行政書士試験 平成30年度問31 民法の問題 | 行政書士試験 独学チャレンジ!!

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こんにちは。

 

昨日、発表されました、新元号は、「令和」です。

 

元号が変わる日は、私的にちょっとした記念になります。

 

それは、私、Hideさんの誕生日だからですね。びっくり

 

これは、なかなか経験できないことですよね。叫び

 

今日の過去問は、平成30年度問31の問題○×式でやりたいと思います。


弁済に関する記述について、民法の規定及び判例に照らして、正誤判定をしてみましょう。

 

 

それでは、早速。

 

 

 

問題

債権者があらかじめ弁済の受領を拒んでいる場合、債務者は、口頭の提供をすれば債務不履行責任を免れるが、債権者において契約そのものの存在を否定する等弁済を受領しない意思が明確と認められるときは、口頭の提供をしなくても同責任を免れる。

 

 

 

正解は?

 

 

 

今日の1問目は、この問題です。

 

問題には2つのことが書かれていますね。

 

①「債権者があらかじめ弁済の受領を拒んでいる場合」と②「債権者において契約そのものの存在を否定する等弁済を受領しない意思が明確と認められる場合」についてです。


①債務者は、口頭の提供をすれば債務不履行責任を免れる

②債務者は、口頭の提供をしなくても同責任を免れる

 

たんに①「受領を拒んでいる場合」と②「契約そのものの存在を否定している場合」ですね。

 

①「弁済の受領を拒んでいる場合」ってのは、条文があったような気がします。

 

早速、確認してみましょう。

 

弁済の提供の方法

第四百九十三条 弁済の提供は債務の本旨に従って現実にしなければならないただし債権者があらかじめその受領を拒み、又は債務の履行について債権者の行為を要するときは弁済の準備をしたことを通知してその受領の催告をすれば足りる

 

この条文なんですが、問題で問われているのは、「ただし、」となっていますから、例外規定ってことですね。

 

本来であれば、「債務の本旨に従って現実にしなければならない。」訳です。

 

はてなマーク

 

問題では、「債務者は、口頭の提供をすれば債務不履行責任を免れる」と言っていますが、、、

 

口頭の提供はてなマーク

 

口頭の提供=弁済の準備をしたことを通知してその受領の催告をする行為

 

H「○○さん、支払いの用意したから受け取ってけせ。」

 

これが、相手方に通知して受領を催告する行為です。(

 

①は、「足りる。」となっていますから、これで債務不履行責任を免れます

 

そして、②ですが、

 

内容からすると条文に規定されているような感じではないので、判例でしょうね。

 

昭和29(オ)522 家屋明渡請求 昭和32年6月5日 最高裁判所大法廷 判決 棄却 大阪高等裁判所

 

債権者が予め弁済の受領を拒んだときは、債務者をして現実の提供をなさしめることは無益に帰する場合があるからこれを緩和して民法四九三条但書において債務者はいわゆる言語上の提供すなわち弁済の準備をなしその旨を通知してその受領を催告するを以て足りると規定したのである

 

そして、債権者において予め受領拒絶の意思を表示した場合においてもその後意思を翻して弁済を受領するに至る可能性があるから債権者にかかる機会を与えるために債務者をして言語上の提供をなさしめることを要するものとしているのである。

 

ここまでは、①の説明です。

 

しかし、債務者が言語上の提供をしても債権者が契約そのものの存在を否定する等弁済を受領しない意思が明確と認められる場合においては債務者が形式的に弁済の準備をし且つその旨を通知することを必要とするがごときは全く無意義であつて法はかかる無意義を要求しているものと解することはできない

 

それ故、かかる場合には債務者は言語上の提供をしないからといつて債務不履行の責に任ずるものということはできない

 

後半も問題の通りですから、正しい肢と言うことになります。

 

 

 

問題

債権者があらかじめ金銭債務の弁済の受領を拒んでいる場合、債務者は、口頭の提供をした上で弁済の目的物を供託することにより、債務を消滅させることができる。

 

 

 

正解は?

