観戦記2230 WBOフライ級王座戦 中谷潤人vsアンヘル・アコスタ | 人生マイペンライ

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基本的に、王座決定戦はランキングの最上位と2番目で行う規約。しかし、スケジュールや政治的なものもあり王者決定戦に抜擢されるのもよくあること・・・しかし、その場合は初防衛戦でランキング1位や最上位と対戦するのが決まりである。

しかし、近年ではそれも崩れ現役でいうならば田中恒成選手はWBOミニマム級王座決定戦で王座を栄冠するも 『観戦記888』 初防衛戦は4位のビック・サルダール 『観戦記1040』 と初防衛戦。なかなか世界挑戦がままならず、世界ランカーと闘った闘って世界ランキング1位まできた選手は世界王者より評価されている選手も多くいる日本人世界王者も、世界ランク1位との防衛戦での勝率は決してよくない。しかも、初防衛戦が海外でとなると日本人では少なくリスクがある。しかし、最近は海外志向のボクサーも増えて「本場で防衛戦をしたい」と希望する日本人世界王者も増えてきて頼もしい。

そして、決して望んだわけではないだろうが王座決定戦で世界王座を栄冠したので初防衛戦はランキング1位、しかもアメリカでの初防衛戦となったのがWBOフライ級王者の中谷潤人選手

 

1998年1月に三重県東員町で生まれた中谷潤人選手は、両親の礼儀作法を学ばせたい気持ちもあり小学4年生から空手を習う~小学6年生時に階級がしっかりしているボクシングに転向~三重県桑名市で、東洋太平洋スーパーバンタム級王者の石井正三さんが開設したKOZO BOXING GYMに入会し、2012年アンダー15の32.5kg級優勝。2013年にもアンダー15の40kg級で優勝~中学を卒業して高校には行かずに、アメリカに渡り畑山隆則さん、伊藤雅雪選手の指導で知られるルディ・エルナンデスの指導を受ける。

 

2015年4月にデビューし、糸賀純一選手を1RにTKOで降す~その後も3連勝して、2015年度ルーキーズトーナメントライトフライ級優勝。2016年は4連勝4KOで東日本新人王に輝き、12月にも矢吹正道選手を判定で降し全日本フライ級新人王に輝く~2017年は3連勝2KO後の8月に、ユーリ阿久井政悟選手を6RにTKOで降し日本フライ級ユース王座を獲得~さらにフィリピン人、メキシコ人、フィリピン人に3連勝2KOして日本ランキング1位になる~2018年10月に、日本フライ級2位の小坂俊選手との日本王座次期挑戦者決定戦に判定勝利して挑戦権を獲得 『観戦記1709』 そして、当時日本フライ級王者の黒田雅之選手がIBFフライ級王者のモルティ・ムザラネに挑戦する為に返上。そして、1位の中谷選手と2位の望月直樹選手で王座を争い9RにTKO勝ちで中谷選手が日本王座を獲得 『観戦記1747』

 

6月に中野ウルフ選手と初防衛予定も、中野ウルフ選手が怪我で出場できず代役のフィリピンバンタム級8位のフィリップ・ルイス・クエルドを6RにTKOで降す~10月に世界前哨戦として、元IBFライトフライ級王者でWBCライトフライ級9位のミラン・メリンドと対戦し6RにTKO勝ち 『観戦記1885』 そして、大晦日にWBOフライ級王座3度目の防衛に成功した 『観戦記1866』 田中選手がスーパーフライ級へ階級を上げるために王座を返上~2020年4月に、WBOフライ級1位のジーメル・マグラモと王座決定戦予定も・・・・コロナウィルスの影響で8月に延期。しかし、8月でもコロナウィルスの猛威は衰えず再度延期・・・・そして、ついに7ヶ月遅れで11月に王座決定戦となりジーメル・マグラモを8RにKOして王座獲得 『観戦記2056』

 

そしてコロナ禍で防衛戦がなかなか出来ず、10ヶ月を置いての初防衛戦はアメリカのアリゾナ州ツーソンで!挑戦者は元WBOライトフライ級王者のアンヘル・アコスタ!

