この春、桜をまったく見に行っていない私。上野公園とか綺麗らしいのに…

こんなお花のアーチが映画館前にありました。


お相撲さん達が楽しそうに記念撮影してた^_^



見ないでおこう、怖いから…と思っていた映画を、えいやっ!!と勢いで見てきてしまいました。

怖いからiMaxはやめて、TOHOシネマズのプレミアムシアターで鑑賞。もう充分でした、音も映像も。規格外の映画。





この予告編みておいて、映画をみにいくと、なんか印象が違う…

結構静かな映画で、ほぼ会話劇じゃん。という印象です。

前半ちょっとウトウトしちゃいました、3時間もあるからね。

でも本筋はちゃんと見られたとは思う…


15歳未満入場禁止のレーティングですが、

それって性的なシーンがあるからじゃないかな??

なんとゆーか気まずい感じのベッドシーンがあるんですよ。3回ほど出てきますがなんとも気持ち悪い撮り方です。それを狙っているとは思います。


インドではみんな激怒しているらしい。

TVgroove


公聴会で『この共産党員の女性となんでまた会っていたんですか?』と質問されて

『彼女はまだ私を愛していたから』だから呼び出されて会っちゃった。て言わざるを得ないんだが、これ以前の彼女なのね。現在の奥様がナナメ後ろから見てるっていうのに

皆さまの前で赤裸々にバラしちゃって、まるで

その時の行為そのものを皆んなに見られているような心持ちがする。というのをまんま映像で見せちゃうので"気まずい"ったら無いですww

それに対して現奥様は不快感を表しますが、しかし、この方、知的で凄い人なのね。この場面の態度も、他の場面の態度も、毅然としていてすごく良いです。

(しかしこのシーンを、このメンツ全員集めた会議室でリアルに撮っていたのかな?と考えるとなかなかシュールな画!!)


ストーリーそのものは、

カウントダウンがドキドキしすぎて、座席左右のカップホルダーをガッチリ両手で掴んで身構えてしまいましたが、

(爆破シーンがCG無しでほんとに火薬を使ったとか、意味わかんないスケールのデカさ)


実は反戦映画であり、


科学者は持ち上げられて爆弾を開発したが、使い方には口出しできない(あとは軍がやりますから、という扱い)


そして、罪の意識を感じています、と戦後にトルーマン大統領に会ったとき言ったところ嫌な顔をされて、

『日本人が、開発したきみを憎んでると思うかね?落とした人物(つまり大統領)を憎んでいると思うよ』(君なんて取るに足らない人物なのに何を気負っているんだね?と言いだけな表情で)のように言われたり、


オッペンハイマーは平和のために爆弾を開発した。原爆が抑止力になり、これを1回落とせば世界から戦争は無くなる、と思っていたけど現実は全く違ったり、


だからそれよりもっと破壊力がある水爆開発には反対したら、ソ連に協力をしている共産主義者かと思われ、赤狩りの対象と見られそうになる。


などなど、不遇な晩年が描かれます。


そして、

役作りで『アマデウス』のサリエリを参考にしたという、敵役・ロバート・ダウニー・Jrが演じる、ストローズ(ドイツ語読みではシュトラウス、らしい)が、悪い意味でメチャメチャ印象に残る。さすが助演賞を獲っただけのことはあります。

ほんとビジュアルまでもがサリエリを彷彿とさせる役でした。ちーさい男なの。アインシュタインとオッペンハイマーが湖畔で会話しているのをちょっと離れたところから見ていて、なぜ自分を悪く言っているに違いないと誤解したのかな?アインシュタインに憧れ過ぎてない? こんな不確かなエピソードから逆恨みするとかアホなのかしら?(男性が男性に向けるジェラシーって本当に怖い)

この人アイアンマンなんだけどね。ヒーローものも何年か前には演っていたのに。今ではもうお爺さんみたいなルックスで演じていました。


BBCがするどい取材をしています。

この動画では二人目の男性の意見、最後の女子高生の意見に私は注目しましたよ。



平和活動をしている女性ふたりが、『気分が悪くなったシーンがあった。』と言っているのはしごく当然だと私も思いました。


ただ、映画のなかで、当時の米国内世論でも、ドイツが降伏したんだから爆弾は使いどころがない。日本は敗戦が濃厚なので使う必要は無い。という考えがあり、多くの科学者は使用反対署名をしたエピソードがあったり、

戦争末期には連合国の間でも共産主義のソ連とイデオロギーが敵対していて、実際戦後は仮想敵がソ連になり冷戦状態になったことから、

ほんとの敵に対して使うのでなく使う必要の無い場面で使ってしまった、という議論も描かれてはいました。


こんな重大なことが、会議室で決められてしまうことや、

開けてしまった"パンドラの箱"は元には戻せないこと、

科学者は国家に利用されがちな恐ろしさを描いた映画かなと思います。


映画のなかのセクシーシーンは、オッペンハイマーの人間臭さを描いたシーンなのかなと思ったり。

元恋人になにかあったら現奥様の前でも深く悲しむような人なのに、大量殺戮兵器は作っちゃうんだ。という、人間の愚かさを、監督は描きたかったんじゃないかなーと思いました。


パンフレットには役者さんたちのインタビュー満載で、とても読み応えがあります。プロダクションノートも大量の文字数が嬉しいです。


メルカリで定価より高く売られている!1200円ぐらいなので映画館で買いましょう。