こんにちは。
東日本大震災から9年が経ちました。
今年は、新型コロナウイルスの影響もあり、政府主催の追悼式についても、開催の取りやめが決定致しております。
宮城県内でも式典を予定していた沿岸13市町のうち、東松島市を除く12市町が、献花台に自由に花を手向ける方式に切り替えられました。
状況が状況だけに、やむを得ない措置だとは思いますが、忘れる事のないよう黙祷を捧げたいと思います。
今日の過去問は、令和元年度問44の問題をやってみようと思います。
それでは、早速。
問題
A所有の雑居ビルは、消防法上の防火対象物であるが、非常口が設けられていないなど、消防法等の法令で定められた防火施設に不備があり、危険な状態にある。しかし、その地域を管轄する消防署の署長Yは、Aに対して改善するよう行政指導を繰り返すのみで、消防法5条1項所定の必要な措置をなすべき旨の命令(「命令」という。)をすることなく、放置している。こうした場合、行政手続法によれば、Yに対して、どのような者が、どのような行動をとることができるか。また、これに対して、Yは、どのような対応をとるべきこととされているか。40字程度で記述しなさい。
(参照条文)
消防法
第5条第1項 消防長又は消防署長は、防火対象物の位置、構造、設備又は管理の状況について、火災の予防に危険であると認める場合、消火、避難その他の消防の活動に支障になると認める場合、火災が発生したならば人命に危険であると認める場合その他火災の予防上必要があると認める場合には、権限を有する関係者(略)に対し、当該防火対象物の改修、移転、除去、工事の停止又は中止その他の必要な措置をなすべきことを命ずることができる。(以下略)
いつものように最初に内容を確認してみましょう。
登場人物は、雑居ビル所有のAさんと消防署長のYさんの2人です。
Aさん所有の雑居ビルは、
・消防法上の「防火対象物」
ただ、Aさんは危機管理能力がないのか低いのか、
建物には消防法上に定められた設備(非常口)が設けられていないなどの防火設備に不備がある危険な建物ってことのようです。
当然、消防署長、行政指導をする訳なんですが、、、
この消防署長も危機管理能力が乏しいのか、
「Aさん、消防設備、改善してけせよ。」
こんな行政指導を繰り返すのみで、なんら消防法上必要な措置をなすべき旨の命令はせず、放置プレイ。(笑)
問題は、こんな状況下で、行政手続法によれば、
「消防署長のYさんに対して、どのような者が、どのような行動をとることができるかまた、これに対して、消防署長のYさんは、どのような対応をとるべきこととされているか
」ってことを聞いています。
どうですか イメージできましたか
最近の記述式、親切ですよね~。
行政手続法によれば、それと消防法の参照条文。
そして、①どのような者が、②どのような行動をとることができるか
これに対して、
消防署長のYさんは、③どのような対応をとるべきこととされているか
これを書けって指示しています。
それでは、早速、検討してみましょう。
行政手続法の問題11で、第三十六条の二(行政指導の中止等の求め)って言うのが出ていました。
この問題は、次条が適用になるものです。
①は、どのようなものが ですが、、、
これ言い方ですが、「誰が」の方が良いかも知れませんね。
Aさんの建物は、消防法等の法令で定められた防火施設に不備があり危険な状態な訳です。
つまり、「法令違反の事実がある」ってことです。
とすると迷惑を被るのは、雑居ビルを借りて使用している人達だけ
雑居ビル=飲食店・遊技店・風俗店など多様な業種の店が同居し、それぞれに営業しているビル。
それとも何かあったときに、迷惑を被る人達すべて
いろいろ考えるとここだけで長くなっちゃいますからね、「法令違反の事実がある」訳ですから、一言で言える法律上の魔法の言葉。
○○も ☚ほぼ答えですね。(笑)
何人も
次に、②。
②どのような行動をとることができるか
ここは、わりと簡単ですね。
消防署長のYさん、腰が重いけど行政指導はしている訳です。
それが、放置プレイになっているだけです。☚書きたいだけ。(笑)
問題には、ヒントと言うか答えが、書かれていますよね。
「行政指導を繰り返すのみで、なんら消防法上必要な措置をなすべき旨の命令はせず、」
これ、ハッキリ言って答えです。
答えが分かったからと言って、40字に上手くまとまるとは限りません。
最後は、③です。
消防署長のYさんは、③どのような対応をとるべきか
ここは、②からの流れです。
