行政書士試験 平成30年度問33 民法の問題 |  行政書士試験 独学チャレンジ!!

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こんばんは。

 

宮城の方だと「おばんです。」。

 

お晩です。」ってことだと思いますが、挨拶にしては、「お晩だよ。」って言ってる訳ですから当たり前のことなんですが、これがなんで挨拶なのかは考えたことがありません。(

 

何らかの理由があって、夕方の挨拶になったと思われますが、理由を知ったからと言って使わない訳ではありませんからふれずにおきますね。爆  笑

 

今日の過去問は、平成30年度問33の問題○×式でやりたいと思います。


Aに雇われているBの運転する車が、Aの事業の執行中に、Cの車と衝突して歩行者Dを負傷させた場合に関する記述について、民法の規定及び判例に照らして正誤判定してみましょう。

 

なお、Aには使用者責任、B及びCには共同不法行為責任が成立するものとする。

 

 

それでは、早速。

 

 

 

問題

AがDに対して損害を全額賠償した場合、Aは、損害の公平な分担という見地から均等の割合に限ってCに対して求償することができる。

 

 

 

正解は?

×

 

 

 

ちょっと確認してみます。

 

A会社に雇用されたBさんの 車 ドカーン Cさんの くるま。R  

 

巻き添えをくらってDさんが 血 負傷。。。

 

この状況下で、A会社には使用者責任BさんとCさんには共同不法行為責任成立しています。

 

問題では、「A会社が、負傷したDさんに対して損害を全額賠償した場合、A会社は、損害の公平な分担という見地から均等の割合に限ってCさんに対して求償することができる。」と言っています。

 

使用者責任共同不法行為責任が成立」って書いてますから、まぁ、もっともな書き方って感じですが、、、

 

ただ、これは車を運転する方なら聞いたことがあると思いますが、「過失割合」ってのがあります。

 

この場合で言うBさんとCさんのどちらの過失が大きいかはてなマークってことです。

 

よく、6:4とか、100、0とか、どちらに事故を起こした原因が大きいかはてなマークって判断されるってことです。

 

この辺の判断だと思いますが、早速、判例を確認してみます。

 

昭和41(オ)58 損害賠償請求 昭和41年11月18日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所

 

 原審が確定した事実によれば「昭和三四年一月二九日午後一〇時頃、本件事故現場において、被上告会社の被用者(タクシー運転手)である被上告人Bの運転する自動車(タクシー)と上告人の運転する自動車とが衡突事故を起した

 

右事故は、被上告人Bと上告人の過失によつて惹起されたものであり、これにより右タクシーの乗客Dは胸部、頭部打撲傷等の傷害を受けた被上告会社はDに対し右事故による損害を賠賞した。」というのである。

 

右事実関係のもとにおいては、被上告会社と上告人及び被上告人Bらは、Dに対して、各自、Dが蒙つた全損害を賠賞する義務を負うものというべきであり、また、右債務の弁済をした被上告会社は上告人に対し上告人と被上告人Bとの過失の割合にしたがつて定められるべき上告人の負担部分について求償権を行使することができるものと解するのが相当である。

 

書いてますね。。。

 

右債務の弁済をした被上告会社は、上告人に対し、上告人と被上告人Bとの過失の割合にしたがつて定められるべき上告人の負担部分について求償権を行使することができる

 

つまり、問題が言う「均等の割合に限ってCに対して求償することができる。」は、間違いと言うことです。

 

 

 

問題

AがDに対して損害を全額賠償した場合、Aは、Bに故意または重大な過失があったときに限ってBに対して求償することができる。

 

 

 

正解は?