 

 

 

2問目は、1問目のアレンジ問題って感じですね。

 

債権者が弁済の受領を拒んでいる場合の「供託」の問題です。

 

問題では、「債務者は、口頭の提供をした上で弁済の目的物を供託することにより、債務を消滅させることができる。」と言っています。

 

早速、確認してみます。

 

供託

第四百九十四条 債権者が弁済の受領を拒み、又はこれを受領することができないときは弁済をすることができる者(弁済者)は、債権者のために弁済の目的物を供託してその債務を免れることができる。弁済者が過失なく債権者を確知することができないときも、同様とする。

 

この条文なんですが、、、ちょっと違いますね。

 

問題では、「口頭の提供をした上で」となっています。

 

う~ん、、、これは、1問目の判例の「①の説明」で納得できるところではないでしょうか。。。

 

受領を拒んでいる状態で「口頭の提供」もなく、いきなり「供託」されても債権者としては解りませんよね。

 

と言うことは、受領を拒んでいても、

 

H「○○さん、ブツは供託しとっからね。」

 

口頭の提供は必要ってことになるでしょうね。

 

これ、判例があるようなんですが、あまりにも古いのでご紹介が出来ません。(

 

それと、債務者が口頭の提供をしても債権者が弁済を受領しないことが明確な場合」は、この場合は、「直ちに供託することができます

 

これも合わせて覚えときましょう。

 

そして結論です。

 

(条文)その債務を免れることができる(問題)債務を消滅させることができる

 

言い方は違いますが、同じことです。

 

 

 

問題

債務者が元本のほか利息および費用を支払うべき場合において、弁済として給付した金銭の額がその債務の全部を消滅させるのに足りないときは、債務者による充当の指定がない限り、これを順次に費用、利息および元本に充当しなければならない。

 

 

 

正解は?

×

 

 

 

3問目です。

 

債務者が元本のほか利息および費用を支払うべき場合」ですね。

 

問題では、「弁済として給付した金銭の額がその債務の全部を消滅させるのに足りないとき」と言っています。

 

と言うことは、問題にあるように、

 

費用利息元本

 

この順番ですね。

 

問題はなさそうですが、念のために条文を確認しておきます。

 

元本、利息及び費用を支払うべき場合の充当

第四百九十一条 債務者が一個又は数個の債務について元本のほか利息及び費用を支払うべき場合において弁済をする者がその債務の全部を消滅させるのに足りない給付をしたときこれを順次に費用利息及び元本に充当しなければならない

2 第四百八十九条(法定充当)の規定は、前項の場合について準用する。

 

この条文です。

 

はてなマーク

 

問題にある「債務者による充当の指定がない限り、」ってのは書かれていませんね。

 

って言うか、この費用等の充当の指定は、一方(債務者)が指定できるのかはてなマークって問題がありますよね。

 

条文では、

 

元本のほか利息及び費用を支払うべき場合

弁済をする者がその債務の全部を消滅させるのに足りない給付をしたとき

これを順次費用利息及び元本に充当しなければならない

 

当事者間に合意があれば別でしょうが、一方では指定できないでしょうね。

 

この問題は、×です。

 

それと

 

弁済の充当の方法については、

 

1.当事者間の合意による弁済の充当、2.指定充当、3.法定充当 この順番で決まります。

 

弁済の充当の指定

第四百八十八条 債務者が同一の債権者に対して同種の給付を目的とする数個の債務を負担する場合において弁済として提供した給付がすべての債務を消滅させるのに足りないときは弁済をする者は給付の時に、その弁済を充当すべき債務を指定することができる

2 弁済をする者が前項の規定による指定をしないときは弁済を受領する者はその受領の時に、その弁済を充当すべき債務を指定することができるただし弁済をする者がその充当に対して直ちに異議を述べたときこの限りでない

3 前二項の場合における弁済の充当の指定は相手方に対する意思表示によってする

 

法定充当

第四百八十九条 弁済をする者及び弁済を受領する者がいずれも前条の規定による弁済の充当の指定をしないときは次の各号の定めるところに従いその弁済を充当する

一 債務の中に弁済期にあるものと弁済期にないものとがあるときは、弁済期にあるものに先に充当する

二 すべての債務が弁済期にあるとき、又は弁済期にないときは、債務者のために弁済の利益が多いものに先に充当する

三 債務者のために弁済の利益が相等しいときは、弁済期が先に到来したもの又は先に到来すべきものに先に充当する

四 前二号に掲げる事項が相等しい債務の弁済は、各債務の額に応じて充当する

 

これ、混乱するところですが、「債務者が同一の債権者に対して同種の給付を目的とする数個の債務を負担する場合」です。

 

たとえば、売買代金と貸金債権があった場合に、どっちに弁済を充当するかはてなマークって問題です。

 

費用利息元本☚この充当は、どの元本にするかってこと

 

 

 

問題

同一の債権者に対して数個の金銭債務を負担する債務者が、弁済として給付した金銭の額が全ての債務を消滅させるのに足りない場合であって、債務者が充当の指定をしないときは、債権者が弁済を受領する時に充当の指定をすることができるが、債務者がその充当に対して直ちに異議を述べたときは、この限りでない。

 

 

 

正解は?

