第4回になりました。今回は作詞家の話ですので、いままでの記事に比べてもよりいっそう薄い内容かもしれません
・目次
① はじめに/過去のランキングTOP50を振り返る(09~13年)
② 過去のランキングTOP50を振り返る(2014~18年)
③ 10年間のデータを「アーティスト」で見る
④ 10年間のデータを「作詞者」で見る *この記事
⑤ 10年間のデータを「作曲者」で見る
⑥(予定) 10年間のデータを「曲種」「タイアップ」で見る
⑦(予定) 10年間のデータを「BPM」で分析する/まとめ
私はiTunesのすべての楽曲の「グループ」の欄に作詞者を記入している。そのため再生回数のデータにも残っているわけで、それを使わない手もないということで、今回は作詞者のデータを見て分析していく。
とはいっても、個人的に「好きな曲の歌詞を好きになる」ことはあっても「歌詞で曲を好きになる」ということはないので作詞者に対する注目度も作曲家に比べると低くはなってしまう。そして、データをしっかり見なくとも現時点で今回がある一人の「神」を崇め奉るだけの記事になることは目に見えているのだが…

「延べ合計」とはそれぞれの年のランクイン楽曲数をそのまま足したもので、同一楽曲が複数年にランクインしている場合もそのまま加算する。
「登場年数」とは一曲でもランクインした年の数。
「曲数合計」とは、同一楽曲が複数年にランクインしている場合は1回のみ加算し、10年間すべての期間中にランクインした楽曲の数を表す。
他の項目と比べても特にバラツキが多く、ピックアップの基準も難しかったが、今回は延べ合計10以上かつ登場年数が5以上とした。
まずはその5名の作詞者をそれぞれ取り上げて、表のデータを絡めながら解説をしていく。文末では、それぞれの作詞者の詞のなかで特に私が好きなワンフレーズを取り上げてみた。
・畑亜貴
延べ合計の曲数は117。つまり、10年間の全ランクイン楽曲の1割以上ということになる。 スフィア 、 ラブライブ! シリーズ。10年間これらのコンテンツが私の中心にあったのだからこの結果は当然かも知れない。
私自身が歌詞について深くかんがることがあまりない上に、あまりに仕事数が多すぎるし、その傾向も多岐にわたるので詞の特徴などを挙げて評することなど私には不可能だ。個人の好みで語るならば、以下に取り上げたような少しクサさを感じるくらいのイケメンなフレーズが好きだ。
ピックアップフレーズ
「出会うために飛べばいいさ 世界中へと翼ひるがえし」 Feathering me, Y/N? - スフィア
「涙は青春のダイヤモンド 君を飾る光」 Dancing stars on me! - μ's
「愛のうたの香りは 潮風より青くて もっと確かめたい香りさ」 待ってて愛のうた - Aqours
・KOTOKO
1位が異常すぎるので霞みがちだが延べ合計43もものすごい数字である。前回の記事ではアーティストとしても取り上げたが、作詞家としてのほうが全ての数字で大幅に上回っている。
電波的なラブソングも、厨ニ的な世界観も、底抜けにポジティブで前向きな歌詞もいける、これまた万能選手だ。特徴を上げるとすると、普通の日本人ならなかなか思いつかないようなトリッキーかつ難しすぎない絶妙な英語の歌詞を効果的に使用するパターンが多いことか(と言いつつ以下のピックアップは日本語のフレーズばかりだが)。
ピックアップフレーズ
「おせっかいな夏がくれたチャンス」 告白 - Ray
「涙の跡はきっと 誰かが旅をする 希望の道になるよ」 Wing my Way - KOTOKO
・こだまさおり
スフィア の楽曲の作詞を多く手がけたことで2010~13の4年連続などランクイン数は増えているが、それ以外にも多くのアーティストの詞を手がけている。等身大の女性の気持ちが見えるようなストレートで明快な歌詞が多いイメージだ。真っ直ぐな言葉が、シンプルなメロディーにスマートに乗っていて、ダイレクトに心に入ってくるような楽曲が多い。
ピックアップフレーズ
「ひとりじゃくじけてた そんな気がするよ こころから、ありがと」 キミが太陽 - スフィア
「未来へ 真っ直ぐにオモイを馳せるよ どんな夢もわたしを笑ったりしない」 My First Lesson - 三森すずこ
・古屋真
