こんにちは。
最近よく思うんですが、日本人って主張するのが下手ですよね。
すべての人がってことではないんだと思いますが、、、私もそうなんですけど、、、(笑)
日本と韓国。。。政府のやり取りを見ていると「遺憾だ」ってしか言ってませんし、それではいかんですよね。(爆)
ハッキリと事実を突きつけて「ごめんなさい。」と言わせないと。。。
きちんと正当性を主張するのは大切です。
今日の過去問は、平成18年度問27の問題を○×式でやりたいと思います。
制限行為能力者と取引をした相手方の保護に関して正誤判断をしてみましょう。
それでは、早速。
問題
制限行為能力者が自己の行為を取り消したときには、相手方は受け取っていた物を返還しなければならないが、相手方は、制限行為能力を理由とする取消しであることを理由に、現に利益を受けている限度で返還をすれば足りる。
正解は?
×
今日の問題は、「制限行為能力者と取引をした相手方の保護」についてです。
1問目は、「制限行為能力者が自己の行為を取り消したとき」ですね。
と言うことは、行為を取り消す訳ですから、当然、相手方は、物を受け取っていれば返還することが必要になります。
問題では、「相手方は、制限行為能力を理由とする取消しであることを理由に、現に利益を受けている限度で返還をすれば足りる。」と言っていますが、、、
う~ん、条文はこんな感じでしたよね。
「現に利益を受けている限度で返還をすれば足りる。」☚こんな。。。
(取消しの効果)
第百二十一条 取り消された行為は、初めから無効であったものとみなす。ただし、制限行為能力者は、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。
制限行為能力者は、ただし書きの規定です。
と言うことで、○
って訳にはいきませんよね。(笑)
この条文は、「制限行為能力者を保護」するためのもので、「相手方」を保護するためのものではありません。
問題を縮めてみると「相手方は、現に利益を受けている限度で返還をすれば足りる。」となりますよね。
それでは、この問題のケースはどうなるのか
相手方は、制限行為能力者が取り消したことによって、本来、受け取るべきものではないものを持っていることになります。
と言うことは、「不当利得」ですね。
不当利得=法律上の原因がないのに他人の財産や労務によって利益を受け、そのために他人に損失を与えること。
言葉自体を考えると「」となるんですが、、、
(不当利得の返還義務)
第七百三条 法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者(受益者)は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。
(悪意の受益者の返還義務等)
第七百四条 悪意の受益者は、その受けた利益に利息を付して返還しなければならない。この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任を負う。
相手方が善意であれば、第七百三条「その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。」。
悪意であれば、第七百四条「その受けた利益に利息を付して返還しなければならない。」、損害があれば賠償もね。。。ってことです。
と言うことは、善意であれば現存利益の返還で足りる訳なんですが、問題で言うように「制限行為能力を理由とする取消しであることを理由に」したものではありませんよね。
この問題、相手方は「善意か悪意か」で返還する内容が変わりますし、「理由」も違~うと言うことです。
問題
制限行為能力者が未成年者の場合、相手方は、未成年者本人に対して、1か月以上の期間を定めてその行為を追認するかどうかを催告することができ、その期間内に確答がなければその行為を追認したものとみなされる。
正解は?
×
この問題は、「制限行為能力者が未成年者」の場合ですね。
問題の内容も記憶の中にありますね。
(制限行為能力者の相手方の催告権)
第二十条 制限行為能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人及び審判を受けた被補助人)の相手方は、その制限行為能力者が行為能力者となった後、その者に対し、一箇月以上の期間を定めて、その期間内にその取り消すことができる行為を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、その者がその期間内に確答を発しないときは、その行為を追認したものとみなす。
2 制限行為能力者の相手方が、制限行為能力者が行為能力者とならない間に、その法定代理人、保佐人又は補助人に対し、その権限内の行為について前項に規定する催告をした場合において、これらの者が同項の期間内に確答を発しないときも、同項後段と同様とする。
3、4 略。
問題に書かれた部分は、1項の青字の部分です。
と言うことで○
って訳にはいきませんよね、これも。。。(笑)
1項の「の相手方は、」の後、「その制限行為能力者が行為能力者となった後、」と書かれています。
つまり、1項の催告の規定は、「未成年者」が「成年」になった後の規定です。
何故か
(意思表示の受領能力)
第九十八条の二 意思表示の相手方がその意思表示を受けた時に未成年者又は成年被後見人であったときは、その意思表示をもってその相手方に対抗することができない。ただし、その法定代理人がその意思表示を知った後は、この限りでない。
この規定の類推適用なんですが、未成年者には催告の受領能力がありません。
そのため、未成年者本人に対する催告は「無効」と言うことです。
と言うことで、第二十条の言わんとしているところは、
「追認」は、追認することができる者に対して催告した場合でなければ、「追認の効果は生じない」と言うことです。
つまり、この問題の場合、「未成年者の法定代理人(保護者等)」に催告しなければならないと言うことです。
問題
制限行為能力者が被補肋人であり、補助人の同意を得なければならない行為を被補助人が補助人の同意を得てした場合であっても、相手方は、制限行為能力を理由として被補助人の行為を取り消すことができる。
追記=被
正解は?
