こんにちは。
記述式、地方自治法ともに手持ちが無くなったと言うことで、、、
どうしよう って思ったところで「憲法」ですね。
独学ですし、憲法学者でもないので難しいことは書けませんが、行政書士試験では常識的なところを書ければと思っています。
今日は初回と言うことで、以前、気分転換用に書いた「条文問題をやっていれば解ける問題」をやってみようと思います。
今日の過去問は、平成18年度問4の問題を○×式でやりたいと思います。
憲法上、天皇の国事行為として認められているもの、いないものです。
それでは、早速。
問題
衆議院の解散
正解は?
○
今日の問題は、問題文 としては凄く短いです。
憲法上、天皇の国事行為として認められているのかいないのか
って問題です。
ですので、認められている場合は○、認められていない場合は×です。
最初に衆議院と参議院について基本的なところから押さえていきましょう。
議員定数から。。。
公職選挙法
(議員の定数)
第四条 衆議院議員の定数は、四百六十五人とし、そのうち、二百八十九人を小選挙区選出議員、百七十六人を比例代表選出議員とする。
2 参議院議員の定数は二百四十八人とし、そのうち、百人を比例代表選出議員、百四十八人を選挙区選出議員とする。
3 地方公共団体の議会の議員の定数は、地方自治法の定めるところによる。
衆議院=465人(小選挙区289人+比例代表176人)
参議院=248人(比例代表100人+選挙区148人)
小選挙区制=1選挙区ごとに1名のみを選出する選挙制度
比例代表制=選挙において各政党が獲得した投票数に比例して議席を配分する制度
選挙区制=都道府県を一単位とする区画。
次に任期です。
衆議院議員の任期は、4年、参議院議員の任期は、6年。
衆議院は総選挙(全員改選)、参議院は総選挙(全員改選)ではなく、3年毎に半数を改選する通常選挙が行われます。
それと、参議院には任期途中での議会の解散はありません。
衆議院は任期途中で解散がありますので、実際の任期の差は大きいですね。
そのため、衆議院と参議院で同時に選挙が実施されても、参議院議員の半数が国会の議席に残っているという特徴があります。
衆議院にのみ認められるもの=内閣不信任決議や内閣信任決議。
参議院にのみ認められるもの=衆議院解散中における参議院の緊急集会。
衆議院の優越
法律案の再可決(憲法第五十九条)
予算の議決(憲法第六十条)=予算については衆議院に先議権が認められている(憲法第六十条)。
条約の承認(憲法第六十一条)
内閣総理大臣の指名(憲法第六十七条第2項)
まぁ、あれこれ書き出すと止まらないので、このくらいで問題に入ります。
ん、あれ 今まで書いてきたものは天皇の国事行為とは関係ないですね、「衆議院」って言葉に反応してしまいました。(笑)
これじゃ、一般知識等ですね、、、予備知識ってことで。。。
問題は、「衆議院の解散」ですね。
天皇の国事行為は、一号から十号まであります。
日本国憲法
第七条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
一、二 略。
三 衆議院を解散すること。
四~十 略。
問題の「衆議院の解散」は、三号です。
国事行為にはどういったものがあるのかってだけで、何号は何とかって覚える必要はないと思います。
条文がそのまま出て、穴埋めになっているってのは考えられそうですけど。。。
問題
国務大臣の任免
正解は?
×
国務大臣=内閣を構成する大臣。普通、内閣総理大臣以外の大臣をいう。
内閣法
第二条
1 略。
2 前項の国務大臣の数は、十四人以内とする。ただし、特別に必要がある場合においては、三人を限度にその数を増加し、十七人以内とすることができる。
大臣ってくらいですから、「総務大臣」とか呼ばれるんですが、大臣と付かない国務大臣もいるんですね。
それが、
内閣官房長官、国家公安委員会委員長です。
どんなポジションか気にしたことはなかったですが、国務大臣の一人と言うことだそうです。
それでは問題の、「国務大臣の任免」です。
天皇の国事行為は、一号から十号までありますが、その中には「国務大臣の任免」はありませんね。
似たようなものはあるんですが。。。
日本国憲法
第七条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
一~四 略。
五 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
六~十 略。
う~ん、これは
「及び」、「並びに」、「及び、及び」=認証すること。
先日やりましたね。(笑)
天皇の国事行為は、「国務大臣の任免」を認証することです。
任免=役目につけることとやめさせること。任命と免職(罷免)。
認証=その対象となった行為が正当な手続で行われたことを公に証明する行為。
それでは、問題の「国務大臣の任免」は
日本国憲法
第六十八条 内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。但し、その過半数は、国会議員の中から選ばれなければならない。
2 内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免することができる。
国務大臣を任命するのは、内閣総理大臣です。
最近、総理の任命責任ってよく聞きますよね。。。
つまり、良い人選じゃないんじゃないかと言うことですね、う~ん。。。
それと予備知識。。。
内閣法
第三条 各大臣は、別に法律の定めるところにより、主任の大臣として、行政事務を分担管理する。
2 前項の規定は、行政事務を分担管理しない大臣の存することを妨げるものではない。
2項の大臣のことを、「無任所大臣」と言います。
無任所大臣=国務大臣の中で、特定の行政事務を分担・管理しない大臣のこと
広義では各省大臣以外の大臣を指し、内閣官房長官、国家公安委員会委員長、内閣府特命担当大臣も含まれ、狭義ではこれらを除いた、どの行政機関にも管掌しない大臣を言います。
これは予備知識です。
問題
内閣総理大臣の指名
正解は?
