久野久子について、その後も様々な議論があるようです。
参考のために情報を示しておきます。
まず所持金について。
久野久子は死んだとき2754円保持していました。
これは大正時代としては相当な金額です。
それから、バーデンで重傷を負い発見されたとき、
両足を固く結んであったことが知られています。
蛇足ながら、この問題について、現在の私の立場を。
久野久子氏の生涯は自殺という悲劇に終わりました。
しかし、西洋音楽がまだ普及せず、
女性の社会的地位も確立していなかった大正という時代に、
女性として・芸術家としてきわめて情熱的に誠実に生きた、
芸術家としての尊厳と成果もまた強調されなければならないと思います。