行政書士試験 平成18年度問39 会社法の問題 | 行政書士試験 独学チャレンジ!!

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こんにちは。

 

風邪ひいてないすかはてなマーク

 

鼻水、のどの痛み、先週から少し良いものの今回は長い。。。

 

さいわい熱はないので仕事に影響はないんですが、最近ちょっと年齢を感じるかな。

 

ネバネバ系の食事ニンニク無性に食べたい滝汗

 

食欲はあるんです。(

 

今日の過去問は、平成18年度問39の問題○×式でやります。

 

今日は、会社の合併に関する問題です。

 

 

それでは、早速。

 

 

 

問題

会社の合併により、消滅会社の全財産が包括的に存続会社に移転するため、財産の一部を除外することは許されないが、消滅会社の債務については、消滅会社の債権者の承諾が得られれば、存続会社は消滅会社の債務を引き継がないとすることも可能である。

 

 

 

正解は?

×

 

 

 

今日の問題は「合併」です。

 

合併=2つ以上の会社が1つの会社になること。「新設合併」と「吸収合併」の2種類がある。

 

新設合併=当事会社の全部が解散し、それと同時に新たな会社を設立する合併

 

) A会社とB会社の合併→C会社設立

 

吸収合併=一つの会社が存続し、他の解散する会社を吸収する合併

 

) A会社とB会社の合併→A(Bを吸収)会社

 

いずれにしても消滅する会社の全財産が包括的に存続会社に移転します。

 

包括的=すべてをひっくるめているさま。総括的。総合的。

 

ですので、財産の一部を除外することは許されません


これは、問題に書かれた通りです。

 

この内容は、相続と同じような感じですね。

 

被相続人が亡くなったとしても財産は有る訳で、勝手に減ることはありませんよね。

 

相続の場合は、そこで「限定承認」等出来る訳ですが、会社の場合はそうはいかないと言うことです。

 

そして、問題後半、

 

消滅会社の債務については、消滅会社の債権者の承諾が得られれば、存続会社は消滅会社の債務を引き継がないとすることも可能である。」

 

これ、なかなか迷わせますね。。。

 

「消滅会社の債権者の承諾が得られれば、」→存続会社は消滅会社の債務を引き継がないとすることも可能

 

う~ん、「承諾が得られれば、」これは、ありそうですよね。

 

ですが、さきほど「包括的」にってあったように、「債権者の承諾が得られても」消滅会社の債務を引き継がないとすることはできないんです。

 

株式会社が存続する吸収合併の効力の発生等

第七百五十条 吸収合併存続株式会社は効力発生日に、吸収合併消滅会社の権利義務を承継する

2~6 略。

 

持分会社が存続する吸収合併の効力の発生等

第七百五十二条 吸収合併存続持分会社は効力発生日に、吸収合併消滅会社の権利義務を承継する

2~6 略。

 

株式会社を設立する新設合併の効力の発生等

第七百五十四条 新設合併設立株式会社はその成立の日に、新設合併消滅会社の権利義務を承継する

2~5 略。

 

持分会社を設立する新設合併の効力の発生等

第七百五十六条 新設合併設立持分会社はその成立の日に、新設合併消滅会社の権利義務を承継する

2~4 略。

 

承継=引き続いて受け継ぐこと。先代や先任者などの地位や身分・財産・権利・義務などを、受け継ぐこと。継承。

 

つまり、「合併」とは、消滅会社の権利義務すべてを引き継ぐものと言うことです。

 

 

 

問題

会社の合併が違法である場合に、各当事会社の株主、取締役等、または合併を承認しなかった債権者は、その無効を合併無効の訴えによってのみ主張することができ、合併無効の判決が確定した場合には、将来に向かってその合併は無効となる。

 

 

 

正解は?

×

 

 

 

この問題は、「合併無効の訴え」です。

 

会社の合併が違法である場合に、「各当事会社の株主、取締役等、または合併を承認しなかった債権者が訴えることができ、確定すれば、

将来に向かってその合併は無効となると言っていますね。

 

条文を確認してみます。

 

会社の組織に関する行為の無効の訴え

第八百二十八条 次の各号に掲げる行為の無効は、当該各号に定める期間に、訴えをもってのみ主張することができる

一~六 略

 会社の吸収合併 吸収合併の効力が生じた日から六箇月以内

 会社の新設合併 新設合併の効力が生じた日から六箇月以内

九~十二 略

2 次の各号に掲げる行為の無効の訴えは、当該各号に定める者に限り、提起することができる

一~六 略

七 前項第号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において吸収合併をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は吸収合併後存続する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは吸収合併について承認をしなかった債権者

八 前項第号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において新設合併をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は新設合併により設立する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは新設合併について承認をしなかった債権者

