行政書士試験 平成20年度問4 憲法の問題 | 行政書士試験 独学チャレンジ!!

行政書士試験 独学チャレンジ!!

仙台の行政書士、Hideさんのブログ!
法律知識「0」から独学で数冊の参考書と「過去問だけ」で、資格を取得しました。
独学は「理解」から、、、
  過去記事は、改正には対応していません。
   修正予定もありませんので注意して下さい。      

こんにちは。

 

士業。(しぎょう、さむらいぎょう。)

 

う~ん、気にしたことはなかったんですが、「」は、訓読みで「さむらい」って読むからなんですね。

 

さむらいぎょう」って言うのは知ってはいたんですが、読みからくるものではなく、何か意味があるもんだと思ってました。

 

ちょっと調べると「専門性の高い国家資格」なんて書かれてますね。

 

さむらい」と言う名に恥じないように、これからも勉強を継続しないといけませんね。。。

 

今日の過去問は、平成20年度問4の問題○×式でやりたいと思います。

 

今日の問題は、最高裁判所の判例に照らして正誤判定するものです。

 

 

それでは、早速。

 

 

 

問題

国は、子ども自身の利益のため、あるいは子どもの成長に対する社会公共の利益と関心にこたえるために、必要かつ相当な範囲で教育の内容について決定する権能を有する。

 

 

 

正解は?

 

 

 

今日は判例です。

 

最初に断っときますが、判例ですので抜き出す部分が長いです。(

 

比較したりもしますから。。。

 

この問題は、「わが国の法制上子どもの教育の内容を決定する権能誰に帰属するのかはてなマーク」って内容です。

 

昭和43(あ)1614 建造物侵入、暴力行為等処罰に関する法律違反 昭和51年5月21日 最高裁判所大法廷 判決 その他 札幌高等裁判所

 

判例では、「二つの極端に対立する見解がある」と言っています。

 

一つ目は、教育権説です。

 

子どもの教育は、親を含む国民全体の共通関心事であり、公教育制度は、このような国民の期待と要求に応じて形成、実施されるものであつて、そこにおいて支配し、実現されるべきものは国民全体の教育意思であるが、この国民全体の教育意思は、憲法の採用する議会制民主主義の下においては、国民全体の意思の決定の唯一のルートである国会の法律制定を通じて具体化されるべきものであるから、法律は、当然に、公教育における教育の内容及び方法についても包括的にこれを定めることができまた教育行政機関も、法律の授権に基づく限り、広くこれらの事項について決定権限を有する、と主張する。

 

もう一つは、教育権説です。

 

子どもの教育は、憲法二六条の保障する子どもの教育を受ける権利に対する責務として行われるべきもので、このような責務をになう者は、親を中心とする国民全体であり、公教育としての子どもの教育は、いわば親の教育義務の共同化ともいうべき性格をもつのであつて、それ故にまた、教基法一〇条一項も、教育は、国民全体の信託の下に、これに対して直接に責任を負うように行われなければならないとしている、したがつて、権力主体としてのの子どもの教育に対するかかわり合い、右のような国民の教育義務の遂行を側面から助成するための諸条件の整備に限られ、子どもの教育の内容及び方法については国は原則として介入権能をもたず教育は、その実施にあたる教師が、その教育専門家としての立場から、国民全体に対して教育的、文化的責任を負うような形で、その内容及び方法を決定、遂行すべきものであり、このことはまた、憲法二三条における学問の自由の保障が、学問研究の自由ばかりでなく、教授の自由をも含み、教授の自由は、教育の本質上、高等教育のみならず、普通教育におけるそれにも及ぶと解すべきことによつても裏付けられる

 

日本国憲法

第二十六条 すべて国民は法律の定めるところによりその能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する

2 すべて国民は法律の定めるところによりその保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ義務教育はこれを無償とする

 

第二十三条 学問の自由はこれを保障する

 

教育基本法

教育行政

第10条 教育は不当な支配に服することなく国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである

2 教育行政はこの自覚のもとに教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない

 

結論としては、

 

裁判所は、二つの見解はいずれも極端かつ一方的であり、そのいずれをも全面的に採用することはできないとしました。

 

裁判所の見解としては、

 

まず親は子どもに対する自然的関係により、子どもの将来に対して最も深い関心をもち、かつ、配慮をすべき立場にある者として、子どもの教育に対する一定の支配権、すなわち子女の教育の自由を有すると認められるが、このような親の教育の自由は、主として家庭教育等学校外における教育や学校選択の自由にあらわれるものと考えられるし、また、私学教育における自由や前述した教師の教授の自由も、それぞれ限られた一定の範囲においてこれを肯定するのが相当であるけれども、それ以外の領域においては、一般に社会公共的な問題について国民全体の意思を組織的に決定実現すべき立場にある国は国政の一部として広く適切な教育政策を樹立、実施すべくまたしうる者として憲法上はあるいは子ども自身の利益の擁護のため、あるいは子どもの成長に対する社会公共の利益と関心にこたえるため必要かつ相当と認められる範囲において、教育内容についてもこれを決定する権能を有するものと解さざるをえず、これを否定すべき理由ないし根拠は、どこにもみいだせないのである。

 

それ以外の領域」って書き方がなされています。

 

と言うことは、どちらか一方にあるのではなく国と国民の両方にあるって判断です。

 

教育の内容について、、「必要かつ相当な範囲で決定する権能を有する訳ですね。

 

この判例、多肢選択式でも見た記憶がありますので、次回の穴埋めでやりますね。。。

 

 

 

問題

憲法が義務教育を定めるのは、親が本来有している子女を教育する責務をまっとうさせる趣旨によるものであるから、義務教育に要する一切の費用を当然に国が負担しなければならないとは言えない。

 

 

 

正解は?

