子どもの頃、好きだった時間帯は夏の夕方。
昼間、外でどろんこになって遊び、夕方風が出てくるとベランダで夕涼みが出来た。
汗ばんだ体に心地よい風。
実際、若い頃の私は夏が好きだった。
夏が嫌いになったのは今から20年くらい前。
その頃から、ちょっと普通ではない焼けるような日差しを感じ、
夏はもう素敵な季節ではなくなった。
当然、大好きだった夏の夕方も消えてなくなった。
都会では、夕方になっても気温は下がらず、
下がるどころか、昼間温められた舗装路から暖かい空気が湧き上がってくる。
はっきりいって不快な時間。
浴衣を着て夕涼み
なあんて情景は、もう見られなくなってしまった。
一生?
でも、私はその大好きな夏の夕方を取り戻したのです!
今私が住む信州八ヶ岳の麓は、行ってみれば寒冷地。
冬は厳しい地方。
でも地球温暖化のせいで、冬の寒さは以前よりも和らぎ、
もちろん夏は暑くなっている。
標高が高いので、太陽の日差しはかなりきつい。
それでも、田舎なので日陰に入れば涼しいし、
吹く風はびっくりするほど冷たくて気持ちがいい。
最高に快適!
暑い日差しの中、畑仕事をしていても、時々顔に掛かる風があまりに冷たくて
エアコンの効いた家の中に1日居ては感じることの出来ない気持ちの良さを感じることができる。
そして念願の夏の夕方。
夕方になると風が出てきて、吹く風が涼しい。
今はベランダでビール片手に夕涼みができる。
昼間の日差しの厳しさも、朝晩が涼しければ耐えられる。
実際、朝起きて窓を開けた時は、高原の空気が流れ込んできて、今朝だって寒いくらいだ。
この地域でも最近エアコンを付ける人が増えていると聞く。
だんだんここももっと暑くなって、この自然の風を心地よく感じられなくなるのだろうか?
でも、道路とか、家の敷地とか、まだまだコンクリートで覆われている部分が少ないし、
林や森を通過してくる風だから心地良いのだ。
都会も緑化することで暑さを軽減できるというプランを時々耳にする。
人間が便利を追求して、やってきた現代に不都合があるのならば、
後退することで、もっといい環境を手にすることも出来るのかもしれない。