 

1990年10月にプエルトリコのサンファンに生まれたアンヘル・ティト・アコスタは、貧民街のバリオ・オブレロで育ち兄の影響で9歳からボクシングを始める~IBFフライ級王座にも挑戦したホセ・ラウレアーノ、元WBCウェルター級王者のビクター・オルティスからの指導も受ける。

アマチュアでは、2010年7月に中央アメリカ・カリブ海周辺の国が参加する国際総合競技大会でライトフライ級金メダルを獲得~2012年のロンドン五輪予選で敗退しプロへ転向。自国プエルトリコの英雄のミゲール・コットがプロモートするプロモーションと契約し、2012年11月にアレクシス・デ ィアスを 3RにTKOで降しデビューを飾る~その後も連続KOを重ね、2015年3月にアルマンド・バスケスを7RにKOして10戦10KOでWBC中央アメリカライトフライ級王座を獲得。

その後も防衛戦を含む4KOで、2016年11月にはWBOラテンアメリカライトフライ級王座決定戦でルイス・セハを2RにKOして王座獲得~そして2017年2月にジェフェ・ウトニとのWBO挑戦者決定戦を10RにTKOで降し勝利し挑戦権を獲得~5月に、16戦16勝16KOでWBOライトフライ級田中選手に挑むが判定負けで初黒星 『観戦記1325』

12月の再起戦で、田中選手が返上したWBOライトフライ級王座の王者決定戦に出場しWBO4位のファン・アレホを10RにKOして王座獲得 『観戦記1934』

 

2018年6月に、WBO11位のカルロス・ブイドラゴを12RにTKOで降し初防衛に成功~10月にも、WBO11位のアブラハム・ロドリゲスを2RにKOして2度目の防衛に成功~2019年3月に、WBO7位のガニガン・ロペスを8RにKOして3度目の防衛に成功~6月に、WBO14位のエルウィン・ソトに12RTKO敗けで王座陥落。10月に再起し、レイモンド・タブゴンを5RにKOしてWBOインターナショナルフライ級王座を獲得~2021年3月に、ヒルベルト・メンドサを判定で降す。

 

普段から、試合前にはアメリカでのトレーニングキャンプを張り慣れているとはいえ・・・日本人には鬼門のアメリカでの防衛戦となった中谷潤人選手の初防衛戦!リングサイドには、ファン・アレホにはプロノートする同郷の4階級制覇プエルトリコの英雄ミゲール・コットが!

 

2021年9月10日 WBOフライ級王座戦 中谷潤人vsアンヘル・アコスタ

 

中谷潤人 21勝16KO無敗 初防衛戦

 

アンヘル・アコスタ 22勝21KO1敗 WBO1位

 

1R、お互い慎重に、距離を計りながら前手を出すが、やはり中谷のリーチが長い

 

中谷がアウトに踏み込んで左を廻すように打つ!

 

アコスタは直線的に突っ込み頭も当たる~中谷は、ジャブで入らせないようにしておいてワン・ツー!中谷が連打で、早くもアコスタは鼻血を出す!

 

2R、鼻血が止まらないアコスタも打ち込んでくる!

 

接近戦ガチャガチャ打ってくるアコスタ~左を外から廻す~さらに左ストレート!効いた!

 

アコスタは必死にクリンチ~さらに中谷は、上手く中間距離で闘い左!

 

鼻血が止まらずドクターチェックが長くなる

 

さらに中谷が強く攻める!回してくる左!接近戦はアコスタも望むところで左右のフックを振る!

 

3R、中谷も距離を取らず、アコスタも引かずに激しく打ち合う!

 

アコスタは頭から突っ込む~中谷もフックを強振!アッパーを突き上げる!

 

またもアコスタにドクターチェックが入る

 

アコスタが低く入ろうとするも、中谷選手が左アッパー!

 

さらに中谷選手はボディーでアコスタを下げさせる~左!も、ラウンド終了

 

4R、止められたくないアコスタが頭から突っ込む

 

アコスタは勝負に出て振りまくる!

 

しかし、ブレイク時にもレフリーが再三アコスタを覗き込み‥‥‥‥‥終了

 

これは凄い!優しそうな表情から飄々と試合をする中谷選手が、圧倒的な4RにTKO勝ちで初防衛に成功!

長いリーチを生かして右ジャブで突き上げ、左ストレートで鼻を折り・・・なんといっても、外から廻すが長いロングのフックとストレートの中間のようなパンチが素晴らしかった。そして、アコスタがインファイトで攻めてきても打ち返して突き放す心と技術。中谷s年種は 『「1ラウンドで相手の鼻を折ったことは分かっていた。自分のペースで戦えたと思う』 と淡々と話し、興行を主宰するトップランク社の総帥ボブ・アラムも 『とてもいい試合だった。ナカタニは観る者を大変喜ばせるファイターだ。才能もあり、彼はパワーもある。もし彼がまたアメリカでの試合を望めば、それは可能だ。時期はたぶん、12月になる。(中谷選手の試合をプロモートする帝拳ジムの)本田会長と話をする』 と話す。

中谷選手も本場アメリカでの試合を望み、そしてWBCフライ級王者のフリオ・セサール・マルチティネスとの統一戦を口にする!

 

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