ボクシング・ファンは過去の偉大な選手を非常に大事にするので、セルダンの名前も没後半世紀を経て、今も銘記されています。その「左」は今も伝説となっています。
そして、ヌヴーのヴァイオリンもまた。ブラームスのコンチェルトを弾いた有名な演奏は、独奏ヴァイオリンが弾きはじめた瞬間から、「私は私である」と断言しているような、強烈な表現力を発揮します。最近発掘された演奏会のフィルムでは、指揮者を睨みつけるようにして弾いています。
やはり、音楽の世界の伝説です。
戦後フランスが得た、二人の偉大な才能が同じ飛行機に乗り、そして、若くして命を落とすことになったのでした。1949年10月27日。今から半世紀前のことでした。