×
内閣総理大臣、文字通り内閣の国務大臣のトップ(総理する人)ですね。
総理=統一管理すること。
つまり、行政権の属する内閣の首長たる国務大臣です。
日本国憲法
第六十五条 行政権は、内閣に属する。
第六十六条 内閣は、法律の定めるところにより、その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する。
2 内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。
3 内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。
文民=軍人でない者。職業軍人の経歴をもたない者。
問題は、「内閣総理大臣の指名」ですね。
天皇の国事行為の一号から十号までの中にはそれらしいものはありません。
んじゃ、だれが指名するんでしょうか
日本国憲法
第六十七条 内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。この指名は、他のすべての案件に先だつて、これを行ふ。
2 衆議院と参議院とが異なつた指名の議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は衆議院が指名の議決をした後、国会休会中の期間を除いて十日以内に、参議院が、指名の議決をしないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。
内閣総理大臣は、「国会議員の中」から「国会の議決」で、国会が指名します。
このポイントは、内閣総理大臣は、「国会議員の中」から選ばれると言うことです。
当たり前じゃんって思ってます
これ、先ほど見た国務大臣と比較してみて下さい。。。
国務大臣は、「その過半数は、国会議員の中から選ばれなければならない。」です。
つまり、国務大臣は、国会議員でなくても良い訳です。
記憶にあるところでは、「竹中平蔵」さんなんかはそうですね。
のちに国会議員に選出されているようですが。。。
それでは、この問題、天皇は何か関係があるんですかと言うことですが、、、
日本国憲法
第六条 天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。
2 天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。
1項で、「内閣総理大臣を任命」、2項で、「最高裁判所の長たる裁判官を任命」とあります。
ですので、
内閣総理大臣の指名→国会
内閣総理大臣の任命→天皇 と言うことですね。
それとこの規定は、国事行為とは別の規定ですので、「国事行為」ではないと言うことなんでしょうかね。
まぁ、時間があるときにでも調べてみようかとは思います。
問題
大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権の決定
正解は?
×
う~ん、こんなの天皇の国事行為の中にあったような。。。
ただ、問題としては、今まで見てきたように「任免」、「認証」とか、細かいところかも知れませんよね。
問題では、「免除及び復権の決定」とありますが
天皇がはたして「決定」するのかってことを考えればおのずと答えは出てきますよね。
まず、天皇が国事行為をするには、「内閣の助言と承認により、国民のために、国事に関する行為を行ふ。」と定めています。
あくまで内閣が主導です。
つまり、
日本国憲法
第七条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
一~五 略。
六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
七~十 略。
天皇が行うのは、「免除及び復権を認証すること。」です。
やはり、細かいところをついて来ますね。
それでは、誰が決定するのか
これは、「内閣の助言と承認により、」ですので、「内閣」が決定します。
日本国憲法
第七十三条 内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。
一~六 略。
七 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を決定すること。
ですので、
大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を決定→内閣
大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証→天皇 と言うことです。
問題
憲法改正、法律、政令及び条約の裁可
正解は?
×
裁可
裁可=裁決し、許可すること。特に、君主が臣下の奏上する案を自ら裁決し許可すること。
つまり、旧憲法下で、帝国議会の議決した法律案又は予算案を確定的に成立させる天皇の行為と言うことです。
現在の日本国憲法では使われていない、旧憲法で使われていた用語です。
ですので、旧憲法では天皇に「裁可権」が認められていたと言うことですね。。。
日本国憲法
第七条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
二~十 略。
天皇の国事行為として認められているのは、憲法改正、法律、政令及び条約の「公布」ですね。
公布=一般に広く知らせること。成立した法令・条約などの内容を広く一般国民に知らせるために公示すること。
久しぶりに色々と調べました、なかなか面白かったですね。
今日のところはここまでです。
最後まで有難うございました。
んでまずまた。
押してってけせ。。。
来たよって方はこちらをポチッと。