こんにちは。
今日は、一般知識等、「日本の地方自治」です。
内容をみると地方自治法 って思えるところもあるんですけどね。
それだけではないんだよってことです。
行政書士試験、さすがに幅が広いです。。。
今日の過去問は、平成18年度問48の問題を○×式でやりたいと思います。
今日の問題は、本試験では個数問題でしたので注意して下さいね。
それでは、早速。
問題
地方自治体で行われている住民投票は、当該自治体の条例に基づかずに実施されているため、法的拘束力のないものとなっている。
正解は?
×
この問題は、「住民投票」についてです。
住民投票=地方公共団体の重要政策などについて議会を介さず、直接投票によって住民の意思を問う手法。
問題では、「当該自治体の条例に基づかずに実施されているため、法的拘束力のないものとなっている。」と言っていますね。
この前半部分、「自治体の条例に基づかずに実施されている」
「条例に基づかずに」ってことは、何に基づいてってことになりますよね。
ちょっと思い浮ばないんですが、、、
「住民投票条例」は、聞いたことがありますよね、、、
やっぱり、「住民投票条例」をつくって、それに基づいて実施するケースが殆どと言うことです。
それと問題後半部分、「法的拘束力のないものとなっている。」については、住民投票は選挙ではなく、「直接投票によって住民の意思を問う手法。」です。
意思を問う=諮問
諮問=(一定の機関や有識者に対し、)ある問題について意見を尋ね求めること。
つまり、「法的拘束力のないものとなっている。」ってのは、ある意味正しいです。
ただ、すべての「住民投票」がそうかと言うとちょっと違うんですね。
日本国憲法
第九十五条 一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。
この「住民投票」の書き方、
「その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。」
これは、「法的拘束力」があるって書き方です。
ですので、「法的拘束力」については、「ないものとあるもの」があると言うことになります。
問題
地方自治体では首長制を採用しているが、議会による首長の不信任議決等の制度を認めているため、議院内閣制の要素も含まれている。
正解は?
○
この問題は、「地方自治体」の政治制度についてです。
首長制と言っていますが、、、
首長制
首長制=議員と首長とを別々の選挙で選び、両者の牽制と均衡のうちに公正な政治の実現をはかる制度。米国の大統領制。
う~ん、確かに、、、
仙台市長選、仙台市議会議員一般選挙、宮城県知事選、宮城県議会議員一般選挙.、、、
別々ですね。
問題の「地方自治体では首長制を採用しているが、」は、○ですね。
引き続き、
「議会による首長の不信任議決等の制度を認めているため、議院内閣制の要素も含まれている。」は、どうでしょうか
議院内閣制=内閣の存立が議会の信任を必須要件としている制度。議会における多数党によって内閣を組織し、内閣は議会に対し連帯して責任を負い、閣僚は原則的に議席をもつ。日本国憲法もこれを採用している。
日本は、「議院内閣制」ってのは、解るんですが、地方自治体にこの要素が含まれているのかってところですね。
地方自治体で、「議会による首長の不信任議決等の制度」を認めていれば、この問題は○と言うことになります。
地方自治法
第百七十八条 普通地方公共団体の議会において、当該普通地方公共団体の長の不信任の議決をしたときは、直ちに議長からその旨を当該普通地方公共団体の長に通知しなければならない。この場合においては、普通地方公共団体の長は、その通知を受けた日から十日以内に議会を解散することができる。
2 議会において当該普通地方公共団体の長の不信任の議決をした場合において、前項の期間内に議会を解散しないとき、又はその解散後初めて招集された議会において再び不信任の議決があり、議長から当該普通地方公共団体の長に対しその旨の通知があつたときは、普通地方公共団体の長は、同項の期間が経過した日又は議長から通知があつた日においてその職を失う。
3 前二項の規定による不信任の議決については、議員数の三分の二以上の者が出席し、第一項の場合においてはその四分の三以上の者の、前項の場合においてはその過半数の者の同意がなければならない。
書いてますね。。。
「普通地方公共団体の議会において、当該普通地方公共団体の長の不信任の議決をしたときは、」
地方自治体の政治制度は、「首長制」を採用しているけれども、「議院内閣制」の要素も含んでいると言うことです。
問題
一般市が政令指定都市に指定されると、都道府県から独立した地位を与えられるため、市域内の都道府県税は原則として当該市の財源に属することとなる。
正解は?