九~十二 略

 

問題は、「各当事会社の株主取締役等、または合併を承認しなかった債権者」

1.吸収合併をする会社の株主若しくは社員等であった者又は吸収合併存続する会社の株主社員等破産管財人若しくは吸収合併について承認をしなかった債権者

2.新設合併をする会社の株主若しくは社員等であった者又は新設合併により設立する会社株主社員等破産管財人若しくは新設合併について承認をしなかった債権者

 

これは、本試験の時には正解の肢でした。

 

1.、2.ともに青字以外の部分は違っています

 

この問題もで進めようかなはてなマークとは思ったんですが、条文を確認して×にすることにしました。

 

無効又は取消しの判決の効力

第八百三十九条 会社の組織に関する訴え第八百三十四条第一号から第十二号まで第十八号及び第十九号に掲げる訴えに限る。)に係る請求を認容する判決が確定したときは、当該判決において無効とされ、又は取り消された行為は、将来に向かってその効力を失う

 

はてなマーク

 

判決の効力の規定の第八百三十九条には、「第八百三十四条第一号~云々に限る」と書かれてますね。

 

先ほど見た、会社の組織の無効の訴えは第八百二十八条です。

 

 

あ、な~るほろ。。。

 

被告

第八百三十四条 次の各号に掲げる訴え(会社の組織に関する訴えについては、当該各号に定める者を被告とする

一~六 略

七 会社の吸収合併の無効の訴え 吸収合併後存続する会社

八 会社の新設合併の無効の訴え 新設合併により設立する会社

九~二十一 略

 

う~ん、複雑。。。滝汗

 

合併無効の判決が確定した場合は、法的安定性を重視するため、将来に向かって合併が無効となります。

 

ですので、訴えることが出来る人以外は、正しい肢です。

 

 

 

問題

合併の各当事会社は、会社債権者に対して、合併に異議があれば一定の期間内に述べるように官報に公告し、かつ電子公告をした場合であっても、知れたる債権者には個別催告する必要がある。

 

 

 

正解は?

×

 

 

 

この問題は「催告」についてですね。

 

合併→「合併の各当事会社は、会社債権者に対して、合併に異議があれば一定の期間内に述べるように催告する必要がある。」

 

まぁ、これは当然ですよね。

 

合併は会社債権者にも重大な影響を及ぼしますから。。。

 

 

はてなマーク 「知れたる債権者」 聞き慣れない言葉ですね。

 

 

古い判例から、、、

 

知れたる債権者=債権者が何人であるか、また、その債権はいかなる原因に基づくいかなる請求権であるかの大体が会社に知れている者であって、金銭債権者のごとく、原因及び数額の確知された債権を有する者に限られない、継続的供給契約上の将来の債権の債権者も対象となる

 

これ、簡単に言うと「会社が知ることができた、会社に対して金銭等を請求する権利を持っている債権者」ってことですね。

 

この方達(知れたる債権者)に関して、

 

問題では、「合併に異議があれば一定の期間内に述べるように」催告する必要があり

 

それは、「官報に公告し、かつ電子公告をした場合であっても、」個別に催告する必要があると言っています。

 

会社債権者に対しての保護が手厚いですね。

 

早速、条文を確認してみますね。

 

債権者の異議

第七百八十九条 

1 略。

2 前項の規定により消滅株式会社等の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、消滅株式会社等は、次に掲げる事項を官報に公告しかつ知れている債権者には各別にこれを催告しなければならないただし第四号の期間は一箇月を下ることができない

一 吸収合併等をする旨

二 存続会社等の商号及び住所

三 消滅株式会社等及び存続会社等(株式会社に限る。)の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの

四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨

3~5 略。

 

同じ内容で、「存続株式会社等に関する規定」が第七百九十九条2項に置かれています。

 

ですので、消滅会社、存続会社ともに基本は、「官報に公告しかつ知れている債権者には各別にこれを催告しなければならない。」と言うことです。

 

問題では、「かつ電子公告をした場合であっても、」知れたる債権者には個別催告する必要があると書かれています。

 

つまり、問題の内容は、「官報に公告+電子公告+知れたる債権者に個別催告」ってことです。

 

その辺どうなんはてなマーク

 

債権者の異議

第七百八十九条 

1、2 略

3 前項の規定にかかわらず、消滅株式会社等が同項の規定による公告を官報のほか第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは前項の規定による各別の催告することを要しない

4、5 略。

 

これも同じ内容で、「存続株式会社等に関する規定」が第七百九十九条3項に置かれています。

 

会社の公告方法

第九百三十九条 会社は公告方法として次に掲げる方法のいずれかを定款で定めることができる

一 官報に掲載する方法

 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法

 電子公告

2~4 略。

 