×
この問題は、「制限行為能力者が被補肋人」の場合です。
珍しいですね、問題の最後の部分、「被補助人の行為」が「補助人の行為」を、で出題されています。(笑)
弘法にも筆の誤り と言うやつですね、多分。。。
それでは本題に、、、
この問題のポイントは、
「補助人の同意を得なければならない行為を被補助人が補助人の同意を得てした場合」 です。
同意を得ている訳ですね。
と言うことは、
(補助人の同意を要する旨の審判等)
第十七条
1~3 略。
4 補助人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。
同意を得ないでしたものは、取り消すことができる
⇕
同意を得たものは、取り消すことはできない
と言うことです。
ですので、問題としては×です。
一応、その他の条文も確認しておきます。
(補助人の同意を要する旨の審判等)
第十七条 家庭裁判所は、第十五条第一項本文に規定する者又は補助人若しくは補助監督人の請求により、被補助人が特定の法律行為をするにはその補助人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。ただし、その審判によりその同意を得なければならないものとすることができる行為は、第十三条第一項に規定する行為の一部に限る。
2 本人以外の者の請求により前項の審判をするには、本人の同意がなければならない。
3 補助人の同意を得なければならない行為について、補助人が被補助人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被補助人の請求により、補助人の同意に代わる許可を与えることができる。
4 略。
第十五条第一項本文に規定する者=本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人又は検察官
第十三条第一項に規定する行為の一部に限るとは
(保佐人の同意を要する行為等)
第十三条 被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。ただし、略。
一 元本を領収し、又は利用すること。
二 借財又は保証をすること。
三 不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。
四 訴訟行為をすること。
五 贈与、和解又は仲裁合意をすること。
六 相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。
七 贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。
八 新築、改築、増築又は大修繕をすること。
九 第六百二条に定める期間を超える賃貸借をすること。
2~4 略。
これらの行為の一部に関して、「補助人の同意を得なければならない」と審判をすることが出来る訳です。
それと、もう一つ。。。
(取消権者)
第百二十条 行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者に限り、取り消すことができる。
2 略。
被補肋人(制限行為能力者)の取引相手は、取消権者には含まれていません。
その点からも、相手方は、「制限行為能力を理由として」被補助人の行為を取り消すことはできません。
問題
制限行為能力者が被保佐人であり、保佐人の同意を得なければならない行為を被保佐人が保佐人の同意またはそれに代わる家庭裁判所の許可を得ずにした場合において、被保佐人が相手方に対して行為能力者であると信じさせるために詐術を用いたときには、制限行為能力を理由としてこの行為を取り消すことはできない。
正解は?
○
この問題は、「制限行為能力者が被保佐人」の場合です。
先ほど見た「同意」の規定、被保佐人にも同じ内容であります。
(保佐人の同意を要する行為等)
第十三条
1~3 略。
4 保佐人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。
問題では、「保佐人の同意を得なければならない行為を被保佐人が保佐人の同意またはそれに代わる家庭裁判所の許可を得ずにした場合」とありますので、本来は、取り消せるはずですが、、、
この被保佐人さんは、「詐術」を用いてしまっています。
詐術=人をだますいつわりの手段。ごまかし。偽計。
つまり、「嘘」をついたってことですね。
それでも被保佐人は保護されるのか
まぁ、これはそこまで被保佐人を保護するってのは無いですよね。
民法は「公平」です。そこまですると、取引の相手方が不当に不利益を被りますから。
(制限行為能力者の詐術)
第二十一条 制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない。
問題文の通りです。
問題
制限行為能力者が成年被後見人であり、相手方が成年被後見人に日用品を売却した場合であっても、成年被後見人は制限行為能力を理由として自己の行為を取り消すことができる。
正解は?
×
この問題は、「制限行為能力者が成年被後見人」の場合ですね。
これは、基本中の基本ですので外しちゃいけません。
答えは、○ です。 なんて、、、
(成年被後見人の法律行為)
第九条 成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。
問題にある日用品の売却は、「法律行為」ですので、取り消すことができるのが原則です。
これは、前段。。。
ですが、ただし書きの規定がありますよね。
「法律行為」の中でも「日用品の購入」、「その他日常生活に関する行為」は、例外として取り消すことが出来ません。
ですので、この問題は、× です。
普段使いの日用品までOKってなると取引の相手方が不当に不利益を被るので公平ではありません。
民法は常に「公平」に考えられているのです。
今日のところはここまでです。
最後までありがとうございました。
んでまずまた。
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