観戦記2360 WBOフェザー級王座戦 オスカル・バルデスvsカーマイン・トマソーネ | 人生マイペンライ

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《本日のDVD観賞》

 

挑戦者の石澤開選手の計量オーバーで、注目が集まってしまった谷口将隆選手のWBOミニマム級王座戦。47.6kgのミニマム級で前日軽量2.3kgのオーバーはライトフライ級(48.988kg)を超えてフライ級に近い数字。試合の中止を求めた王者の谷口選手に、谷口選手陣営が試合をするように説得したというのも「興行」の悲しさというか・・・・ルイス・ネリの計量オーバー~罰金によるキャッチウェイトの防衛戦を断ったエマヌエル・ロドリゲスや、カシメロの急病で代替え選手のジョセフ・アグベコとの暫定王座決定戦を断ったポール・バトラーのような例も近年でもある。

石沢開選手は試合当日の17時半にミニマム級リミット+3kgの50.6kgでの試合決行となったが、2018年3月のWBOフェザー級王座戦で挑戦者のスコット・クイッグがフェザー級126ポンドを2.8ポンドオーバー(1.27kg)カリフォルニア州コミッションのルールは、2ポンド(907.592g)以上のオーバーは再計量を認められないで失格。王者のオスカル・バルデスにファイトマネーの20%と試合当時の朝に136ポンドでバルデスが勝ったときのみ防衛の条件となる。しかし、クイッグが試合当日の計量を拒否して更なる罰金で試合は開催されバルデスが判定勝ちするもバルデスは試合中にアゴを骨折し歯も折る。

 

1990年12月生まれメキシコのソノラ州出身のオスカルラファエル・・バルデス・フィエロは、17歳で出場した2008年の北京オリンピックは1回戦で敗退~2009年の世界選手権では、準決勝で後の3階級制覇するワシル・ロマチェンコに敗北し銅メダル~2011年の世界選手権では、2回戦で現フェザー級世界ランカーのジョセフ・ディアスに判定負け~2012年のロンドン五輪では、準々決勝でジョン・ジョー・ネビンに判定負けしアマでは177勝27敗の戦績。

2012年11月に22歳でデビューしアンヘルプラドを2RでKO~2014年4月に10連続KOでアドリアン・ペレスを破り、NABF北米スーパーフェザー級ジュニア王座を獲得~1度防衛後、7月にファン・ルイスを判定で破りNABF北米フェザー級ジュニア王座を獲得。11月に、アルベルト・ガルサを7RにTKOで降し初防衛に成功~その後も連勝を伸ばし、クリス・アバロス、アーニー・サンチェスにも勝利。そして、2016年3月のマニー・パッキャオvsティモシー・ブラッドリーⅢ 『観戦記1105』 で元IBFフェザー級王者のイブゲニー・グラドビッチとNABO北米フェザー級王座決定戦を4RでTKO勝ちしWBOランキング1位まで上げる。

そして、ワシル・ロマチェンコが返上したWBOフェザー級王座を2位のマティアス・ルエダと争いボディーで倒し王座栄冠 『観戦記1263』

さらに11月もマニー・パッキャオのアンダーカードで、WBO2位の大沢宏晋選手を7RにTKOで降し初防衛に成功 『観戦記1430』

 

2017年4月に、WBO1位のミゲール・マリアガを判定で降し2度目の防衛に成功 『観戦記1682』

 

9月にも、WBO4位でフィリピン人だが日本のカシミジム所属のジェネシス・セルバニアを判定で降し3度目の防衛に成功 『観戦記1837』 2018年3月に、WBO10位のスコット・クィッグの挑戦を受けるがクィッグは計量でオーバー・・・・試合はバルデスが大差判定勝ちも、バルデスは顎を骨折 『観戦記2025』

 

治療の為に1年空いて、5度目の防衛戦となる挑戦者はWBO14位のカーマイン・トマソーネ!

