第3回です。今回はアーティストを取り上げて語っていますが、分析、研究というよりはただの感想文みたいになってしまってます。
・目次
① はじめに/過去のランキングTOP50を振り返る(09~13年)
② 過去のランキングTOP50を振り返る(2014~18年)
③ 10年間のデータを「アーティスト」で見る *この記事
④ 10年間のデータを「作詞者」で見る
⑤ 10年間のデータを「作曲者」で見る
⑥(予定) 10年間のデータを「曲種」「タイアップ」で見る
⑦(予定) 10年間のデータを「BPM」で分析する/まとめ
ここまではそれぞれの年ごとに分けてランキングを見てきたが、ここからは1つずつのテーマを設定し10年間を通して推移や傾向を分析していく。
今回は「アーティスト」に注目をしていきたい。10年間を通して、登場頻度が高かったアーティストを11組ピックアップし、表にまとめた。

「延べ合計」とはそれぞれの年のランクイン楽曲数をそのまま足したもので、同一楽曲が複数年にランクインしている場合もそのまま加算する。
「登場年数」とは一曲でもランクインした年の数。
「曲数合計」とは、同一楽曲が複数年にランクインしている場合は1回のみ加算し、10年間すべての期間中にランクインした楽曲の数を表す。
ランクインした楽曲の順位などは一切考慮せずにその個数のみを表示しているが、「10年間それぞれの年にどういったアーティストの楽曲を多く聴いていたか」をシンプルに表している表だと言えるだろう。
ここからはこの11組のアーティストをそれぞれ取り上げて、表のデータを絡めながら解説をしていく。
・スフィア
延べ合計、曲数合計では圧倒的な数字となっている。特に2010年、2012年はランキングの4割近くをスフィアの楽曲が占めていてまさに独壇場であった。この2年はツアーを行っていた年でもあり、私もそれぞれの全公演に参加をしていたので長い期間、たくさんの曲を聴き続けたのだろう。
一方で、登場年数は7でこちらは1位ではなかった。2013年以降急激にランクイン数が減少し、2016年以降は1曲もランクインをしていない。時の流れと言ってしまえばそれまでだが、楽曲はリリースされるたびにしっかり聴いているし、ライブにも継続して参加している。こちら側から離れていっている部分だけでなく、楽曲のテイストが少しずつ私の好みと離れていっているということもあるのだろう。
ランクインした35曲の中で、もっともランクインした回数が多かったのは「かってな成長期」の6回であった。シングルのカップリングで比較的地味な立場の楽曲だが個人的には大好きな一曲である。いちおうタイアップもついている。
以前に比べればさまざまな意味で熱量は下がっているが、この10年間の自分の中で最も大きな存在であることはまちがいないし、楽曲をあまり聴かなくなった今でもその存在感は決してなくなっていない。奇しくも、この記事をアップするのがちょうど結成10週年を迎えた頃になった。今後の活動がどのようなものなのか、そしてそれをどのように追いかけるのか。距離が離れていっても、方向を違うことはないであろう2つの足取りがいつまでも続いてほしいものだ。
登場回数TOP3
① かってな成長期 6回
② Future Stream 4回
③ らくがきDictionary 4回
・Ray
延べ合計が2位、曲数合計でも3位タイになった。登場年数は7で、 スフィア とは逆に2012年以降の7年間連続でのランクインである。デビューした年から直近まで全ての年でランクインしていることは特筆すべきだろう。しかし本人の活動は2017年に終了しているので、今後新しい楽曲がリリースされることはない。記録を伸ばすには「告白」など、何年もランクインしている楽曲がいつまで聴き続けられるかにかかっている。
デビューシングルから I've sound プロデュースで、I'veが大好きだったがゲームソングはあまり聴かなくなりアニメソングを聴く率が上がっていた当時の自分の需要にピッタリとハマった。また「あの夏で待ってる」「凪のあすから」などタイアップ作品にも恵まれていた。2ndアルバムでI'veプロデュースから離れるが、そこでも大きく方向がブレることなく、2ndアルバム「Milky Ray」は超名盤であった。
しかし、その後は事務所の移籍、音楽性や活動の方向性のブレ、そして引退という残念すぎる流れになってしまった。
活動期間は短かったが、名盤、名曲を数多く遺していったという事実は永遠に消えない。
(その後のいろいろなことは今のところ静観するにとどめている。)
登場回数TOP3
① 告白 6回
② protostar ~あの日のワタシ~ 4回
② やわじゃないDID!! -Catch me! To LOVEる- 4回
・寿美菜子
