観戦記2061 WBCフェザー級王座戦 ゲイリー・ラッセルJrvsジョセフ・ディアス | 人生マイペンライ

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《本日のTV鑑賞》

 

なかなか盛り上がりづらい今年の格闘技かだったが、年末は盛り上がってほしい!なにせ4階級制覇王者の井岡一翔選手に、無敗で4階級制覇を目指す3階級制覇の田中恒成選手が挑戦するビックマッチ!

両者ともにアマチュアから鳴り物入りでプロに転向でマスコミに取り上げられ、井岡選手は高校アマチュアロ6冠で田中選手は高校4冠。井岡選手は2011年7月に、当時デビュー最短となる7戦目でWBCミニマム級王座を奪取(その後、井上尚弥選手が6戦目で世界王座奪取)田中選手は2015年5月に、5戦目で王座決定戦に勝利し世界王座栄冠 『観戦記888』 その後井岡選手は、11戦目で2階級制覇 『観戦記361』 田中選手は2016年12月に、8戦目で2階級制覇 『観戦記1271』 井岡選手はその後、2敗もあったが4階級制覇まで記録を伸ばし、田中選手は2018年9月にワシル・ロマチェンコに並ぶ12戦目での3階級制覇を達成 『観戦記1585』

ロマチェンコに並ぶ最速3階級制覇だが、なにせロマチェンコはフェザー級~ライト級という層の厚さが比べものにならない階級での達成なので2度と出ない記録だろう。

そのデビュー戦以外は全て世界タイトルマッチのロマチェンコの初栄冠は、2014年6月にデビュー3戦目でのゲイリー・ラッセルJrとのWBOフェザー級王座決定戦だった!

 

1988年6月にアメリカのワシントン州に生まれたゲイリー・アレン・ラッセルは、ボクシング一家に育ち7歳の頃から5歳の弟アレンと一緒に父からボクシングを習う~2004年には、16歳でインターナショナル・ジュニア・オリンピックにて優勝~全米選手をバンタム級で優勝、ナショナル・ゴールデングローブでも優勝。2005年の中国で開催された世界選手権では、準決勝まで進むもルスタムホドザ・ラヒモブに判定負けで銅メダル。2006年の全米選手権では、後の3階級制覇王者になるレオ・サンタ・クルスに勝利し2連覇。2007年の全米選手権は決勝でロニー・リオスに敗退~北京五輪予選では、後にギジェルモ・リゴンドーのWBAスーパーバンタム級王座に挑戦するロバート・マロキンにも勝利し2007年の世界選手権 に出場。準々決勝で敗れるも北京オリンピックの出場権を得る~しかし、オリンピックでは急激な減量で体調を崩して闘わずに棄権。

オスカー・デラ・ホーヤのゴールデンプロモーションと契約し、2009年1月にアントニオ・レジェスを3RにTKOで降しデビュー~さらに9連勝6KOして、2010年7月に元IBFライトフライ級&元WBAフライ級暫定王者のマウリシオ・パストラーナを1RにTKOで降す~その後も連勝を24まで伸ばし、WBOフェザー級1位までランキングを上げる。

そして2014年6月に、プロ3戦目のワシル・ロマチェンコとWBOフェザー級王座決定戦で対戦するも0-2の判定負け~さらにゴールデンプロモーションからプロモート契約も打ち切られる。しかし、12月にはクリストファー・マーティンに判定勝ちして再起する~2015年3月にWBCフェザー級王者のジョニー・ゴンザレスに挑戦し、4RにTKO勝利で初の世界王座を獲得 『観戦記877』 2015年11月に元WBCスーパーバンタム級王者のオスカル・エスカンドンと防衛戦予定も、ラッセルJrが怪我で防衛戦ができず、WBC1位で指名挑戦権を持っていたロビンソン・カスティジャノスとエスカンドンが暫定王座決定戦をして 『観戦記1194』 7Rに逆転KOでエスカンドンが逆転KOで暫定王座ながら2階級制覇。

そして、本来なら暫定王者と統一戦なのだが・・・2016年4月にアイルランド期待のWBC15位、パトリック・ハイランドと初防衛戦をして2RにTKO勝ち 『観戦記1249』

 

そしてWBCフェザー級暫定王者のオスカル・エスカンドンが怪我から復帰して、2017年5月に正規王者vs暫定王者で王座統一戦となり 『観戦記1740』 ラッセルJrが7RにTKO勝ちして、暫定王座を吸収するとともに正規王者2度目の防衛に成功

 

そして3度目の防衛戦の相手は、WBCフェザー級1位の指名挑戦者ジョセフ・ディアス!