 

1984年3月にイタリアのカンパニア州で生まれた‘Mr.Wolf‘カーマイン・トマソーネは、アマチュアでは数戦だけして2010年6月にデビューしてイシュトバーン・アタイに3RでTKO勝ち~さらに11連勝3KOして、2014年10月にマリオ・ピサンティに判定勝ちしてイタリアフェザー級王座を獲得。

2015年4月にも、クリスチャン・パルマを判定で降しWBAインターコンチネンタルフェザー級王座を獲得~王座は返上するが、9月にジョン・スローニーを判定で降しEBU―EU圏フェザー級王座を獲得~2016年10月には、ヘスス・アントニオ・リオス4R棄権に追い込みWBAインターコンチネンタルフェザー級王座を再獲得~さらに3連勝して初の世界戦のチャンスを掴む!

 

当初はバルデスへの挑戦者はスペインのアントニオ・カゴと云われていたが、初のアメリカでの試合となるWBO14位のトマソーネになる。バルデスはこの試合の前からサウル・アルバレスなどのトレーナーのエディ・レイソノに代えてホームに近いテキサス州で5度目の防衛戦!

 

2019年2月2日 WBOフェザー級王座戦 オスカル・バルデスvsカーマイン・トマソーネ

 

オスカル・バルデス 24勝19KO無敗 5度目の防衛戦

 

カーマイン・トマソーネ 19勝5KO無敗 WBO14位

 

1R、高いガードから前に出てくるバルデスに、トマソーネがジャブを突きながら廻る

 

バルデスは、手数少ないもプレッシャーをかける~得意の左フックを振る!

 

2R、トマソーネが手数多く出るも、バルデスはよく見てかわす

 

バルデスの方が廻る展開も、バルデスが大きい右~左フック!

 

3R、手数はトマソーネも、バルデスがプレスをかけ左フックで追い回す

 

トマソーネはスイッチをしながら手数は多いが、ジャブばかりでバルデスを止められない

 

4R、ジャブを打ちながら廻るばかりのトマソーネに、バルデスの左フックがカスりトマソーネはフラつく!バルデスが強く出る~トマソーネも返すが、バルデスのリターンの右でダウン!

 

立ち上がったトマソーネに、バルデスが左フックで極めにいくもトマソーネかわす

 

しかし、ラウンド終了際にバルデスの左ボディーでトマソーネは膝をついてしまう!

 

立ち上がったトマソーネは、バルデスの追撃を大きく廻ってラウンド終了

 

5R、ボディーのダメージが厳しいトマソーネに、バルデスが左右のボディーで追い込む!

 

さらにバルデスがボディー~左フックで攻めまくるも、トマソーネも必死にブロックする

 

6R、やはり手数が多いトマソーネも、バルデスの右ボディーで一瞬腰が落ちる!

 

さらにバルデスがボディー~左フックで攻める!バルデスの突き出したような左で、トマソーネはダウン!

 

なんとか立ち上がったトマソーネだが、バルデスのボディーに廻るばかり

 

7R、ガードを固めながら前に出るトマソーネに、バルデスが左を突き刺す!

 

バルデスがトマソーネをロープに追い込む~トマソーネは低く潜ろうとしたところに、バルデスが右アッパー!

 

吹っ飛んだトマソーネに、レフリーはカウント不要で試合を止める!

 

見事にオスカル・バルデスが、7RにKO勝ちでWBOフェザー級王座5度目の防衛に成功!好戦的でKOが注目されるバルデスだが、この試合のようにジャブが素晴らしくペースを掴んで必殺の左フックを爆発させる闘いは強さを感じる。

そして、何と!初黒星となったカーマイン・トマソーネが、リング上で恋人にプロポーズしてOK貰い会場からバルデスより大きい拍手を貰う。

 

完勝のバルデスは、この時点での他団体王者のWBAシェ・ツァン、WBCゲイリー・ラッセルJr、IBFジョシュ・ワーリントンとの統一戦を希望するが、簡単には決まらずに4ヶ月後に6月にアメリカのネバタ州リノでまたも下位ランカーのWBO11位ジェイソン・サンチェスと6度目の防衛戦。

 

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