おばんです。
SEO対策って面白いですね。
ホームページ作成後、早速、検索を。。。
どんな検索用語を入れてもヒットしない。。。
何故?
まぁ、ホームページを作成しただけでは検索には引っ掛らないってことですね。
何でもそうですが、仕組みを知らないといけませんね。
何とか理解できたので少しでも上位表示を目指すことになります。
今日は、平成28年度問19の問題を○×式でやりましょう。
それでは早速。
問題
都市計画区域内において工業地域を指定する決定が告示されて生じる効果は、当該地域内の不特定多数の者に対する一般的抽象的な権利制限にすぎず、このような効果を生じるということだけから直ちに当該地域内の個人に対する具体的な権利侵害を伴う処分があったものとして、これに対する抗告訴訟の提起を認めることはできない。
正解は?
○
今日の問題はすべてが判例知識です。
過去にも問わてれいるものもあり、その重要性がみてとれます。
早速辞書から。
工業地域=主として工業の業務の利便の増進を図る地域で、どんな工場でも建てられます。住宅やお店は建てられますが、学校、病院、映画館、ホテルなどは建てられません。
昭和53(行ツ)62 盛岡広域都市計画用途地域指定無効確認 昭和57年4月22日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 仙台高等裁判所
判例では、工業地域の決定が、当該地域内の土地所有者等に建築基準法上新たな制約を課し、その限度で一定の法状態の変動を生ぜしめるものであることは否定できないけれども、当該地域内の不特定多数の者に対する一般的抽象的なそれにすぎず、このような効果を生ずるということだけから直ちに右地域内の個人に対する具体的な権利侵害を伴う処分があつたものとして、これに対する抗告訴訟を肯定することはできないとして処分性を否定しています。
問題
市町村の施行に係る土地区画整理事業計画の決定は、施行地区内の宅地所有者等の法的地位に変動をもたらすものであって、抗告訴訟の対象とするに足りる法的効果を有するものということができ、実効的な権利救済を図るという観点から見ても、これを対象とした抗告訴訟の提起を認めるのが合理的である。
正解は?
○
この問題の判例は全22ページにも渡ります。
平成17(行ヒ)397 行政処分取消請求事件 平成20年9月10日 最高裁判所大法廷 判決 破棄自判 東京高等裁判所
結論からすると、判例は、土地区画整理事業計画の決定は、行政事件訴訟法第三条2項の 「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」に当たると処分性を認めています。
5ページ目に記載があります。
市町村の施行に係る土地区画整理事業の事業計画の決定は、施行地区内の宅地所有者等の法的地位に変動をもたらすものであって、抗告訴訟の対象とするに足りる法的効果を有するものということができ、実効的な権利救済を図るという観点から見ても、これを対象とした抗告訴訟の提起を認めるのが合理的である。
問題
(旧)医療法の規定に基づく病院開設中止の勧告は、医療法上は当該勧告を受けた者が任意にこれに従うことを期待してされる行政指導として定められており、これに従わない場合でも、病院の開設後に、保険医療機関の指定を受けることができなくなる可能性が生じるにすぎないから、この勧告は、行政事件訴訟法3条2項にいう「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」に当たらない。
正解は?
×
この問題はちょっと複雑なんですね。
問題に書いてありますが、病院開設中止の勧告は、医療法上は行政指導です。
行政指導は処分には該当しないので、取消訴訟の対象ではありません。
ですが、勧告を受けた者が、これに従わなかった場合には、相当程度の確実さをもって、病院を開設しても保険医療機関の指定を受けることができなくなるという結果をもたらすことになります。
指定を受けられないとなると、その病院で保険の扱いが出来なくなりますね。
患者が全額負担となると負担が大きくなるため、その病院には行かないでしょうね。
そう予想すると病院の開設自体が難しくなります。
そのため、行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為にあたると処分性を認めております。
平成14(行ヒ)207 勧告取消等請求事件 平成17年7月15日 最高裁判所第二小法廷 判決 その他 名古屋高等裁判所 金沢支部
問題
建築基準法42条2項に基づく特定行政庁の告示により、同条1項の道路とみなされる道路(2項道路)の指定は、それが一括指定の方法でされた場合であっても、個別の土地についてその本来的な効果として具体的な私権制限を発生させるものであり、個人の権利義務に対して直接影響を与えるものということができる。
正解は?
○
ここで辞書です。
特定行政庁=建築主事が置かれている地方自治体の長。建築主事がいる行政機関のこと。
建築主事=建築基準法に基づいて建築計画の確認などを行うため、知事・市町村長が任命した者。
お住まいの市町村の建築課に建築主事がいればその市町村は特定行政庁で、建築主事がいなければ都道府県の関係事務所が特定行政庁になります。
ちなみに宮城県の場合、仙台市、塩釜市、石巻市、大崎市が特定行政庁で、そのほかの地域は、宮城県が特定行政庁です。
それと余談ですが、建築基準法では道路の定義を、第四十二条で幅員四メートル以上のものをいいます。
その第四十二条の2項に書かれているのが問題の2項道路です。
幅員四メートル未満の道路で、特定行政庁が指定したものを道路とみなすって規定です。
この2項道路の指定は、一括指定の場合でも、指定された部分に建物を建てられなくなるなど、土地の所有者の権利を制限することになるため、個人の権利義務に対して直接影響を与えるものとして処分性ありと判断しております。
平成10(行ヒ)49 道路判定処分無効確認請求事件 平成14年1月17日 最高裁判所第一小法廷 判決 破棄差戻 大阪高等裁判所
問題
保育所の廃止のみを内容とする条例は、他に行政庁の処分を待つことなく、その施行により各保育所廃止の効果を発生させ、当該保育所に現に入所中の児童およびその保護者という限られた特定の者らに対して、直接、当該保育所において保育を受けることを期待し得る法的地位を奪う結果を生じさせるものであるから、その制定行為は、行政庁の処分と実質的に同視し得るものということができる。
正解は?
○
この問題はよく見かけますので重要ですね。
保育所の廃止のみを内容とする条例ってことは、議会で制定される立法行為ですね。
一般的には、抗告訴訟の対象となる行政処分にはあたりません。
それに対して児童、保護者が文句を言えるのかってことが問題です。
この保育所の廃止のみを内容とする条例は、その保育所に通っている児童と保護者という特定の人の「その保育所に通う権利」を奪うものだから処分と同じであると裁判所は判断しております。
平成21(行ヒ)75 横浜市立保育園廃止処分取消請求事件 平成21年11月26日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
今日の判例は重要ですので、しっかりと理解した上で試験に臨みましょう。
今日のところはここまでです。
んでまずまた。