観戦記2398 WBCウェルター級王座戦 ショーン・ポーターvsヨルデニス・ウガス | 人生マイペンライ

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《本日のDVD観賞》

 

昨日は(6月19日)ゆっくりと「The Match」をabema.TVで堪能させてもらった!やはり対抗戦というのは燃えるものがあるが、刺激が強すぎて通常に戻ると以前よりも冷めてみえてしまう事が多々あるのでどうなるのか!?The Matchの前にはWBC&IBF&WBOライトヘビー級王座統一戦のネット生中継もあり、やはりテレビというものの在り方が変わってきているのを否が応でも感じる。

今年のビックマッチ、WBAミドル級スーパー王者村田諒太vsIBFミドル級王者ゲンナディ・ゴロフキンの統一戦 『観戦記』 WBAスーパー&IBFバンタム級王者井上尚弥vsWBCバンタム級王者ノニト・ドネアの統一戦 『観戦記2394』 も有料ネット配信だったので、こうなると民放での格闘技となるとWBOスーパーフライ級王者の井岡一翔選手ぐらいしか無くなってしまうのか!?

事実上ジムも独立して、日本人初の4階級制覇王者として7月には一度苦杯を飲まされている 『観戦記1646』 同じくミニマム級~スーパーフライ級の4階級を制覇しているドニー・ニエテスと5度目の防衛戦予定。井岡一翔選手の名参謀である、キューバ人トレーナーのイスマエル・サラスも久しぶりに来日できるのであろうか!?

数々のキューバ人メダリストを育て、さらに亡命後には世界中で世界王者を育て上げてイスマエル・サラスはラスベガスでジムを開設している。そこには、やはり同じくキューバから亡命したボクサーも多く契約していて、キューバ代表で北京オリンピック銅メダリストのヨルデニス・ウガスもサラスを師事している。

 

1986年7月にキューバのサンティアゴ・デ・キューバで生まれた‘54Milagros(54の奇跡)‘ヨルデニス・ウガス・エルナンデスは、2003年度U17世界王者、2004年のジュニア選手権では、後のWBA&IBFスーパーライト級王者になるアミール・カーンに敗ける。その後は、2005年度のキューバ選手権ライト級優勝~2005年度世界選手権ライト級優勝~2006年度キューバ選手権ライト級優勝~2006年度中央アメリカライト級優勝~2007年度キューバ選手権優勝~2007年度パンアメリカンゲームライト級優勝~~そして、2008年の北京オリンピックで銅メダルを獲得~2008年度キューバ選手権ライトウェルター級優勝。

2009年イタリアでの世界選手権に選ばれなかったのは、アメリカのドキュメント番組で 『ここでの待遇が素晴らしいというなら、なんだってスポーツ選手が国を離れるんだ?金だよ。家族に送金するんだ。優秀なアスリートは海外で大金を稼ぐ。キューバで一番だ!国際的な場で戦うべきだと思っている』 と発言した為だと言われている。

そして、プロに成る為にメキシコ支援者を頼りに亡命をし 「小さなボートで2日間波の中で翻弄された。ここで死ぬんだと、何度も思った」 と亡命しアメリカのマイアミに辿り着く。「生きてボクシングが出来るだけでありがたかった」 と、アメリカトップランク社と契約~2010年7月にアトランタ州でデビューしてディノ・ドゥモンジッチに判定勝ち~さらに10連勝5KOも、2012年3月にジョニー・ガルシアに1-2の判定負け。

直ぐに再起して4連勝2KOも、2014年2月にエマニュエル・ロブレスとのWBCラテンアメリカスーパーライト級暫定王座決定戦で1-2の判定負け~5月にも、アミール・イマムに判定負けで連敗となりトップランク社と契約を解消されてしまう。

引退も考えたウガスだったが、メジャーリーグ最速投手で同じくキューバから亡命したアロルディス・チャップマンから 「必ずチャンスは来る。その時に備えろ」 と資金援助も含めた激励を受ける。

2016年8月に、後にWBAウェルター級暫定王者になるジャマル・ジェームスに判定勝ちしして再起する~さらに3連勝2KOして、2017年8月にはフロイド・メイウェザーvsコナー・マクレガー 『観戦記1605』 のアンダーカードでトーマス・デュロルメに判定勝ち~2018年2月にも、IBF2位決定戦でレイ・ロビンソンを7RにTKOで降す。

 

9月に、WBC8位のセサール・バリヌエボとのWBCウェルター級王座挑戦者決定戦を大差判定で降し挑戦権を獲得 『観戦記2197』

 

そして挑む王者は、挑戦権を獲得した日のメインでダニー・ガルシアから王座を奪ったショーン・ポーター!