×
私が住んでる仙台市は、「政令指定都市」です。
ですが、「市域内の都道府県税は原則として当該市の財源に属することとなる。」ってのは聞いたことがありません。
だいたいが、「都道府県税」ですよ。。。
「原則として当該市の財源に属することとなる。」って、、、
政令指定都市に指定されることに伴って、地方交付税の算定上の補正措置がとられるそうです。
つまり、財政上、「特例」が設けられると言うことです。
それに伴って、他の市町村と比べると、譲与税や交付金の配分基準が多少は高くなるようですが、市域内の都道府県税が市の財源に属することとなるわけではありません。
これは、「都道府県税」が、政令指定都市とは言え「市」のって考えればね。。。
あり得ません。
問題
1999年制定の地方分権一括法に基づく分権改革では、機関委任事務制度の廃止等の大きな成果があったが、地方税財政秩序の再構築などの課題が残された。
正解は?
○
1999年制定の地方分権一括法に基づく分権改革
これは、「第1次分権改革」って言うものですね。
問題に書かれたように、「機関委任事務制度が廃止」され、「自治事務と法定受託事務」に再編されるなどの大きな成果がありました。
ただ、問題に書かれたように「地方税財政秩序の再構築などの課題が残された。」ってことのようです。
地方分権推進委員会 最終報告 (平成13年6月14日) 一部抜粋
第4章 分権改革の更なる飛躍を展望して
委員会が推進してきた今次の分権改革は、既に第1章で述べたように、第1次分権改革というべきものにとどまっている。
この未完の分権改革をこれから更に完成に近づけていくためには、まだまだ数多くの改革課題が残っている。
これらを大きく分類すれば、以下の6項目に整理することができると考える。
Ⅰ 地方財政秩序の再構築
Ⅱ 地方公共団体の事務に対する法令による義務付け・枠付け等の緩和
Ⅲ 地方分権や市町村の合併の推進を踏まえた新たな地方自治の仕組みに関する検討
Ⅳ 事務事業の移醸
Ⅴ 制度規制の緩和と住民自治の拡充方策
Ⅵ 「地方自治の本旨」の具体化
問題に書かれた、課題として残った、「地方税財政秩序の再構築」は、改革課題の「Ⅰ」です。
この問題は、○ですね。
興味のある方は、一度読んでみても良いと思います。
問題
いわゆる「平成の大合併」では、人口8,000人をめどに合併をすすめるものとされ、強制合併の制度も導入された。
正解は?
×
この問題のポイントは
「平成の大合併」では、
1.人口8,000人をめどに合併をすすめた
2.強制合併の制度も導入された
この2点です。
最初に、1.の人口ですが、たしかに8,000人と言うめどで合併したものがあります。
ただ、「平成の大合併」ではなく、「昭和の大合併」です。
ですので、この時点で×です。
「平成の大合併」では、人口による目安はありませんでした。
それと2.ですが、、、
市町村の合併の特例に関する法律
(目的)
第一条 この法律は、地方分権の進展並びに経済社会生活圏の広域化及び少子高齢化等の経済社会情勢の変化に対応した市町村の行政体制の整備及び確立のため、当分の間の措置として、市町村の合併について関係法律の特例その他の必要な措置を講ずることにより、自主的な市町村の合併の円滑化並びに合併市町村の円滑な運営の確保及び均衡ある発展を図り、もって合併市町村が地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うことができるようにすることを目的とする。
この条文に書かれてますね。
「自主的な市町村の合併の円滑化並びに合併市町村の円滑な運営の確保及び均衡ある発展を図る」
「自主的な市町村の合併」です。
ですので、問題にあるように「強制合併の制度」が導入された訳ではありません。
これは、「昭和の大合併」でも同じでした。
と言うことで、この問題は、1.も、2.も×です。
今日も最後まで有難うございました。
んでまずまた。
一般知識等 地方自治法。。。
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