×

 

 

 

この問題は、A会社がDさんに損害を「全額賠償」したA会社が事故を起こした被用者Bさんに対する求償の問題です。

 

問題では、「Bさんに、故意又は重大な過失があったときに限って求償することができる。」と言っていますが、、、

 

これは民法に規定がありましたよね。

 

使用者等の責任

第七百十五条 ある事業のために他人を使用する者(A会社)は、被用者(Bさん)がその事業の執行について第三者(Dさん)に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者(A会社)が被用者(Bさん)の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。

2 略。

3 前二項の規定は使用者(A会社)又は監督者から被用者(Bさん)に対する求償権の行使を妨げない

 

条文に登場人物をあてはめてみました。

 

問題では、「A会社がDさんに対して損害を全額賠償した場合」となっていますので、ここでは、ただし書きは考える必要はありません

 

条文の前段ですね。

 

ある事業のために他人を使用する者(A会社、被用者(Bさんがその事業の執行について第三者(Dさんに加えた損害を賠償する責任を負う。」

 

これは、代位責任だよって書き方です。

 

そして、3項、「前二項の規定は、使用者(A会社)又は監督者から被用者(Bさんに対する求償権の行使を妨げない。」。

 

これは、会社が第三者(Dさん)に損害を賠償した場合、被用者であるBさんに対して求償権を行使しても良いですよって規定です。

 

妨げない。」ですからね、しなければならない訳でもありませんししてもしなくても良い訳です。

 

それと1つ重要なことが、、、

 

問題には、「Bさんに故意または重大な過失があったときに限って」とありますが、条文には書かれていません

 

つまり、会社が被用者に対して求償するには、過失の有無を問わないってことです。

 

いくら雇用しているからと言っても被用者Bさんがした加害行為を会社が被る必要はありませんからね。

 

損害賠償責任を負うのは、「加害行為をした被用者Bさん本人」ってのが本筋であるってことです。

 

ですので、「故意又は重過失に関係なくA会社は被用者Bさんに対して求償することができると言うことです。

 

 

では、、、

 

問題に書かれた「故意または重大な過失があったとき」ってのは、、、

 

これ、ぴん! と来た方、凄いですね。。。

 

国家賠償法

第一条 又は公共団体の公権力の行使に当る公務員がその職務を行うについて故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは又は公共団体がこれを賠償する責に任ずる

2 前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、又は公共団体はその公務員に対して求償権を有する

 

国家賠償法における公務員が損害を加えた場合の求償権の規定です。

 

故意または重大な過失があったとき」ってのは、何か失敗したら賠償されるって委縮しないように条件を付けたってことでしたよね。

 

この違いは重要です。

 

 

 

問題

BがAのほかFの指揮監督にも服しており、BがAとFの事業の執行中に起きた衝突事故であった場合に、AがDに対して損害を全額賠償したときは、Aは、損害の公平な分担という見地から均等の割合に限ってFに対して求償することができる。

 

 

 

正解は?

×

 

 

 

この問題、被用者であるBさんが起こした「事業の執行中に起きた衝突事故」についてです。

 

今まで見たものとは違い、このBさんは、「A会社」の他に「F会社」の指揮監督にも服していると言う点です。

 

内容としては、「A会社」が被害者であるDさんに対して「損害を全額賠償」した場合ですから、ある意味考え方は1問目と同じです

 

つまり、「均等の割合に限ってってことではないと言うことになります。

 

昭和63(オ)1383 求償金 平成3年10月25日 最高裁判所第二小法廷 判決 破棄差戻 東京高等裁判所

 

一方の加害者を指揮監督する複数の使用者がそれぞれ損害賠償責任を負う場合においても各使用者間の責任の内部的な分担の公平を図るため、求償が認められるべきであるが、その求償の前提となる各使用者の責任の割合は被用者である加害者の加害行為の態様及びこれと各使用者の事業の執行との関連性の程度、加害者に対する各使用者の指揮監督の強弱などを考慮して定めるべきものであって、使用者の一方は、当該加害者の前記過失割合に従って定められる負担部分のうち、右の責任の割合に従って定められる自己の負担部分を超えて損害を賠償したときは、その超える部分につき、使用者の他方に対して右の責任の割合に従って定められる負担部分の限度で求償することができるものと解するのが相当である。

 

書かれてますね。

 

過失割合に従って定められる負担部分

 

これを超える部分について、相手方に求償することができるです。

 

1問目同様、「均等の割合に限って」ではありません

 

 

 

問題

CがDに対して損害を全額賠償した場合、Cは、Bに対してはB・C間の過失の割合によるBの負担部分について求償することができるが、共同不法行為者でないAに対しては求償することができない。

 

 

 

正解は?

