利～その後も１１戦目にアンヘル・エルナンデス判定勝ちがあるも、２０１６年４月に元ＩＢＦスーパーフェザー級王者のアルへニス・メンデスを５ＲにＴＫＯで降し１７戦全勝１４ＫＯでＩＢＦライト級４位まで上げる。そして、目指す王座のＩＢＦライト級王者は２階級制覇のバンセス・バルテレミーだったが、バルデミーが３階級目を狙い王座を返上⇒２０１６年９月にＩＢＦ３位でガーナのリチャード・コメイと王座決定戦でダウンを奪われる苦戦も２－１の判定で王座栄冠 『観戦記１２８９』
２０１７年２月の初防衛戦では、プエルトリコのＩＢＦライト級１５位ルイス・クルスを大差判定で降す『観戦記１５２５』
６月の２度目の防衛戦では、ＩＢＦ１位のデニス・シャイコフを大差判定で降す 『観戦記１７６３』
２０１８年１月にも、元ＷＢＡフェザー級＆スーパーフェザー級王者のハビエル・フォルトゥナを判定で降し３度目の防衛に成功～７月には、ＷＢＣライト級王者のマイキー・ガルシアと統一戦も判定敗けで王座陥落 『観戦記２１３７』
３階級制覇を一旦諦めてライト級に戻してきたランセス・バルテレミーが、ワシル・ロマチェンコがＷＢＡライト級のスーパー王者になった事による正規王者決定戦に出場！ＷＢＣ王者マイキー・ガルシアとの統一戦に敗けた前ＩＢＦライト級王者のロバート・イースターは、再起戦でいきなりＷＢＡライト級王者決定戦に出場！
２０１９年４月２７日 ＷＢＡライト級王座決定戦 ロバート・イースターｖｓランセス・バルテレミー
ロバート・イースター ２１勝１４ＫＯ１敗 ＷＢＡ３位
ランセス・バルテレミー ２１勝１４ＫＯ１敗 ＷＢＡ２位
１Ｒ、ゆっくり廻るバルテレミーに、イースターが長いジャブで追いかける
バルテレミーは様子を見て、パンチは貰っていないが手数少ない
２Ｒ、まだ廻るバルテレミーも、イースターのジャブにリターンを狙う
バルテレミーは、距離を取りながらもカウンターを狙う～イースターが出てこないと、バルテレミーが左を上下に伸ばす
３Ｒ、バルテレミーがサウスポーに変える～さらにイースターはパンチが届かず、バルテレミーはアウトボクシング
イースター入れない～それでも、右を中心に前に出ていく！
４Ｒ、距離を取りながら廻るバルテレミーに、イースターが追いかけ踏み込む！
バルテレミーも距離を取りながらジャブしか出せず、踏み込んでもイースターは懐深い
５Ｒ、バルテレミーからガンガン出ていく～下がったイースターに、大きく振りかぶった左！
バルテレミーが何度も飛び込んでいく～イースター廻りながら返すが、バルテレミーのリターンを喰らう
６Ｒ、サウスポーに対してだと、イースターは全くリーチを生かせずにジャブの差し合いで敗ける
受身になり、攻められないイースター～バルテレミーは踏み込むも、クリーンヒットはしない
７Ｒ、お互いにフェイントを掛け合い、ジャブを打つが入れない
イースターは手が出てこないが、バルテレミーのパンチも届かない～それでも、攻めているのはバルテレミーか！？
８Ｒ、ラウンド開始と同時にイースターが出る～バルテレミーをロープに追い込みボディー連打！
しかし、再びイースターが廻ってバルテレミーが前に出ていき振りかぶる！
９Ｒ、お互いに狙っていて手数が減る～イースターが右で飛び込み、打ち終わりをバルテレミーが狙う
再びイースターは入りづらくなり、バルテレミーも手数少なくなるもボディー！
１０Ｒ、カウンターを狙っているバルテレミーに、イースターは入りづらい～飛び込むも、お互いに当たらない
バルテレミーがボディーを打ちながら誘う～前には出ているイースターも、手数はバルテレミーか！？
１１Ｒ、やはり、前には出ていくイースターも当たらない～バルテレミーもカウンターを狙うがヒットしない
お互いに当たらない～攻めているのはイースターか！？
１２Ｒ、バルテレミーは、ポイントを取っていると確信しているのか廻る～イースターは当たっていないが振る
イースターは攻めるもクリーンヒットを奪えない～バルテレミーはヒラヒラ廻りながらカウンターを狙う
判定は、１１３－１１５ １１５－１１３ １１４－１１４ ジャッジ３者３様で１－１のドロー！
なんとも盛り上がりにかけた１戦となってしまったＷＢＡライト級王座決定戦は、３者３様のドローという締まらない結末。距離を取りながらカウンターを狙うバルテレミーと、長いリーチを生かした闘いに良さが出るイースターだけにスリリングな場面は無く引き分けで良かったのさえ思えてくる内容だった。それを物語るように再戦の話は出なく、ＷＢＡレギュラー王者は８ヶ月後の２０１９年１２月にスターのジャーボンテイ・デービスと元３階級制覇王者のユリオルキス・ガンボアでＷＢＡライト級王座決定戦。
ロバート・イースターは、６ヶ月後の２０１９年１０月にアドリアン・グラナドスとノンタイトル戦。ランセス・バルテレミーは、１年９ヶ月空いて２０２１年１月にアル・リベラとノンタイトル戦。
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