スフィア を知り、好きになりはじめた頃しばらくの間は、まだ「推し」が決まっていなかった。しかしライブに参加するたびに、ソロコーナーで歌う「同い年」の彼女の姿が他の3人と比べてより「神々しい」ものに見えていった。紛れもなく「歌」が大きなきっかけで好きになった声優であり、アーティストだ。
登場年数の9という数字は Ray と同じくデビューから全ての年でランクインしていることを表す。2019年もすでに「save my world」という良曲を出しているので前人未到の10年連続ランクインはほぼ間違いないだろう。
スフィア が近年ランクインしなくなったのと何が違っているかというと、こちらは楽曲の方向性があとから自分の好きな方向に向いてきた、ということである。 スフィア のランクイン数が3にまで落ち込んだ2014年、 寿美菜子 は「echo hearts」「pretty fever」「ウレイボシ」「プリズム」というミドルテンポのダンスナンバー4曲でランクインした。ランクインの傾向が「アーティスト・コンテンツ重視」から「楽曲そのものの曲調重視」に大きく触れはじめたまさにその年に大好きな曲調の楽曲がどんどん増えていたのは奇跡的なタイミングとも言えるだろう。
「二度出逢った」といっても良いようなこの不思議で心地よい関係が、これからも長く続いていくことを願う。
登場回数TOP3
① ウレイボシ 4回
② echo hearts 3回
② Startline 3回
・KOTOKO
高校時代に聴きまくっていたアーティスト、ということで私の青春そのものと言い換えてしまっても良いのかもしれない。本当に良いのか。 I've sound というものの存在を知るきっかけになった伝道師であるし、そもそも初めて触れたオタクコンテンツが ハヤテのごとく! であったのでアニソンという世界そのものに触れるきっかけにもなったアーティストだ。
延べ合計が25で4位だが、初年の2009年のランクイン数が17で、10年間の曲数合計が21であるので、ほとんどその1年で稼いだ数字だけと言える。しかし「Leaf Ticket」「Wing my Way」 といった名曲はいまでもよく聴いているし、いつまでも色褪せることはないだろう。また、2018年に新曲「夏恋」で5年ぶりのランクインをしているという事実は画期的である。
登場回数TOP4
① Leaf ticket 2回
① Wing my Way 2回
① Fusion Star 2回
① ☆-未来-列車-☆ 2回
・戸松遥
寿美菜子 より、そして スフィア よりも先にアーティストデビューをしていたため、2009年から継続してランクインをつづけている。私にとってのアーティスト戸松遥のイメージは「定期的にいい曲を小出しにしてくる」といった感じか。巷で大いに話題になるような楽曲はあまり琴線に触れることはないのだがそうではないところでしっかりと私のストライクゾーンにも投げてくるのだ。その安定性が、延べ合計19に対して登場年数8という数字に現れているだろう。
登場回数TOP5
① シンデレラ☆シンフォニー 3回
② Circle 2回
② ♪Make Up Sweet Girl☆ 2回
② motto☆派手にね! 2回
② 星のステージ 2回
・μ's
2013年にいきなり6曲ランクインしてから徐々に数字を減らしながら2018年まで6年連続でランクインしている。2017年以降新曲のリリースはないが「Dancing stars on me!」という稀代の名曲があるため今後も連続ランクインは固いか。
初期の スフィア の楽曲を多く手がけていた 畑亜貴 が全楽曲の作詞を担当しており、 山口朗彦 、 黒須克彦 といった作曲家も多く関わっているコンテンツである。私自身、 スフィア の楽曲と入れ替わるようにして μ's や ラブライブ! 関連楽曲を聴く頻度が増えたというのは決して偶然ではないだろう。
登場回数TOP3
① Dancing stars on me! 5回
② Oh, Love&Peace! 2回
② ユメノトビラ 2回
・内田彩
μ's では 南ことり が一番好きだったのだが、その中の人がソロデビューして、そしてここまでたくさん聴くようなアーティストになるとは最初は予想もしていなかった。そもそもソロデビュー当初は「好きな声優だから楽曲も聴く」くらいのスタンスであった。しかし、コンセプトアルバム「Sweet Tears」で全てが変わった。寿美菜子 のときもそうだが「好きな声優のソロ活動」から「好きなアーティスト」への変化というのは突然、運命的に訪れるものだ。
2014年から2018年まで5年連続でランクイン中。音楽活動は引き続き精力的に行っているので、今後もランクインし続ける可能性も高いだろう。
登場回数TOP3
① Sweet Dreamer 3回
① Merry Go 3回
① 笑わないで 3回
・大橋彩香
