信州の村に移住して、今月で丸7年になる。
折に触れて私が田舎暮らしの素晴らしさ、愉しさを友人に伝え、
ともすれば、誰か都会時代の友人が引っ越してこないかなぁ?と期待したりしていた。
そして分かったことがいくつかある。
私が田舎に移住する話を喜んだり羨ましがったりする人は、決まって都会育ちの人だ。
田舎から都会に出て来て、今都会で暮らしている人の多くは、羨ましいとは思わない。
一部の人は、明らかに、田舎なんて…と思っている。
理解してもらえない。
一言に田舎と言ったって、色々あるだろう。
商店街がシャッター街になり、
過疎化していく田舎を知っている人には、そのイメージが強いに違いない。
私が今暮らしているところは、過疎化していない。
単に自然豊かな所。
交通機関的には非常に不便だけれど、
小さな村なので用事は近くで済むし、
ちょっと車を走らせれば、なんでも手に入るし、
おしゃれなレストランで食事をすることも出来る。
そんな場所だ。
自然が溢れていて、虫が多くて、風が気持ちの良い所。
私も都会生まれの、まあまあ都会育ち。
大人になってからはずーっと都会。
その殆どが、マンションのようなビルの中で、
自分の土地も庭も持ったことがなかった。
私のような(一応)都会育ちの人間にとって、この田舎への移住は意味があるのかもしれない。
この自然は、かけがえのない宝物なのだ。
人は育って来た環境で、それぞれの価値観を築き上げていく。
私の価値観は50前後で完成形を迎え、私はその価値観に沿った暮らしを今している。
ということで、とてもラッキーである。
もっと早く自分の生き方が決まる人の方がいいと思うけれど、
家族があったりすると、なかなか暮らしの形を決められないこともある。
いくつであったとしても、そこまでに着々と価値観を築き上げ、
色々な人や意見に左右されて、少しずつ訂正を加え、
完成形を迎えた時に、
余生は、その価値観に沿った暮らしが出来たら良いと思う。
それが私の場合、この信州の田舎暮らしだった。