 

1992年11月にアメリカのカリフォルニア州で生まれたジョセフ・ペドラサ・ディアスJrは、お祖父さんがメキシコからアメリカに移住したメキシコ系アメリカ人。10歳の頃にイジメにあっていたのを見かねて、父親がボクシングジムに連れていき鍛えようとする~しかし、そのジムにはイジメっ子がいてスパーリングをしたらディアスが勝ってしまう。なんとも漫画のような話だが、父親がボクシングの経験が無くてもトレーナーをしてロンドン五輪バンタム級代表に選ばれる選手まで成長する~しかし、家が貧しくて家族がロンドンまで応援に行けず寄付を募る苦労人。

ロンドン五輪ベスト8後に、オスカー・デ・ラ・ホーヤ率いるゴールデン・プロモーション入り~2012年12月にデビューし、ビセンテ・アルファロ・マルティネスに判定勝ち~その後も17連勝10KOで、2015年12月にヒューゴ・パルディナを2RにTKOで下し23歳で無敗のままNABFフェザー級王座も獲得

 

2016年3月 、ジェイソン・ベレスに大差判定勝ちで初防衛に成功 『観戦記1221』 7月にビクトル・プロアを2RにKOして2度目の防衛に成功~9月にはWBO16位のアンドリュー・カンシオに9RにTKO勝ちで2度目の防衛に成功 『観戦記1395』

 

2016年12月にオラシオ・ガルシアをフルマークの判定で降し3度目の防衛に成功 『観戦記1593』 2017年5月にNABF北米4度目とNABO北米王座を賭けて、マヌエル・アビラと対戦し判定勝ちでNABF王座5度目の防衛とともにNABO王座を獲得~9月には、ラファエル・リベラを判定で降しNABO王座初防衛に成功 『観戦記1794』 2018年2月にも、元WBCスーパーバンタム級王者のビクトル・テラサスを3RにKOしてNABF王座6度目&NABO2度目防衛に成功

 

両者ともにオリンピック出場のトップアマ同士の対決!無敗のまま一気に世界王座を狙うジョセフ・ディアスと、唯一の1敗がロマチェンコとの王座決定戦だったゲイリー・ラッセルJrが王者の力を魅せるか!?

 

2018年5月19日 WBCフェザー級王座戦 ゲイリー・ラッセルJrvsジョセフ・ディアス

 

ゲイリー・ラッセルJr 28勝17KO1敗 3度目の防衛戦

 

ジョセフ・ディアス 26勝14KO無敗 WBC1位

 

1R、ラッセルJrが、ジリジリ前に出て打っていく~ディアスはガード高くじっくり見る

 

ラッセルJrのハンドスピードが速いが、ディアスは距離を潰していきボディー!

 

2R、さらに、ラッセルJrのスピードが上がる~細かく連打!

 

ディアスは足を止めて踏ん張り、力強いパンチを返していく!

 

3R、ディアスがガードを固め前に出て、ラッセルJrの速打後に強打を返す!

 

ディアスがプレスを強めるが、手数は圧倒的にラッセルJrが勝る!

 

4R、手数は少ないもののガードを上げプレスをかけてくるディアスに、ラッセルJrは下がりながらも強いパンチで止める!

 

ディアスがプレスを強めてレバー打ち!さらにディアスは、ラッセルの打ち終わりにボディー!ボディー!

 

5R、ディアスが前に出る~手数はラッセルJrだが、ディアスがダイレクトの左!

 

ディアスが前に出続けているも、ヒット数はラッセルJrが勝っているか!?

 

6R、やはり、下がりながらもラッセルJrが手数多く速いパンチをまとめる

 

しかし、速い分ラッセルJrのパンチは軽いか!?ディアスは止まらずロープに追い込みボディー!

 

7R、廻りながら手数のラッセルJrと、詰めてパワーパンチのディアス!

 

ラッセルJrは疲れてはきているが、ハンドスピードは落ちない連打!

 

8R、前に出ているが、ディアスは廻るラッセルJrにパンチは出せない~ラッセルJrは、左右に動きフックを引っかける!

 

ラッセルJrの速射砲を、正面から入るディアスは貰い止められてしまう

 

9R、まだまだスピードが落ちないラッセルJrは、上下に打ってディアスに手を出させない

 

ディアスはパンチ貰い過ぎたか!?動けなく手もでない!

 

10R、ラッセルJrが速いコンビネーションで打ちまくる!ディアスは動けず返せない

 

ディアスが押し込んで打っていく~ラッセルJrはロープを背にするも、パンチを合わせる!

 

11R、さらにリズミカルに、上下にジャブを伸ばすラッセルJr~ディアスがガードを固めて前に出るも、ラッセルJrはガードの隙間に右フックを捻りこむ!

 

ディアスも踏ん張って前には出ているが、ラッセルが手数で圧倒する!

 

最後はディアスがラッセルJrをロープに押し込むが、決定的な場面はつくれず終了

 

判定は、115-113 117-111 117-111 3-0でゲイリー・ラッセルJrの判定勝ち!

 

見事に3度目の防衛に成功したラッセルJrは、やはり速いパンチでヒット数を稼いでジャッジ2者は6ポイント差を付ける勝利。しかし、ディアスもポイント差以上に善戦し圧力をかけて前に出てボディーを叩いたりしたが手数が違いすぎた。そして、このクラスの階級だと井上尚弥選手と闘った場合はどうなのか!?と、楽しい想像で酒が進んでしまう。身長は公式には165cmで同じ、リーチはラッセルJrが163cmに対して井上選手は171cmと8cm勝っている。

1年振りの防衛戦となったラッセルJrは、次の防衛戦も1年空いて2019年5月に元IBFスーパーバンタム級王者のキコ・マルチネスと対戦。敗れたジョセフ・ディアスは3ヶ月後にWBAフェザー級王者のヘスス・マヌエル・ロハスに挑戦も・・・・前日計量で0.6ポンド(272g)オーバーしてしまう。

 

★ラッセルJrはアマでレオ・サンタ・クルスに勝っている 格闘技blogランキングをクリック格闘技 ブログランキングへにほんブログ村 格闘技ブログへにほんブログ村