観戦記1989 WBCスーパーフライ級王座戦 シーサケット・ソー・ルンヴィサイvsファン・フラン | 人生マイペンライ

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格闘技を愛し50歳過ぎても殴り合う

《本日のTV鑑賞》

 

元々はインディアンが住んでいいたアメリカ大陸に、1492年にコロンブスが間違って到達したと発見される。欧州からの移民や、奴隷として連れて来られた黒人なから世界で最も多民族で多文化であり登録されている人口だけでも3億2000万人を超える。

GDPは断トツの世界一で、世界中の娯楽産業はアメリカでの成功を夢見る。メジャーリーグでの桁違いの年俸しかり、あの2015年5月のフロイド・メイウェザーvsマニー・パッキャオ 『観戦記865』 はPPVを440万件以上売り、ファイトマネーはメイウェザーが200億円以上でパッキャオも150億円近くを稼いだと言われている。

アジア人でもこれ程のスポーツヒーローに成れることを証明したパッキャオだが、会場のラスベガスMGMグランドガーデンアリーナではパッキャオの声援の方が多かった気がした。ファイトスタイルの違いが大きいのだろうが、かつては宿敵だったヒスパニック系や移民などは、アジアから来たヒーローの方が五輪メダリスト~無敗のアメリカ人王者よりも感情移入がしやすいのもあるのだろう。

そして同じくアジアから、しかも軽量級でアメリカのメインイベントに登場するまでになったのがデビュー2連敗から世界王者に上り詰めた‘M-150‘シーサケット・ソー・ルンヴィサイ!

 

1986年12月にタイの東北部シーサケートで生まれたシーサケット・ソールンヴィサイは、貧しい農村生まれで13歳からムエタイして稼ぐ~10代で婚約者とともにバンコクに出たが試合が組まれずゴミ収集の仕事をしながら食べられそうなゴミを食べての生活だったらしい。

そして運命のイタズラで、ブローカの人間に日本で闘って稼がないか!?と、誘われてボクシングの試合をしたこともないのにボクサーとして日本へ~ボクシングのデビュー戦が、2009年3月に世界再挑戦を目指していた八重樫東選手とライトフライ級契約で戦い3RにTKO負け~6月にも、屋富祖裕信選手と戦い3RにKO負け。タイで1勝1分も、2010年2月にも大庭健司選手に判定負け~しかし、その後は6連勝6KOで、2011年6月にエリック・ディアス・シレガーを破りWBCアジア・スーパーフライ級王座を獲得~その後も10連勝9KOして、2013年5月に佐藤洋太選手のWBCスーパーフライ級王座に挑戦し8RにTKOで王座獲得 『観戦記468』 ノンタイトル戦を3連勝2KOして、11月には向井寛史選手を9RにTKO勝利で初防衛に成功~ノンタイトル戦を4連勝4KO後の、2014年5月にカルロス・クアドラスと2度目の防衛戦で8R負傷判定負けして王座陥落 『観戦記842』

9月に再起し、フィリピンのゾレン・パマに8R負傷判定勝ち~11月にボビー・コンセプシオンを3RにKOでWBCアジア・スーパーフライ級王座を5度目の防衛に成功~さらに3連勝3KOして、2015年5月にホセ・サルガドを4RにTKOで降しWBCスーパーフライ級シルバー王座獲得~その後も8連勝8KOもクアドラスに敗戦後は14連勝13KOで指名試合のチャンスを掴み、2017年3月にローマン・ゴンサレスのWBCスーパーフライ級王座に挑戦し判定勝ちで王座栄冠 『観戦記1286』 9月のSUPER FLYでのローマン・ゴンサレスと再戦を4Rに見事にKOして初防衛に成功 『観戦記1382』

 

そして、その大会のセミでWBCスーパーフライ級王座挑戦者決定戦にてWBC2位のカルロス・クアドラスに判定勝ちして挑戦権を掴んでいた元WBAスーパー&WBOフライ級王者のファン・フランシスコ・エストラーダ!

 

1990年4月にメキシコのソノラ州で生まれたエストラーダは、家が貧しくて叔母に7歳まで育てられたらい~幼い頃からボクシングを始め、今もチーフトレーナーのアルフレド・カバジェロに育成される~五輪代表候補にまでなるが 「1日も早く収入を得て、家族を助けたかった。プロボクサーになる事が、一番の早道だった」 と、2008年8月に18歳でデビューしてセルヒオ・チャベスに判定勝ち~その後も14連勝13KOして、2010年10月にマヌエル・アルメンダリスを2RにTKOで降しWBCスペイン語圏スーパーフライ級王座を獲得~さらに2連勝1KOするも、2011年5月に後にIBFスーパーフライ級王者に成るファン・カルロス・サンチェスに判定負け~その後は4連勝2KOして、12月にファン・カルロス・サンチェスとの再戦を10RにTKOに降す~さらに3連勝2KOして、2012年12月にローマン・ゴンサレスのWBAライトフライ級王座に挑戦するも判定負け。