消防署長のYさんは、「○○も」から求められた場合にどうするのか
正解は、その求めを「鵜呑みにする。」。
まぁ、そんなことはありませんよね。
きちんとやるべきことはやった上で、必要があれば、、、
Aさんに対して、、、
参照条文にその辺が例示されていますね。
「消防法で定められた防火設備を○○○○○。」と○○しなければならない。
いかがですか
ほぼほぼ、書けるんじゃないかと。
基本は、オウム返しですからね。
どのようなものが、
ここは、「誰が」って考えた方が良いんでしたね。
どのような行動をとることができるか
消防署長のYさん、行政指導だけはしています。(笑)
そのあとの展開を。。。
ほぼほぼ書く内容は書いちゃってます。
今回も、書く内容が指定されているので悩む必要はありません。
文章を上手く構成できるかってところになるでしょうね。
それでは、これらの内容から検討してみて下さい。。。
さぁ、考えてみましょう
・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・
作成できたら正解例を確認してみましょう。
正解例
何人も、命令することを求めることができ、Yは、必要な調査をし、必要があれば命令をすべき。(44字)
試験センターの正解例
何人も命令を求めることができ、Yは必要な調査を行い必要と認めたときは命令をすべきである。(44字)
参考
問題の対象になる条文を確認してみましょう。
第三十六条の三 何人も、法令に違反する事実がある場合において、その是正のためにされるべき処分又は行政指導(その根拠となる規定が法律に置かれているものに限る。=消防法)がされていないと思料するときは、当該処分をする権限を有する行政庁又は当該行政指導をする権限を有する行政機関に対し、その旨を申し出て、当該処分又は行政指導をすることを求めることができる。
2 前項の申出は、次に掲げる事項を記載した申出書を提出してしなければならない。
一 申出をする者の氏名又は名称及び住所又は居所
二 法令に違反する事実の内容
三 当該処分又は行政指導の内容
四 当該処分又は行政指導の根拠となる法令の条項
五 当該処分又は行政指導がされるべきであると思料する理由
六 その他参考となる事項
3 当該行政庁又は行政機関は、第一項の規定による申出があったときは、必要な調査を行い、その結果に基づき必要があると認めるときは、当該処分又は行政指導をしなければならない。
問題の内容は、1項と3項です。
防火設備の不備
これは、消防法等で定められた、「法令違反の事実」ありです。
と言うことは、法令違反の事実を知る者は誰でも、法令違反の是正を求めることができます。
これは、「誰が」にあたる条文の「①何人も」と、「法令違反の是正」、つまり、「②処分して下さい。」って求めることですね。
そして最後。
消防署長のYさんがとるべき行動。
消防署長のYさん、腰が重いなりに条文にあるところの「行政指導」は行っています。
指導している訳ですからわかっちゃいるんですが、
「③必要な調査を行い、その結果に基づき必要があると認めるときは、当該処分をしなければならない。」
こうなりますね。
ただ、これを集めると
「①何人も」「②処分を求めることができる。」消防署長のYさんは、「③必要な調査を行い、その結果に基づき必要があると認めるときは、当該処分をしなければならない。」
71字、、、長すぎですね。
これを40字前後、MAX45字以内にする訳です。
あとは、書き方だけ。
基本は「オウム返し」です。
最低限必要なのは、「①何人も」「②処分を求めることができる。」「③必要な調査、必要があると認めるときは、当該処分をしなければならない。」
50字、、、
まぁ、こんなことを繰り返して何とか納めて解答が出来上がるってことです。(笑)
あっ、それと大切なことが、、、
条文上は、「処分」と「行政指導」となっています。
ただ、問題には、
消防法5条1項所定の必要な措置をなすべき旨の命令(「命令」という。)をすることなく、
それと消防法には、
当該防火対象物の改修、移転、除去、工事の停止又は中止その他の必要な措置をなすべきことを命ずることができる。
この内容から、「処分」ではなく、「命令」って言葉を使った方が良いですね。
震災から9年、、、
いろんなことが変わったような気がする。
あった出来事を忘れることなく、前を向こう、、、そう思う日でもある。
今日も最後までお読みいただき有難うございました。
今日のところはここまでです。
んでまずまた。
黙祷。。。
。。。