 

1987年10月にアメリカのオハイオ州で生まれたショーン・ポーターは父親のケニー・ポーターからボクシングを教わり、アマチュア戦績は豊富で2006年にナショナル・ゴールデングローブにミドル級(75kg)で優勝~全米選手権は後のWBAミドル級王者になるダニエル・ジェイコブスに決勝で敗退し準優勝~2007年の全米選手権ではダニエル・ジェイコブスに勝利も、決勝で後のミドル級世界ランカーのフェルナンド・ゲレーロに判定負け~2008年の北京五輪予選では、ダニエル・ジェイコブスに敗退も補欠に選ばれアマチュア戦績は276勝14敗と云われている。

オリンピック後の2008年10月にスーパーミドル級でプロデビューし、ノーマン・ジョンソンに1RでTKO勝ち~オハイオ州出身だがラスベガスを中心に戦績を積み 、12連勝(10KO)で2010年2月にラッセル・ジョーダンとのNABO北米スーパーウェルター級暫定王座決定戦を判定勝利し栄冠~4月にラウル・ピンソンを1RでKO~5月に、ロバート・クリワーを5RでTKO~7月にレイ・ロビンソンに判定勝ち~10月にヘクター・ムニョスを9RにTKO勝利し、NABF北米ウェルター級王座を獲得~2月にエンジャス・アジャホに判定勝ちし初防衛に成功~王座を返上し、4月にパトリック・トンプソンを6RでTKO勝利~7月にミゲール・コットのWBAウェルター級王座、サウル・アルバレスのWBCスーパーウェルター級王座に挑戦経験があり、後に亀海喜寛選手に勝利する 『観戦記852』 アルフォンソ・ゴメスには判定勝ちしNABO北米ウェルター級王座を獲得~12月にフリオ・ディアスとドロー~2013年5月にフィル・ロ・グレコに判定勝ち~9月にNABO北米ウェルター級王座戦&IBF北米ウェルター級王座決定戦でフリオ・ディアスに判定勝ち~12月に、デボン・アレクサンダーのIBFウェルター級王座に挑戦し判定勝ちし初の世界王座栄冠 『観戦記710』

2014年4月に、元2階級制覇王者のポール・マリナッジを4RにTKOで降し初防衛に成功 『観戦記787』

しかし、8月にIBF1位の指名挑戦者ケル・ブルックに0-2の判定負けで王座陥落~ゴールデン・プロモーションからも契約を破棄される。2015年3月にロベルト・ガルシアと再起戦予定も、ガルシアが体重超過。代役のエリック・ボーンに5RでKOして再起し、6月に、後の4階級制覇王者(この時点で3階級制覇)のエイドリアン・ブローナーとスーパーライト級(140ポンド)とウェルター級(147ポンド)の間の144ポンド契約で対戦し、頭から突っ込むポーターに組付くばかりでなにもできないブローナーに判定勝ち『観戦記937』そして、WBA2位としてキース・サーマンのWBAウェルター級王者のキース・サーマンに挑戦するが判定負けで王座獲得ならず 『観戦記1359』

 

流石に1年間を空けて、2017年4月にWBCウェルター級王座挑戦者決定戦でWBC4位のアンドレ・ベルトと対戦し見事に9RTKO勝ちで挑戦権を獲得 『観戦記1703』

 

そして、11月にWBCシルバー王座決定戦でWBCスーパーライト級11位のアドリアン・グラナドスを判定で降し王座獲得 『観戦記1876』 WBCランキングも2位に上げてWBAスーパー&WBC王者のキース・サーマへとの再戦もみえてきたが、サーマンは左手の負傷でWBC王座を返上(WBAスーパー王座は保持)そして2018年9月に、WBC1位のダニー・ガルシアとWBCウェルター級王者決定戦で対戦し判定勝ちして王座栄冠 『観戦記2199』

 

この時点のウェルター級世界王者は、WBAスーパー王者にキース・サーマン、WBA王者にマニー・パッキャオ、WBO王者にテレンス・クロフォードという大物ばかりの王者達の中で統一戦を望むポーターが初防衛か!?オリンピックメダリストながらも、亡命~3敗しながら、33歳で初の世界王座戦のチャンスを得た苦労人ウガスが王座獲得なるか!?