×

 

 

 

この問題は、共同不法行為者であるCさんが、第三者Dさんに対して損害を賠償した場合です。

 

問題では、共同不法行為者であるBさんに対して、「B・C間の過失の割合によるBさんの負担部分について求償することができる」けれども、使用者であるA会社には、「求償することができない。」と言っています。

 

はたして、、、

 

これは、大丈夫ですよね。

 

最初の方で、「代位責任」ってのを見ています。

 

とするならば、Cさんは、「A会社に求償することができる。」ってなりますよね。

 

もちろん、その後、A会社がBさんへの求償を行使するかは別問題です。

 

判例を確認してみます。

 

昭和60(オ)1145 損害賠償請求本訴、同反訴事件 昭和63年7月1日 最高裁判所第二小法廷 判決 破棄自判 大阪高等裁判所

 

被用者がその使用者の事業の執行につき第三者との共同の不法行為により他人に損害を加えた場合において右第三者が自己と被用者との過失割合に従つて定められるべき自己の負担部分を超えて被害者に損害を賠償したときは、右第三者は、被用者の負担部分について使用者に対し求償することができるものと解するのが相当である。

 

書かれてますね。

 

使用者」に対して求償することができると。。。

 

そして、理由ですが、、、

 

けだし、使用者の損害賠償責任を定める民法七一五条一項の規定は、主として使用者が被用者の活動によつて利益をあげる関係にあることに着目し、利益の存するところに損失をも帰せしめるとの見地から被用者が使用者の事業活動を行うにつき他人に損害を加えた場合には、使用者も被用者と同じ内容の責任を負うべきものとしたものであつて、このような規定の趣旨に照らせば被用者が使用者の事業の執行につき第三者との共同の不法行為により他人に損害を加えた場合には、使用者と被用者とは一体をなすものとみて、右第三者との関係においても、使用者は被用者と同じ内容の責任を負うべきものと解すべきであるからである

 

この内容からすると「代位責任」って書き方をするとちょっと違和感がありますね。

 

判例としては、「使用者と被用者とは一体をなすもの」と判断しています。

 

これは、「使用者が被用者の活動によつて利益をあげる関係にある」ことから、「利益の存するところに損失をも帰せしめる」見地から導かれるものです。

 

参照

使用者等の責任

第七百十五条 ある事業のために他人を使用する者は被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。

2、3 略。

 

 

 

問題

Cにも使用者Eがおり、その事業の執行中に起きた衝突事故であった場合に、AがDに対して損害を全額賠償したときは、Aは、AとEがそれぞれ指揮監督するBとCの過失の割合によるCの負担部分についてEに対して求償することができる。

 

 

 

正解は?

 

 

 

この問題は、共同不法行為の使用者同士の求償についてです。

 

共同不法行為者であるBさんとCさんの勤める会社であるA会社とE会社ってことになります。

 

これは、今まで見てきた内容からするとってことになりますよね。

 

判例を確認してみます。

 

3問目と同じ判例です。

 

複数の加害者の共同不法行為につき各加害者を指揮監督する使用者がそれぞれ損害賠償責任を負う場合においては、一方の加害者の使用者と他方の加害者の使用者との間の責任の内部的な分担の公平を図るため、求償が認められるべきであるが、その求償の前提となる各使用者の責任の割合は、それぞれが指揮監督する各加害者の過失割合に従って定めるべきものであって一方の加害者の使用者は、当該加害者の過失割合に従って定められる自己の負担部分を超えて損害を賠償したときは、その超える部分につき、他方の加害者の使用者に対し、当該加害者の過失割合に従って定められる負担部分の限度で、右の全額を求償することができるものと解するのが相当である。

 

けだし、使用者はその指揮監督する被用者と一体をなすものとして、被用者と同じ内容の責任を負うべきところ、この理は右の使用者相互間の求償についても妥当するからである。

 

 

 

過失割合」って言葉は重要です。

 

 

 

今日のところはここまでです。

 

 

最後までありがとうございました。

 

 

んでまずまた。

 

 

 

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