こちらも 内田彩 と同じく2018年までの5年間連続でランクインしている。しかし延べ合計が12、曲数合計6であり、同じ曲が何度もランクインしている結果と言える。特に「明日の風よ」は単体で5年連続のランクイン。本人もライブで「これからも大切に歌っていきたい」と言っていたが私もこれからもずっと聴き続ける一曲だろう。
そのライブのクオリティも非常に高い。これからも注目してみておきたいアーティストだ。
登場回数TOP3
① 明日の風よ 5回
② おしえてブルースカイ 2回
② ユー&アイ 2回
・SILENT SIREN
楽曲探しの旅がオタクソングの範囲を大きく超えていた2015年に私に見つかる。ポップでキャッチーな楽曲、かわいい系のボーカル、シンプルな演奏。音源を聴くだけ状態であれば、普段よく聴いているような音楽と何ら変わらない世界がそこにはあったのだ。表を見る限りでは一瞬の勢いとその惰性でランクインしていただけにも見えるが、未だに聴き続けている曲も多いし本人たちの活動も続いているので今後も注目だ。
登場回数TOP2
① Milky☆Way 2回
① ユメオイ 2回
・Aqours
「μ's の後継」と一言で書いてしまうと様々な語弊はあるが、少なくともこの表を見たらそう表現したくなるような形でランクインをしている。私自身の熱量の推移も、「TVアニメが始まる少し前に興味を持ち始める→アニメ1期、その後あたりで最高潮を迎える→アニメ2期の後半になるとすこし冷め始めている」という形で μ's のときと全く同じ形を辿ってしまった。「待ってて愛のうた」という稀代の名曲を持っていることも同じである。今後の推移も似たような形になるのではないだろうか。
登場回数TOP2
① 待ってて愛のうた 3回
② 君の瞳を巡る冒険 2回
・喜多村英梨
上2組のアーティストや、イレギュラーの1曲を除いた μ's にも言えることだが、アーティストに対して熱を持ち続けるにあたって「3年の壁」というものは確かに存在するようである。
それは 喜多村英梨 に対しても当てはまる。延べ合計は10だが、2012~14年の3年間のみのランクインである。当時は東名阪のツアーを全通したりしていたほど高い熱量で追いかけていたものだ。「Be Starters!」「Miracle Gliders」といった名曲はその頃の記憶とともにいつまでも残り続ける。
登場回数TOP3
① →↑ 2回
① Be Starters! 2回
① Miracle Gliders 2回
・考察/今回のまとめ
「ランクインの頻度の高いアーティスト」として11組を取り上げたが、それでも終盤に挙げられたアーティストなどは数年間ランクインしただけに過ぎない。いかに同じアーティストが長く聴き続けられることというのがハードルの高いことであるのかということがわかる。
今回表を作り記事にするにあたって SILENT SIREN や 喜多村英梨 まで取り上げることにしたのは「3年の壁」というものの存在をわかりやすく示すためという目的もあった。この表に載っていないアーティストでも「3年の壁」に跳ね返されたり、今まさにそこにぶち当たっているアーティストが数多いのだ。その壁はすなわち単なる「ブーム」なのかそれ以上の存在になったのかを分ける壁であると言える。もちろん多少の差はあるだろうが、3年というのはひとつのわかりやすい基準になるだろう。今回取り上げていないアーティストの中でも、 飯田里穂 、 水瀬いのり 、TrySail 、 麻倉もも などと言った名前はここ数年のランキングで多く見るようになっている。これらがその壁を越えていくのか、またその壁を越えてランクインをつづけている 内田彩 、 大橋彩香 などはこれからもランクインし続けていくのかも興味深い。
スフィア 、 寿美菜子 、 戸松遥 、 Ray といった表の上位に挙がったアーティストに共通点を探してみると、大切な要素が2つあることがわかる。「質の高い楽曲を供給し続ける」ことと「長く聴き続けるような名曲を生み出す」ことである。
今回分析しているのはもちろん私一人にだけのデータであるが、これを他人に置き換えても、また範囲を一般全体にまで拡げたとしても上記の2つの要素が必要であるということは不変だろう。
もちろん、私たち聴く側の立場の人間がそのようなことを普段から意識する必要は全く無い。私たちはその時に聴きたい、良いと思う音楽を存分に楽しむことが一番大切だ。それをつづけている結果を時々こうして長いスパンで振り返って見ることが、素人のデータ遊びの楽しみかたである。
・目次
① はじめに/過去のランキングTOP50を振り返る(09~13年)
② 過去のランキングTOP50を振り返る(2014~18年)
③ 10年間のデータを「アーティスト」で見る *この記事
④ 10年間のデータを「作詞者」で見る
⑤ 10年間のデータを「作曲者」で見る
⑥(予定) 10年間のデータを「曲種」「タイアップ」で見る
⑦(予定) 10年間のデータを「BPM」で分析する/まとめ