 

 

 

義務教育に関する費用負担についてですね。

 

判例の当時と今は変わってきていますが、当時はどのように判決を下したのでしょうかはてなマーク

 

問題では、義務教育の趣旨は、

 

親が本来有している子女を教育する責務をまっとうさせること」と言っています。

 

だから、「義務教育に要する一切の費用を当然に国が負担しなければならない訳ではないと言っています。

 

判例はどうなんでしょうかはてなマーク

 

昭和38(オ)361 義務教育費負担請求 昭和39年2月26日 最高裁判所大法廷 判決 棄却 東京高等裁判所

 

憲法二六条二項後段の「義務教育はこれを無償とする。」という意義は、国が義務教育を提供するにつき有償としないこと換言すれば子女の保護者に対しその子女に普通教育を受けさせるにつき、その対価を徴収しないことを定めたものであり、教育提供に対する対価とは授業料を意味するものと認められるから、同条項の無償とは授業料不徴収の意味と解するのが相当である。

 

そして、かく解することは、従来一般に国または公共団体の設置にかかる学校における義務教育には月謝を無料として来た沿革にも合致するものである。

 

また、教育基本法四条二項および学校教育法六条但書において、義務教育については授業料はこれを徴収しない旨規定している所以も、右の憲法の趣旨を確認したものであると解することができる。

 

それ故、憲法の義務教育は無償とするとの規定は、授業料のほかに教科書、学用品その他教育に必要な一切の費用まで無償としなければならないことを定めたものと解することはできない

 

教育基本法

義務教育

第4条 国民は、その保護する子女に、9年の普通教育を受けさせる義務を負う。

2 国又は地方公共団体の設置する学校における義務教育については授業料はこれを徴収しない

 

学校教育法

第六条 学校においては、授業料を徴収することができる。ただし国立又は公立の小学校及び中学校、これらに準ずる盲学校、聾学校及び養護学校又は中等教育学校の前期課程における義務教育についてはこれを徴収することができない

 

日本国憲法第二十六条2項後段「義務教育はこれを無償とする。」とは、授業料を徴収しないことで、教科書、学用品その他教育に必要な一切の費用までを無償としなければならないことを定めたものではないと判断しています。

 

そう言えば、教科書代、学用品、給食にかかる費用は有料でしたよね。

 

現在はちょっと変わってきています。

 

義務教育諸学校の教科用図書の無償に関する法律

趣旨

第一条 義務教育諸学校の教科用図書無償とする

2 前項に規定する措置に関し必要な事項は、別に法律で定める。

 

法律も時代とともに変わっていくんですね。。。

 

 

 

問題

憲法25条の規定の趣旨にこたえて具体的にどのような立法措置を講じるかの選択決定は、立法府の広い裁量にゆだねられている。

 

 

 

正解は?

 

 

 

憲法25条はてなマーク

 

日本国憲法

第二十五条 すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する

2 国はすべての生活部面について社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない

 

この条文ですね。

 

ちょっと漠然とした条文なんですが、判例ではどのように言っているのでしょうかはてなマーク

 

昭和51(行ツ)30 行政処分取消等 昭和57年7月7日 最高裁判所大法廷 判決 棄却 大阪高等裁判所

 

憲法二五条の規定は、国権の作用に対し一定の目的を設定しその実現のための積極的な発動を期待するという性質のものである。

 

右規定にいう「健康で文化的な最低限度の生活なるものは、きわめて抽象的・相対的な概念であつて、その具体的内容は、その時々における文化の発達の程度、経済的・社会的条件、一般的な国民生活の状況等との相関関係において判断決定されるべきものであるとともに、右規定を現実の立法として具体化するに当たつては、国の財政事情を無視することができず、また、多方面にわたる複雑多様な、しかも高度の専門技術的な考察とそれに基づいた政策的判断を必要とするものである。

 

健康で文化的な最低限度の生活」なるものは、きわめて抽象的・相対的な概念

その時々における文化の発達の程度、経済的・社会的条件、一般的な国民生活の状況等との相関関係において判断決定されるべきもの

 

つまり、「健康で文化的な最低限度の生活」は、一定のものではなく、時代と共に変わるし、国の財政事情も関係するから政策的判断が必要なものだってことです。

 

したがつて、憲法二五条の規定の趣旨にこたえて具体的にどのような立法措置を講ずるかの選択決定は、立法府の広い裁量にゆだねられておりそれが著しく合理性を欠き明らかに裁量の逸脱・濫用と見ざるをえないような場合を除き裁判所が審査判断するのに適しない事柄であるといわなければならない

 

いろんな要素を総合考量してってやつですね。。。

 

それとこの問題を裁判所が審査判断するケースも書かれています。

 

裁量が著しく合理性を欠き明らかに裁量の逸脱・濫用と見ざるをえないような場合

 

 

 

問題

労働基本権に関する憲法上の規定は、国の責務を宣言するもので、個々の国民に直接に具体的権利を付与したものではなく、国の立法措置によってはじめて具体的権利が生じる。

 

 

 

正解は?

