観戦記1977 WBCスーパーミドル級王座戦 デビッド・べナビデスvsロナルド・ガブリエル | 人生マイペンライ

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《本日のTV鑑賞》

 

アメリカではコロナウィルスとともに、今年の5月に起きた丸腰の黒人男性に警察官が押さえつけて死なせたとんでもない事件による抗議デモが吹き荒れている。ある統計によると、黒人が警察官に殺害される割合は1000人に1人で20代後半の黒人男性の死因の5位に上がるとも言われている悲しさ・・・・

アメリカの人口に対して黒人の割合は年々下がって12%~13%と言われているが、いまだに黒人が入れないレストランなどが存在している悲しい現実。そして、黒人よりも多くなっているのがヒスパニック系(スペイン語圏)の人口の多さ!正規の数字で20%に迫る勢いらしいので、不法移民などをいれればかなりの数字となるので2世や3世が増えればヒスパニック系のアメリカ大統領が誕生する日も遠くはないだろう。

そして、ボクシング界では1990年代以降はヒスパニック系のファンを観客動員やPPV、視聴率も無視できず、オスカー・デラ・ホーヤなどはまさにメキシコ系アメリカ人の典型。両親はメキシコからの移民で、デラホーヤも100%メキシコの血だがアメリカ生まれでオリンピックのアメリカ代表。

その後もアメリカ生まれのメキシコ系の世界王者は多く誕生し、WBCスーパーミドル級王者のヒルベルト・ラミレスも両親がメキシコ人で本人はアメリカ生まれのアメリカ人。

 

アメリカのアリゾナ州フェニックス出身のべナビデスだが、両親がメキシコ系で実兄が元WBAスーパーライト級王者のホセ・ベナビデス。13歳の時に体重が100kgあったらしく、4歳上の兄に連れられてダイエット目的でボクシングを始める~アマチュアで15戦全勝して、アマチュアタイプにしたくない父親の方針でプロ転向~2013年8月に16歳でデビューして、エラスモ・メンドサに1RでKO勝ち~その後も7連勝6KOして、2015年4月にロリン・ウィリアムスとのNABF北米ライトヘビー級ジュニア王座決定戦を1RにTKO勝ちして王座獲得~さらに8連勝8KOして世界ランキングをWBA4位、WBC9位、IBF9位まで上げ、2017年5月にWBC10位、IBF5位のロヘリオ・メディナとWBCスーパーミドル級挑戦者決定戦で対戦し8RにTKO勝ちして世界王座の挑戦権を獲得。

しかし、WBC王者のバドゥ・ジャックがライトヘビー級に階級を上げる為に王座を返上。WBC1位のカラム・スミスがWBSSに参加~WBC2位のアンソニー・ディレルと9月にWBC王座決定戦予定も、ディレルが怪我で欠場。そして王座決定戦に選ばれたWBC6位のロナルド・ガブリルと王座決定戦し、優勢に試合を進めるも最終回にダウンを奪われ2-1の判定でなんとか王座獲得 『観戦記1807』

 

判定が割れたのもあり、なぜかロナルド・ガブリルはWBC5位にランキングを下げたが5ヶ月置いての再戦となる!

 

1988年7月生まれのガブリルは、国籍はアイルランドだがルーマニアのバカウ出身~アマチュアで165勝15敗の戦績を積み、あのフロイド・メイウェザーが引っ張りアメリカのラスベガスでプロ転向。2011年12月にギルバート・ガステラムを3RにTKO勝ちしてデビューを飾ると、その後も10連勝8KOするが2015年3月にエルビン・アヤラに判定負けし初黒星~直ぐに再起して5連勝3KOして、2016年10月にクリストファー・ブローカーを10RにTKO勝ちしてNABFスーパーミドル級王座を獲得~2017年4月に、デカロ・ペレスを3RにTKOで降しWBC6位につけて王座決定戦に出場も1-2の判定負け。

 

全勝で89%のKO率を誇るベナビデスが、唯一苦戦となったガブリルを倒し切るのか!?メイウェザープロモーションの後押しを受けて、苦労人から世界戦へ辿り着いたガブリルは今度こそ王座を掴めるか!?