戸松遥 、 寿美菜子 、 LiSA などに多くの詞を提供している。爽やかで、どこかオシャレな空気の漂うフレーズが印象的で、個人的にも大好きな作詞者の一人。楽曲を聴きながらその光景が頭に浮かんできそうな詞も多く、芸術家肌の作詞家と言えるかもしれない。「コトバ・ラ・パティスリエ - 小林抹茶(大橋彩香)」は曲調と歌詞のギャップが最高に楽しくてオシャレな傑作だ。
ピックアップフレーズ
「太陽と飛行機のキスシーンにSay happy!」 WiLD CANDY - LiSA
「気ままに回る 好奇心のコンパス抱いて 明日は何処へ」 marble - 戸松遥
・大森祥子
けいおん! 関連楽曲や 喜多村英梨 の楽曲などでランクインしている。キャラソンに関してはそのキャラクターのパーソナリティを丁寧になぞった詞が印象的だ。また、「Be Starters!」の歌詞のワンフレーズには個人的に当時非常に感銘を受けたのでとても思い出深い(現実逃避の言い訳に利用しただけという説がある)。6年連続ランクイン後、2015年以降のランクインがないが、今後はどうなるか。
ピックアップフレーズ
「日々は小さな荘厳な冒険」 Humming Bird - 琴吹紬(寿美菜子)
「好きなこと 全力で追いかけようよ」 Be Starters! - 喜多村英梨
「闇夜さえステージにして 光放つ流星は 君と僕の明日への地図」 Miracle Gliders - 喜多村英梨
・(おまけ)田淵智也
ランクイン数自体は多くないので表では取り上げていないが、私が「一番好きな作詞者は?」と聞かれたら「田淵智也」と答えるかもしれない。
私自身が聴き手としても完全に「曲先行型」であるが故に歌詞の意味以上に「詞が心地よくメロディーラインに乗っているか」という部分を重要視する傾向がある。その点でいうと、作詞作曲を両方担当する利点も活かしている田淵智也は「歌詞の響きの心地よさ」ではトップクラスと言える。程よく厨二感が漂う言葉のチョイスもまた良き。
ピックアップフレーズ
「I like me は確定事項 でも I know me は言い切れない」 pretty fever - 寿美菜子
「夜の闇を目指し飛んでいく 淡い飛行機雲が 滲んで見えたのは 僕の視界だけかな」 僕は空を飛べない - 田所あずさ
・考察/今回のまとめ
ランクインする作詞家のばらつきは年々大きくなっている傾向があると言える。今回表に取り上げたのが5名だけだったことからも分かるとおりもともとばらつきは大きい項目であるので、今後はますますデータとして扱っていくことは困難になっていくだろう。ただし、ここまで圧倒的な実績を残しいまだ衰え知らずの 畑亜貴 の一強体制は揺らぐことはないだろう。長く聴き続けそうな名曲が多いのも強みだ。
取り上げた上位5名でも、近年はランクインがまばらなのが現状であるが、その一方でこれからその数を大きく伸ばしそうなのは SATSUKI-UPDATE と カナボシ☆ツクモ のナナシス楽曲の作詞を手がける2名だ。「ラブライブ=畑亜貴」と同様に完全に独占商法であるのでナナシスというコンテンツが良曲を生み出し続ける限りランクイン数も増え続けるだろう。そしてこの2名、「中の人」は同一人物であるという。データとしては2名を1つにまとめて考えるべきなのか、分けるべきなのか。
結局のところ、作詞者を見て楽曲を聴く、ということがないので「たまたま好きな楽曲に詞を提供している割合が高い作詞者」を取り上げたという事になってしまうだろう。「好きな歌詞」や「好きな作詞者」という考え自体はうっすらと存在はしているものの、それが再生回数ランキングに影響を及ぼすほどのものには全くなっていないのが現状である。
これまでほとんど深く考えることのなかった歌詞、作詞者について考え、まとめるのは大変だった。その上結局のところ10年間のランキングから得られた結果も「やっぱり畑亜貴はすごい」くらいのものでほぼなく、やはり「歌詞」についてはあまり重要でない、私が重要視していないということだろう。
ぜひ、歌詞についてもしっかり考えている方の傾向や、分析・考察を拝見したい。
・目次
① はじめに/過去のランキングTOP50を振り返る(09~13年)
② 過去のランキングTOP50を振り返る(2014~18年)
③ 10年間のデータを「アーティスト」で見る
④ 10年間のデータを「作詞者」で見る *この記事
⑤ 10年間のデータを「作曲者」で見る
⑥(予定) 10年間のデータを「曲種」「タイアップ」で見る
⑦(予定) 10年間のデータを「BPM」で分析する/まとめ