こんにちは。
免許証の「マイナンバーカード」との一体化が検討されているそうで、、、
マイナンバーカードは、2021年3月から「健康保険証」としても利用できるようになるし、利便性の向上です。
ただ、そうなると心配なことが、、、
セキュリティー
役人の安易な考えだけで、個人情報がダダ漏れってことになるのは、勘弁ですね。
しっかりした制度を構築して欲しいもんです。
今日は、民法の過去問をやりたいと思います。
それでは、早速。
問題
物権の成立に関する次の記述について、民法の規定および判例に照らし、正誤判定をし、理由を検討してみましょう。
1 他人の土地の地下または空間の一部について、工作物を所有するため、上下の範囲を定めて地上権を設定することは認められない。
2 一筆の土地の一部について、所有権を時効によって取得することは認められない。
3 構成部分の変動する集合動産について、その種類、所在場所及び量的範囲を指定するなど、なんらかの方法で目的物の範囲が特定される場合には、一括して譲渡担保の目的とすることが認められる。
4 土地に生育する樹木については、明認方法を施したとしても、土地とは独立した目的物として売却することはできない。
5 地役権は、継続的に行使されていれば、外形上認識することができない場合でも、時効によって取得することができる。
正解は?
1、× 参照あり。
2、× 参照あり。
3、○ 判例紹介あり。
4、× 参照あり。
5、× 参照あり。
今日の5肢はいかがでしたでしょうか
覚えるのに身振り手振りでやっていたことを思い出します。(笑)
参照
(注)解説記事は、本試験の問題順と掲載順が異なります。
参照
肢1.
問:他人の土地の地下または空間の一部について、工作物を所有するため、上下の範囲を定めて地上権を設定することは認められない×。
地下又は空間とは言え、「他人の土地」ですからね、、、どうなんだって感じですけど。
イメージは、こんな感じです。
__
__
_______
他人の土地の地下の一部について、地下鉄を通す(工作物を所有する)ため、下の範囲を定めて地上権を設定する。
(地下又は空間を目的とする地上権)
第二百六十九条の二 地下又は空間は、工作物を所有するため、上下の範囲を定めて地上権の目的とすることができる。この場合においては、設定行為で、地上権の行使のためにその土地の使用に制限を加えることができる。
2 略。
これは、「区分地上権」と言われるものです。
図は、地下鉄、上空の場合は、送電線であったり、モノレールなんかが例です。
つまり、「認められる。」と言うことです。
肢2.
問:一筆の土地の一部について、所有権を時効によって取得することは認められない×。
一筆の土地とは
土地の登記簿の上で、一つの土地とされたもの。
つまり、土地の個数を表す言葉です。
問題は、その「一部」についてです。
判例が古いんで何とも言えないんですが、、、比較的新しいもので、一部を引用しているものを、、、
昭和28(オ)847 土地所有権移転登記手続請求昭和30年6月24日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 高松高等裁判所
一筆の土地といえども、これを区分して、その「土地の一部」を売買の目的とすることはできる。そして右「土地の一部」が、売買の当事者間において、具体的に特定しているかぎりは、分筆手続未了前においても、買主は、右売買に因りその「土地の一部」につき所有権を取得することができるのである。
これなんですが、、、問題では、時効によって取得 となっています、、、
ポイントは、
「一筆の土地の一部」も取引対象になりうると言うこと。
つまりは、区分された「一筆の土地の一部」を占有することもできると言うことです。
当然ながら、その占有が長く続けば、「時効取得」もありえるってことになりますし、認められる訳です。
「一筆の土地の一部」であっても、所有権の対象になりますし、取引の対象にもなりえます。
問題のように、「一筆の土地の一部」を時効取得することもできます。
肢3.
問:構成部分の変動する集合動産について、その種類、所在場所及び量的範囲を指定するなど、なんらかの方法で目的物の範囲が特定される場合には、一括して譲渡担保の目的とすることが認められる○。
構成部分の変動する集合動産=倉庫などにある在庫商品
譲渡担保=債権者が債務者(又は物上保証人)から所有権などの財産権を法律形式上譲り受け、被担保債権の弁済をもってその権利を返還するという担保方法
昭和53(オ)925 物件引渡 昭和54年2月15日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 大阪高等裁判所
構成部分の変動する集合動産についても、その種類、所在場所及び量的範囲を指定するなどなんらかの方法で目的物の範囲が特定される場合には、一個の集合物として譲渡担保の目的となりうるものと解するのが相当である。
ほぼほぼ問題通りです。
肢4.
問:土地に生育する樹木については、明認方法を施したとしても、土地とは独立した目的物として売却することはできない×。
、、、これを、土地とは独立した目的物として売却する
明認方法=立木や未分離果実について、登記に代わる対抗要件として特に認められた慣行上の特殊な公示方法。
この方法は、不動産の登記と同等の効力があるとされています。
と言うことは、施されたら、、、
「施し返す」
つまり、先に明認方法を施された樹木や果実などが存する土地が売却された場合、土地の購入者は、樹木や果実などの所有権を取得することができないと言うこと。
本来は土地から分離して処分することはできないものを、分離処分することができるようにしたってことです。
・樹木の木肌を削って所有者名を書く
・所有者を示した立て札を立てる
・ロープなどを張って所有者札を立てる
こんな方法があります。
それと判例から
第三者が利害関係を取得する当時にもそれだけの効果をもつて存在するものでなければならない(所有者がわかる状態)
つまり、問題の生じた当時消失その他の事由で右にいう公示として働きをなさなくなつていては、ダメってことです。
肢5.
問:地役権は、継続的に行使されていれば、外形上認識することができない場合でも、時効によって取得することができる×。
地役権とは
用益物権の1つで、「ある土地の利用価値を高めるために、他人の土地を利用することができる物権」のことです。
具体例
・通行地役権=他人の土地を通行することができる権利
・眺望地役権=眺めを確保するために建築物は建てない
問題の時効取得なんですが、、、条文があります。
(地役権の時効取得)
第二百八十三条 地役権は、継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるものに限り、時効によって取得することができる。
・継続的に行使
・外形上認識することができる
通行地役権で考えてみると
通勤や通学などで、他人の土地を継続的に通っていて、そのための通路があると見てわかること。
判例なんですが、
昭和28(オ)1178 仮処分異議 昭和30年12月26日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
民法二八三条による通行地役権の時効取得については、いわゆる「継続」の要件として、承役地たるべき他人所有の土地の上に通路の開設を要し、その開設は要役地所有者によつてなされることを要するものと解すべくこれと同趣旨に出でた原審の判断は相当である。
・要役地=利用価値を高める土地☚(通路を開設する側の人)
・承役地=使用される側の土地
「外形上認識することができない場合でも、」時効取得できるは間違いです。
不思議なもんですね。
しっかりした制度を構築しても、それでも悪用する人はいる訳で、、、
その頭、社会のためになることに使えませんか
本日も最後まで有難うございました。
今日のところはここまでです。
んでまずまた。
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