 

2018年2月17日 WBCスーパーミドル級王座戦 デビッド・ベナビデスvsロナルド・ガブリル

 

デビッド・ベナビデス 19勝17KO無敗 初防衛戦

 

ロナルド・ガブリル 18勝14KO2敗 WBC4位

 

1R、ガブリルがガード高く前に出るが、ベナビデスが長いリーチを手数多く打ち入らせない

 

ガブリルはブロックしながら突っ込むが、まだ遠くて浅くしか当たらない

 

2R、ベナビデスが、落ち着いて左でガブリルを止めておいて右!

 

ガブリルはなかなか入れない~正面から行き過ぎて、ベナビデスの左を喰らってしまう

 

3R、前に出ていくガブリルだが、入ったところにベナビデスが右カウンター!

 

ベナビデスが、ガブリルのガードの隙間を縫うようにパンチを入れていく!

 

4R、距離とタイミングが掴めたベナビデスが、入ってきたガブリルに右アッパー!効いた!

 

さらに、ベナビデスが左フック!一気に連打が止まらない!

 

5R、ベナビデスの手数が止まらない~ガブリルも必死にガードするが、ロープに詰められ連打される

 

タフなガブリルは、打たれながらも突っ込む!

 

6R、廻るガブリルに、ベナビデスはガードを下げても追いかけ打ちまくる!ガブリルも耐えながらなんとか返してはいくが、ベナビデスのリターンを貰う!

 

7R、ガンガン前に出て打っていくベナビデスに、ガブリルはジャブを上下に打つしかできない

 

8R、ついにベナビデスが極めにいっているか!連打で丸くなるガブリルを、左右のアッパーで突き上げる!

 

ガブリルも頭を押し付けて返すが、ベナビデスのボディーが効いてしまった!

 

9R、ボディーが効いて、動きが落ちてきたガブリルにベナビデスが攻める!

 

ベナビデスが倒しにかかり強振してくる~ガブリルは、なんとか耐える!

 

10R、ガブリルが驚異の粘りで、再び打ちまくる!ベナビデスはガードの上を打たせて休んでいるか!?拳の負傷か!?

 

ラウンド後半になると、ベナビデスが力強いパンチで一気に押し戻す!

 

11R、やはり、ベナビデスは負傷しているのか!?ジャブばかりでガブリエルを捌く

 

ジャブだけでは止まらないガブリルは、自信満々に入り込む!右!

 

12R、左を打ちながら廻るベナビデス~ガブリルが喰らいつくが、ベナビデスは意外に上手いアウトボクシングでかわす

 

しかし、ガブリルは攻め続ける~見映えいい攻撃を魅せるが、距離を取るベナビデスに当たらない

 

判定は、119-109 120-108 120-108 大差の3-0でベナビデスがWBCスーパーミドル級王座初防衛に成功!ガブリルは頑張っていたが、ベナビデスがKOを意識せずに意外に上手いアウトボクシングを魅せて完封。これだけのリーチで長い攻撃と強いパンチを打たれたら、ガブリルはもう少し違う手を試さないと牙城は崩せない。

そしてスーパースターの階段を上りつつあるベナビデスは、契約するサンプソン・ルコウィッツを離れアメリカ大手のトッププランク社と契約する。しかし、サンプソン・ルコウィッツ社は更新した2021年までの契約があると主張してトップランク社との契約は破棄される。さらにべナビデスは、8月に抜き打ちで行われたWBCが推進する厳格なドーピング機構のVADA(ボランティア・アンチ・ドーピング協会)で陽性反応が出て休養王者へ・・・・

 

★そしてWBCは正規王者にアンソニー・ディレルvsアブニ・イルディリム 格闘技blogランキングをクリック格闘技 ブログランキングへにほんブログ村 格闘技ブログへにほんブログ村