再起戦はフライ級で、WBAスーパー&WBOフライ級王者のブライアン・ビロリアに挑戦し2-1の判定勝ちして王座獲得 『観戦記480』 7月に、WBA9位&WBO1位で全勝中のミラン・メリンドを判定で降しWBA&WBOの初防衛に成功 『観戦記569』 2014年4月に、WBO10位のリッチー・メプラマムを9R終了時にTKOで降しWBA&WBO2度目の防衛に成功~9月にも元WBAスーパー&WBOフライ級王者のジョバンニ・セグラを11RにTKOで降しWBA&WBO王座3度目の防衛に成功~12月には、WBA9位&WBO8位のジョバート・アルバレスを判定で降すがWBAが王座戦を認定しなくノンタイトル戦~2015年3月に、WBA15位&WBO12位のロンメル・アセンホを3RにTKOで降しWBA&WBO王座4度目の防衛に成功~9月には、WBA&WBO3位のエルナン・マルケスを10RにKOしてWBA&WBO王座5度目の防衛に成功。

WBA&WBOフライ級王座を返上してスーパーフライ級に上げ、10月にレイモンド・タブゴンを判定で降す~2017年3月にアヌアル・サラスと、WBCスーパーフライ級シルバー王座決定戦で対戦し5RにKOして王座獲得~そして9月に「SUPER FLY」でWBC2位のカルロス・クアドラスとWBCスーパーフライ級王座決定戦を判定で降し挑戦権を獲得。

 

ローマン・ゴンサレスを追ってスーパーフライ級に上げてきたメキシコ人のエストラーダに、ローマン・ゴンサレスを2度に渡って降したタイ人のシーサケットがメッカ!アメリカカルフォルニア州イングルウッド・フォーラムにてSUPER FLY.2のメインを飾る!

 

2018年2月24日 WBCスーパーフライ級王座戦 シーサケット・ソー・ルンヴィサイvsファン・フランシスコ・エストラーダ

 

シーサケット・ソー・ルンビサイ 43勝39KO4敗1分 2度目の防衛戦

 

ファン・フランシスコ・エストラーダ 36勝25KO2敗 WBC1位

 

1R、ゆったりとしたリズムで前に出て振るシーサケットに、細かく手足を動かしながらかわすエストラーダ

 

シーサケットの左が伸びる~やはり、パワーではシーサケットか!?しかし、エストラーダも右を伸ばす!

 

2R、シーサケットが出るが、スピードでは勝るエストラーダが廻って右!

 

シーサケットはエストラーダに左廻りされないよう、右足を外に出しながら打ち合いに持ち込む!

 

シーサケットが詰める~廻るエストラーダに、シーサケットは足を滑らせヒザをつく~それでも追うシーサケットに、エストラーダは右!右!

 

3R、またもエストラーダは、シーサケットの左を外して右!それでも、左から体ごと突っ込むシーサケット~エストラーダは外してからまとめる!

 

廻りながらカウンターを狙うエストラーダに、シーサケットはパワーで詰める!ボディー!

 

4R、前進しながらのパンチが止まらないシーサケットに、エストラーダは外して当てるを繰り返す~しかし、シーサケットの圧力は止まらず押し込まれる!

 

エストラーダは廻りながら合わせるが、相打ち気味ではシーサケットのパワーに打ち負ける!

 

5R、体ごと突っ込み、体力勝負に持ち込むシーサケット~左フックで廻そうとするエストラーダで、度々両者の足がからむ

 

6R、下がりながらのエストラーダは、クリーンヒットは受けなくても見映えが悪い

 

7R、やはりシーサケットが体格を活かして押し込むが、エストラーダが下がりながらも打ち終わりに左フック!

 

それでも細かく当てるエストラーダだが、シーサケットは圧力かけて見映えがいいパンチを出していく!

 

8R、やはり頭から突っ込むシーサケットを、打ち終わりにコツコツまとめるエストラーダ~しかしシーサケットは止まらず押し込まれて、エストラーダはスリップだが印象は悪くする

 

9R、細かく当てるエストラーダに、シーサケットはアウトを取って力強い左を伸ばす!ヒット数はエストラーダ、ダメージブローはシーサケットか!?

 

10R、シーサケットの打ち終わりを狙うエストラーダは、素晴らしいポジショニングからの右!

 

それでも頑丈なシーサケットは、ガンガン前に出てボディー~エストラーダは打ち終わりに左!

 

11R、廻ろうとするエストラーダを、シーサケットはあくまで正面から左!

 

エストラーダもパンチを合わせるが、シーサケットは力強く左!

 

12R、両者とも出る!派手に打ち合う~クリーンヒットはエストラーダが上か!?しかし、シーサケットも体で押し込む!

 

判定は、114-114 115-113 117-111 2-0でシーサケットが2度目の防衛に成功!

 

素晴らしい試合だったが・・・・採点が割れすぎだろう!シーサケットに117を付けたジャッジは、1R、2R、12Rをエストラーダに付ける。115-113のジャッジはエストラーダが取ったラウンドは、2R、8R、9R、11R、12R。ドローのジャッジは1R、2R、8R、9R、11R、12Rをエストラーダに付けている。

この日は、エストラーダは幼い頃に死に別れた母親の命日だったらしかったが1歩及ばず。

体の丈夫さと体力で押し切ったシーサケットは、失恋の痛手だとかもあり5ヶ月後に韓国のベ・ヨンギルと対戦。

 

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