こんにちは。
今日は、「憲法」です。
条文を読んでいても、ちょっとしたところで引っ掛けようと言う問題です。
誰がとか、いつとか、わりとベタな問題です。
しっかりと内容の確認をしておきましょう。
今日の過去問は、平成26年度問6の問題を○×式でやりたいと思います。
内閣に関する憲法の規定について正誤判定してみましょう。
それでは、早速。
問題
国務大臣は、内閣総理大臣の指名に基づき、天皇が任命する。
正解は?
×
今日の1問目はこれです。
「国務大臣の任命」ですね。
問題では、「内閣総理大臣の指名に基づき、天皇が任命する。」と言っています。
この問題、大丈夫ですよね。憲法の規定についてですからね。
天皇と言えば「国事行為」ですね。
第七条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
二 国会を召集すること。
三 衆議院を解散すること。
四 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
五 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
七 栄典を授与すること。
八 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
九 外国の大使及び公使を接受すること。
十 儀式を行ふこと。
国務大臣は、五号に規定がありますね。
任免=役目につけることと辞めさせること。任命と免職。
問題の「国務大臣」については、天皇は、「任免を認証」することです。
認証=一定の行為や文書の作成が正当な手続きによってなされたことを、定められた公の機関が証明すること。
この場合は、天皇がその事実を公に証明することってなりますね。
他を見ても天皇の国事に関することは、「任命」ではなく、すべて「認証」です。
ですので、「天皇の国事に関する~」って問題で「任命」が出て来たら×ってことですね。
ただ、問題にあるように天皇が「任命」することはないのでしょうか
いやいやいやいや、ありますよね 2人。。。
第六条 天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。
2 天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。
んじゃ、誰が問題の「国務大臣を任命」するのか
最近よく聞く「任命責任が~、」って言われている方ですね。
第六十八条 内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。但し、その過半数は、国会議員の中から選ばれなければならない。
2 内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免することができる。
この条文のポイントは、「その過半数は、」です。
これは、今まで何度も書いてますよね。。。
問題
内閣総理大臣は、衆議院議員の中から、国会の議決で指名する。
正解は?
×
この問題は、「内閣総理大臣の指名」についてですね。
何やら、「衆議院議員の中から、」と限定的な問題ですが、、、
これは、どちらの議員からと言う決まりはありません。
ただ、条件はあるんですよ、、、知ってますか
条文を確認してみますね。
第六十六条
1 略。
2 内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。
3 略。
「文民」です。
「内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。」
文民=軍人でない者。職業軍人の経歴をもたない者。
おぉ~い、「職業軍人」ってなんじゃい
職業軍人=徴兵された軍人に対して、職業として軍務に服している人。
う~ん、これは属に言う「傭兵」さんですかね。
確かに「傭兵」さんが、内閣総理大臣って怖くて落ち着きませんよね。。。
あ、戻しますね。。。
第六十七条 内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。この指名は、他のすべての案件に先だつて、これを行ふ。
2 衆議院と参議院とが異なつた指名の議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は衆議院が指名の議決をした後、国会休会中の期間を除いて十日以内に、参議院が、指名の議決をしないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。
1項にありますね。
「国会議員の中から」であって、「衆議院議員の中から、」ではありません。
と言うことで、この問題は、× です。
ちなみに、総理大臣を「衆議院議員」に限定している訳ではありません。
ただ、これまで、参議院議員の人が総理大臣になった例は無いんですね。
んじゃ、なんで「参議院議員」がなれないのか
第六十七条2項に「衆議院の優越」がありますよね。
と言うことは、衆議院で「参議院議員の総理大臣」が選ばれることが総理大臣就任の大前提となる訳です。
ところが、衆議院側には、参議院議員を選びたくない理由があるんですね。
それは、衆議院だけに認められた権限が関係しています。
「内閣の総辞職」、「衆議院の解散」、つまり、「内閣不信任決議」です。
衆議院は「内閣不信任決議」により、内閣に退陣を迫ることができる訳です。
一方、総理大臣は衆議院を解散して、「解散総選挙」を行うことができます。
と言うことは、総理大臣と衆議院は、お互いを牽制する関係にあると言うことです。
ここまで理解したところで、ちょっと、考えてみて下さい、、、
この状況下で、参議院議員が総理大臣だと、衆議院を解散することになっても総理大臣は、自ら失職することはありませんよね。
この場合、衆議院議員だけが解散総選挙になります。
と言うことは、衆議院としては、「おいおい、ちょっと待って~な。」ってな状態になる訳です。
そのため、参議院議員が「総理大臣」に選ばれる状態にはなっていないと言うことのようです。
う~ん、深いですね。。。
問題
内閣は、総選挙の結果が確定すると同時に、直ちに総辞職しなければならない。
正解は?
×
この問題は、「総辞職の時期」です。
問題では、「総選挙の結果が確定すると同時に、直ちに総辞職しなければならない。」と言っていますね。
こんな条文でしたっけ
「総選挙の結果が確定すると同時に、直ちに」
いや、これ違うなぁ~。。。
第七十条 内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議院議員総選挙の後に初めて国会の召集があつたときは、内閣は、総辞職をしなければならない。
この条文ですね。
「総選挙の後に初めて国会の召集があつたときは、内閣は、総辞職をしなければならない。」です。
「直ちに」でも「結果が確定すると同時に、」でもありません。
「総選挙の後に初めて国会の召集があつたとき」です。
それともう一つ覚えておきましょう。。。
第七十一条 前二条の場合には、内閣は、あらたに内閣総理大臣が任命されるまで引き続きその職務を行ふ。
前二条の場合=総辞職した場合
「内閣は、あらたに内閣総理大臣が任命されるまで引き続きその職務を行ふ。」
当然のことですが、職務内容は、具体的な政策決定などは行えません。
解散する内閣な訳ですから。。。
問題
内閣は、衆議院で不信任の決議案が可決されたとき、直ちに総辞職しなければならない。
正解は?
×
う~ん、これも「総辞職」絡みの問題ですね。
「総辞職」絡みの条文は2つあるんですが、どちらも「直ちに」とは言っていません。
総辞職=直ちに これは、×です。
第六十九条 内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。
問題の「直ちに」は、「十日以内に衆議院が解散されない限り、」ですね。
そして、十日以内に、
「衆議院の解散」か、「総辞職」です。
どちらに転んでも最終的には「総辞職」することになります。
衆議院で、
内閣不信任案可決→十日以内に衆議院解散(又は総辞職)→解散したら総選挙→特別国会召集→総辞職
内閣不信任案が可決された場合の最終的な行きつく先は同じです。
問題
内閣は、総辞職の後、新たに内閣総理大臣が任命されるまで引き続き職務を行う。
正解は?
○
ん、んんんんんん~~~。。。
ありゃりゃ、やっちまったなぁ~
これ、さっき、良い気になって書いちゃいましたね。(笑)
第七十一条 前二条の場合には、内閣は、あらたに内閣総理大臣が任命されるまで引き続きその職務を行ふ。
前二条の場合=総辞職した場合
この規定は、内閣総理大臣や国務大臣がいないと言うことにならないようにするためのものです。
つまり、「政治的空白」をなくすための規定と言うことです。
ただ、先ほども書きましたが、具体的な政策決定などは行えませんからね。
今日は、ここまでです。
今日も最後まで有難うございました。
んでまずまた。
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