 

 

 

今日の4問目は、この問題です。

 

弁済の充当の指定」についてですね。

 

問題をバラして見ます。

 

同一の債権者に対して数個の金銭債務を負担する

弁済として給付した金銭の額が全て債務を消滅させるのに足りない

債務者充当の指定をしないとき→債権者弁済を受領する時に充当の指定をすることできる

債務者がその充当に対して直ちに異議を述べたときは、この限りでない

 

問題を読んだ限りでは、気になるところはありませんが、

 

そうなのはてなマークって言えるところは、、、

 

最後、「債務者がその充当に対して直ちに異議を述べたときは、この限りでない。」でしょうか。。。

 

それでは、早速、、、

 

ん、これって、、、m(__)m

 

そうですね、ここまで引っ張りましたが、きちんと読んでいる人は気づいてますよね。

 

前の問題でちょこっと書いた、

 

弁済の充当の指定

第四百八十八条 債務者が同一の債権者に対して同種の給付を目的とする数個の債務を負担する場合において弁済として提供した給付がすべての債務を消滅させるのに足りないときは弁済をする者は給付の時に、その弁済を充当すべき債務を指定することができる

2 弁済をする者が前項の規定による指定をしないときは弁済を受領する者はその受領の時に、その弁済を充当すべき債務を指定することができるただし弁済をする者がその充当に対して直ちに異議を述べたときこの限りでない

3 前二項の場合における弁済の充当の指定は相手方に対する意思表示によってする

 

この規定です。

 

1項と2項の合わせ問題です。

 

私的には、弁済をする者が指定をしないのに弁済を受領する者の指定に異議を述べるってのはどうなのはてなマークって気持ちはありますけどね。

 

異議を述べるなら指定しろ。」☚家なき子爆  笑

 

どうですかはてなマーク 印象に残りましたかはてなマーク

 

 

 

問題

金銭債務を負担した債務者が、債権者の承諾を得て金銭の支払に代えて不動産を給付する場合において、代物弁済が成立するためには、債権者に所有権を移転させる旨の意思表示をするだけでは足りず、所有権移転登記がされなければならない。

 

 

 

正解は?

 

 

 

今日の最後の問題は、「代物弁済」についてです。

 

問題では、「代物弁済が成立するためには、債権者に所有権を移転させる旨の意思表示をするだけでは足りず所有権移転登記がされなければならない。」と言っています。

 

最初に、「代物弁済」の規定を確認しておきます。

 

代物弁済

第四百八十二条 債務者が債権者の承諾を得てその負担した給付に代えて他の給付をしたときは、その給付は弁済と同一の効力を有する

 

問題にある「債権者の承諾を得て金銭の支払に代えて不動産を給付する場合」は、条文では、「債権者の承諾を得てその負担した給付に代えて他の給付をしたとき」となっていますが、同じことです。

 

給付をすれば、「弁済と同一の効力を有する。」となっています。

 

ここで問題になるのは、「その負担した給付に代えて他の給付をしたとき」ですね。

 

問題では、不動産です。

 

と言うことは、「引渡し」とか「登記」なんて問題が出てきますよね。

 

その辺、どうなんはてなマークって問題です。

 

昭和57(オ)111 所有権移転登記抹消登記手続 昭和57年6月4日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所

 

不動産所有権の譲渡をもつてする代物弁済による債務消滅の効果は単に当事者がその意思表示をするだけでは足りず登記その他引渡行為を完了し第三者に対する対抗要件を具備したときでなければ生じないことはいうまでもない

 

代物弁済が成立する=給付をすれば、「弁済と同一の効力を有する。」

 

これに関して、不動産の場合、「意思表示だけでは足りず登記その他引渡行為を完了し第三者対抗要件を具備したときに債務が消滅する。」ってことです。

 

ここで注意です。

 

同じ判例に、

 

代物弁済による所有権移転の効果が原則として当事者間の代物弁済契約の意思表示によつて生ずることを妨げるものではないと解するのが相当である

 

債務消滅の効果所有権移転の効果違うがんねって書いてあります。

 

債務消滅の効果意思表示+登記その他引渡行為第三者対抗要件を具備

 

所有権移転の効果=当事者間の代物弁済契約の意思表示によつて生ずる

 

 

なかなか面白かったですね。。。

 

 

最後までありがとうございました。

 

 

んでまずまた。

 

 

 

細かいのはお好きはてなマーク。。。笑い泣き

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