あれは確か春先のある日曜日。


家族5人でファーストフードでランチを食べていた時のこと。




後からお店に入ってきた一組の黒人のご夫婦。

日曜日の教会帰りなのか、お二人ともドレスアップしての登場。


ご主人は誠実そうなビジネスマン風。

奥様はマダァムという感じの女性でした。




その奥様の方がしきりとダンゴ達を相手に

手を振ったり笑顔で話しかけてくれたり・・・



まぁ、小さなそしてそっくりな坊主頭3人組ですから

割とどこへ行っても可愛がっていただけるのですが、

帰り際にわたし達のテーブルで立ち止まったご夫婦。


そして奥様が言った。 (あえて日本語会話にしちゃいますが・・・)


「とっても可愛いお子さん達。

あなた方は本当にラッキーね。

うらやましいわ!!」



と。



ここまでは余所でも良く言われることであり、

こちらとしても 「ありがとう」 の一言で済む会話なのですが、



その女性は違った。



なんと、更に近づいてきて



「私達は本当に子供が欲しくて欲しくて

何年間も努力しているけれど、授からないの・・・」




身の上話!?




確かに、子供は授かりモノというぐらいで

欲しい所に必ず授かる訳でもないし、その逆も然り。


そういう意味では確かに、自分達はラッキーだと常に思います。



しかし、



ファーストフード店で言われても、リアクションに困ります。。。



そして、



更に驚いた事には、



4つに折りたたんだ$20紙幣を一枚差し出してきたのです。



「私達は子供に恵まれないけれど、

どうかこのお金をお子さん達の為に使って!」




Σ(・ω・ノ)ノ! エエエエエ?




これは、かなり珍しいケースじゃないでしょうか。



日本でも一昔前なら近所のおじちゃんなんかが、

「ボク可愛いねぇ~、いくつだい?」なんてニコニコしながら

お小遣いをくれるような事があったかも知れませんが、



ここアメリカで遭遇したのは初めてでした。

しかも見知らぬ方から。



どうなんでしょうか?


宗教的なバックグラウンドが影響しているのでしょうか。


「寄付」という概念が小学生時代から植えつけられる国ですから

そういった行為も案外自然な事なのでしょうか。



それとも、「一家5人ファーストフードでランチ」の図が

もの悲しく映ったのでしょうか? (´゚艸゚)∴ブッ




もちろん、お気持ちだけ頂いて・・・ということで

お金の方は納めてもらいましたが、

わたしよりもいそべ氏の方が気分を害してましたね。




そもそも、日本人というのは


「善行を施す」


ことにはある程度の理解はあるものの、


遠き日のサムライ魂か、


「施しを受ける」


ということには、強い拒否感や屈辱感を覚えるのではないでしょうか。




だからなんなの?って感じではありますが(笑)、

こんな出来事もある意味、異文化体験なのかなぁ~なんて

思い出したので書いてみました。



良かれと思ってしたことが、相手にとってはとても不愉快であったり、


逆に、こちらが当たり前に拒否したことが


相手の善意を傷付けてしまったかもしれない。




人と人との関わりにおいて、思考回路や価値観を


押し付けたり強制することはできないから、


相手の気持ちは良く分かって有り難くも思うけれども


わたし達が「いわれの無いお金を受け取る」という行為を


受け容れることが出来なかった気持ちも


相手の方が分かってくれればいいなぁ、と思います。




ガッカリして肩を落とした奥様を、

横で黙って見守っていたご主人が

そっと労わる様にエスコートしながら店を出て行く

後姿を見た時、きっとこのご夫婦はこれからもずっと

互いに支えあって生きてゆくんだろうなぁと思いました。