×

 

 

 

労働基本権に関する憲法上の規定はてなマーク

 

日本国憲法

第二十八条 勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する

 

問題では、「国の責務を宣言するもの」って書いてますね。

 

個々の国民に直接に具体的権利を付与したものではなく国の立法措置によってはじめて具体的権利が生じる。」

 

この書き方は、具体的権利性はなく、プログラム規定だってことですね。

 

実際の判例はどうでしょうかはてなマーク

 

昭和39(あ)296 郵便法違反教唆 昭和41年10月26日 最高裁判所大法廷 判決 破棄差戻 東京高等裁判所

 

憲法二八条は、いわゆる労働基本権、すなわち、勤労者の団結する権利および団体交渉その他の団体行動をする権利を保障している

 

この労働基本権の保障の狙いは、憲法二五条に定めるいわゆる生存権の保障を基本理念とし、勤労者に対して人間に値する生存を保障すべきものとする見地に立ち、一方で憲法二七条の定めるところによつて、勤労の権利および勤労条件を保障するとともに、他方で憲法二八条の定めるところによつて経済上劣位に立つ勤労者に対して実質的な自由と平等とを確保するための手段として、その団結権、団体交渉権、争議権等を保障しようとするものである。

 

日本国憲法

第二十七条 すべて国民は勤労の権利を有し義務を負ふ

2 賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める

3 児童はこれを酷使してはならない

 

労働基本権は、具体的な立法措置がなされなくても憲法第二十八条を直接の根拠にして権利を主張することのできる具体的権利と言うことですね。

 

問題に書かれているようなプログラム規定ではなく具体的権利性があると言うことです。

 

 

 

問題

労働基本権は、勤労者の経済的地位の向上のための手段として認められたものであって、それ自体が自己目的ではなく、国民全体の共同利益の見地からの制約を受ける。

 

 

 

正解は?

 

 

 

 

問題では、労働基本権は、「勤労者の経済的地位の向上のための手段として認められたもの」と言ってますね。

 

団結して団体交渉するのはYenアップですね。

 

経済的地位の向上です。

 

ただ、「それ自体が自己目的ではなく、国民全体の共同利益の見地からの制約を受ける。」と言っています。

 

この辺はどうなんでしょうかはてなマーク

 

判例を確認してみますね。

 

昭和43(あ)2780 国家公務員法違反 昭和48年4月25日 最高裁判所大法廷 判決 棄却 東京高等裁判所

 

憲法二八条は、「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利」、すなわちいわゆる労働基本権を保障している

 

この労働基本権の保障は憲法二五条のいわゆる生存権の保障を基本理念とし、憲法二七条の勤労の権利および勤労条件に関する基準の法定の保障相まつて勤労者の経済的地位の向上を目的とするものである。

 

このような労働基本権の根本精神に即して考えると公務員は、私企業の労働者とは異なり、使用者との合意によつて賃金その他の労働条件が決定される立場にないとはいえ、勤労者として、自己の労務を提供することにより生活の資を得ているものである点において一般の勤労者と異なるところはないから、憲法二八条の労働基本権の保障は公務員に対しても及ぶものと解すべきである。

 

ただ、この労働基本権は、右のように、勤労者の経済的地位の向上のための手段として認められたものであつて、それ自体が目的とされる絶対的なものではないから、おのずから勤労者を含めた国民全体の共同利益の見地からする制約を免れないものであり、このことは、憲法一三条の規定の趣旨に徴しても疑いのないところである(この場合、憲法一三条にいう「公共の福祉」とは、勤労者たる地位にあるすべての者を包摂した国民全体の共同の利益を指すものということができよう。)。

 

日本国憲法

第十三条 すべて国民は個人として尊重される生命自由及び幸福追求に対する国民の権利については公共の福祉に反しない限り立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする

 

問題の内容、

 

勤労者の経済的地位の向上のための手段として認められたもの

おのずから勤労者を含めた国民全体の共同利益の見地からする制約を免れないもの

 

そのまま書かれています。


 

今日のところはここまでです。

 

最後まで有難うございました。

 

 

んでまずまた。

 

 

 

押してってけせ。。。照れ

にほんブログ村 資格ブログ 行政書士試験へ
にほんブログ村

 

 

 

来たよって方はこちらをポチッと。

にほんブログ村 地域生活(街) 東北ブログ 仙台情報へ
にほんブログ村