 

2019年3月9日 WBCウェルター級王座戦 ショーン・ポーターvsヨルデニス・ウガス

 

ショーン・ポーター 29勝17KO2敗1分 初防衛戦

 

ヨルデニス・ウガス 23勝11KO3敗 WBC6位

 

1R、お互いに左を伸ばしていく~リーチが短いポーターが飛び込んでいこうとするも、ウガスは待ち構えて左で止める

 

ポーターが動き廻り、速い踏み込みから当てては動く~ウガスが踏み込んできても、カウンターで右を合わせる

 

2R、ウガスが、ドッシリ構えながらも前に出ていく~ポーターは細かく動きまわる

 

ウガスが、身体を生かして被さるようにボディー連打~ポーターは打ち終わりを狙う!

 

3R、プレスをかけていくウガスも、跳ねるように動いて手数で抜けていくポーター

 

ウガスはドッシリ構えながらもポーターを追っていき、左ボディーでポーターを止めにいく

 

4R、ウガスはボディーを多く打っていく~ポーターは廻るが、ウガスの圧力が強くコーナーに詰まる

 

ポーターは細かい動きでパンチは避けるも、ジャブしか打てずに再三コーナーに詰まる

 

5R、ポーターはコーナーに詰まらないように、大きく廻りながらも自分から打っていく

 

素早いポーターをウガスは無理には追いかけないも、ポーターが入ってこようとするタイミングに右を合わせる

 

しかし、ラウンド後半にはポーターから接近戦を挑み打ちまくる!

 

6R、やはり、ポーターが跳ねるように距離を取りながら飛び込む~ウガスはコンパクトに右カウンター!

 

ウガスが前に出るが、ポーターは軽く当てては動き廻る

 

7R、ポーターが打ち合いにいく~左右のフックを振り回すが、ウガスはダッキングでかわして左フック!

 

ポーターはアリシャッフルをしながら軽快に廻るが、ジャブの打ち終わりをウガスに狙われる!

 

8R、お互いに踏み込めずフェイントを掛け合う~軽いジャブのポーターに、ウガスはボディー~アッパー!

 

ポーターが身体を振りながら入っていく~ウガスのパンチをかわしながらボディー!

 

9R、前には出るウガスも、手数が少ない~ポーターは入ってはまとめて打ち、スッと離れていく

 

スピード落ちないポーターは、軽いながらも当てては動いてウガスに攻めさせない

 

10R、廻りながらジャブ~クリンチのポーターに、ウガスは前に出るが疲れもあり手数が出ない

 

リーチでは劣るポーターだが、素早い出入りでヒット数を稼ぐ

 

11R、ウガスは、廻るポーターに付いていけない~ポーターは、打ち合わずに当てるだけに徹する

 

足を使いながら当てては廻るポーターに、ウガスは強引に詰めて振り回すがクリーンヒットは奪えない

 

12R、ポイントはどうなのだろうか!?ポーターは、変わらずジャブを当てては動く

 

ウガスが豪快に振っていく~ポーターはガードしているもスリップする

 

ウガスは、最後までポーターを捕まえられずに試合終了

 

判定は、116-112 111-117 115-113 2-1でショーン・ポーターの勝利!

 

初防衛に成功したショーン・ポーターだが、場内からは判定にブーイングも飛んでいた。難しい採点だったがジャッジペーパーを観ると、ジャッジ3者がポーターに10点を付けたのは9Rのみ。ウガスにジャッジ3者が10点を付けたのは4Rのみと割れに割れた採点内容。115-113でポーターに付けたジャッジのみ12Rをポーターに付けているが、それがウガスに10点ならドローで、裁定がスリップではなくダウンだったならばウガスが2-1で新王者となっていた。

この試合でポーターは125万$(約1億3,000万円)ウガスは30万$(約3,200万円)を稼ぐ。際どい内容が評価されたのか、ウガスは4ヶ月後の7月にラスベガスのMGMグランドガーデンアリーナで元WBCライト級王者のオマール・フィゲロアとWBCウェルター級王座挑戦者決定戦で対決。初防衛に成功したポーターは、半年後の9月にIBFウェルター級王者のエロール・スペンスJrと念願の王座統一戦!

 

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