ヘッセとキャスリーン・フェリアー | 緑の錨

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歴史家の山本尚志のブログです。日本で活躍したピアニストのレオ・シロタ、レオニード・クロイツァー、日本の歴史的ピアニスト、太平洋戦争時代の日本のユダヤ人政策を扱っています。

4月22日はキャスリーン・フェリアーの誕生日です。

ヘルマン・ヘッセの音楽についての文章を集めた、『ヘルマン・ヘッセと音楽』というアンソロジーがあります(フォルカー・ミヒェルス編、中島悠爾訳、音楽之友社)。

その339頁から341頁に、フェリアーの歌うシューマン『女の愛と生涯』をラジオで聴いたヘッセの印象が感動的に記されています。

フェリアーにヘッセが魅了されたというのは、なにか理解できる気がします。

このレコード、私もとても好きでした。多くの歴史に残る録音があるキャスリーン・フェリアーですが、たぶん、その中でも一番好きなレコードであったように思います。

ただ、どういうわけかCDを持っていなくて、レコードの機械をセットするのもやや気が重く、結局、CDを新しく注文してしまいました。しばらく届くのに時間がかかるようです。

そんなわけで、今はイギリス民謡を歌うフェリアーを聴いています。こうした音楽の録音はずっと知らなかったのですが、暖かくて清楚で繊細で気品のある、フェリアーの特徴がよくあらわれているように思います。