第七百八十九条3項では、二号「日刊新聞紙に掲載する方法」、三号「電子公告によりするときは前項の規定による各別の催告(知れている債権者することを要しない

 

結論

 

基本は、「官報に公告しかつ知れている債権者には各別にこれを催告する。」

 

例外は、「定款で定めた場合」は、「官報に公告+電子公告又は日刊新聞紙に掲載する方法」でOKってことです。

 

そして、例外の場合は、「知れている債権者には、」個別の催告は不要ってことです。

 

 

 

問題

合併決議前に反対の意思表示をし、かつ合併承認決議に反対した株主は、合併承認決議が成立した場合には、株式買取請求権を行使することができる。

 

 

 

正解は?

 

 

 

この問題は、「株式買取請求権」に関するものですね。

 

先ほども書きましたが、「合併」は、株主に重大な影響を及ぼすものです。

 

合併することに「反対の株主」が投下資本を回収できるようにしなければなりません。

 

本来は、株主が投下資本を回収する手段として株式を譲渡するという方法がありますよね。

 

ですが、合併によって、「株式の価値が下がる可能性」はある訳です。

 

とすると、なかなか希望通りには進まない可能性が十分に考えられますよね。

 

そのため、会社側に株式を買い取ってもらえるという「株式買取請求権」を反対する株主に認めている訳です。

 

反対株主の株式買取請求

第七百八十五条 吸収合併等をする場合には反対株主は消滅株式会社等に対し自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる

2 前項に規定する「反対株主とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。

一 吸収合併等をするために株主総会の決議を要する場合 次に掲げる株主

イ 当該株主総会に先立って当該吸収合併等に反対する旨を当該消滅株式会社等に対し通知、かつ、当該株主総会において当該吸収合併等に反対した株主

ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主

二 前号に規定する場合以外の場合 全ての株主

3~9 略。

 

同じ内容で、「存続株式会社等に関する規定」が第七百九十七条1項、2項一号イに置かれています。

 

ポイントは、株主総会に、

 

先立って反対する旨を株式会社等に対し通知をする」、かつ、「株主総会において反対した株主」です。

 

 

 

問題

会社が合併するには、各当事会社の株主総会の特別決議による承認を要するが、存続会社に比べて消滅会社の規模が著しく小さい場合には、各当事会社は株主総会決議を省略することができる。

 

 

 

正解は?

×

 

 

 

これは、今まで見てきた内容からしてもおかしいですよね。

 

合併」は、株主に重大な影響を及ぼすものですよね。

 

吸収合併契約等の承認等

第七百八十三条 消滅株式会社等は効力発生日の前日までに株主総会の決議によって吸収合併契約等の承認を受けなければならない

2~6 略。

 

同じ内容で、「存続株式会社等に関する規定」が第七百九十五条1項に置かれています。

 

株主総会の決議

第三百九条 

1 略。

2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。この場合においては、略。

一~十一 略

十二 第五編の規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会

3~5 略。

 

この第三百九条の1項は「普通決議」、2項は「特別決議」、3、4項は「特殊決議」でしたね。

 

ちなみに、5項は、「取締役会設置会社」に関するものです。

 

この問題の「合併」に関するものは、第五編、第五章、第二節吸収合併等の手続に書かれていますので、「特別決議」を要する案件です。

 

そのため、前半は正しいですね。

 

そして、後半です。

 

吸収合併契約等の承認を要しない場合

第七百八十四条 前条第一項の規定は、吸収合併存続会社、吸収分割承継会社又は株式交換完全親会社(以下「存続会社等」)が消滅株式会社等の特別支配会社である場合には適用しない。ただし、略。

2 略。

 

これも同じ内容で、「存続株式会社等に関する規定」が第七百九十六条1項に置かれています。

 

この場合の消滅株式会社の株主総会での承認は、吸収合併存続会社が消滅株式会社の「特別支配会社」であるときは例外的に不要ってことですね。

 

消滅会社の規模が云々ではなく、「特別支配会社」かどうかと言うことです。

 

ちなみに、「存続会社に比べて消滅会社の規模が著しく小さい場合には、当事会社は株主総会決議を省略することができる。」ってのは似たような規定が別にあります。。。

 

簡易合併です。

 

ただ、簡易合併を考えても、存続会社は別にしても消滅会社」を「省略する」ってことは出来ません、、、(

 

そんなことしたら株主さん「こんな会社に投資しなければ良かった。」ってなっちゃいますよね。。。

 

 

今日も最後まで有難うございました。m(__)m

 

 

今日のところはここまでです。

 

 

 

んでまずまた。

 

 

 

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