今回もドラマの演出のお話

 

空気清浄機air dog がスポンサーについているドラマ枠がある。

金曜日の21時のTBS

私が最初に気づいたのは、昨年の夏「家族募集します」というドラマだった。

それ以降、ずーっとスポンサーになっているのではないかと予測される。

そして「この商品を、ドラマの中で使ってくれ」と、スポンサーから言われているのではないかと思われる。

 

最初に気づいた「家族募集します」では、単にあざとい使い方がされていた。

主演で、ルームシェアしている家主にあたる、仲野太賀演じる役が、

ドラマの中で(私が記憶しているのは、2回、他の人が1回)空気清浄機のスイッチを入れる。

その時のアングルもあざとい。

明らかに、商品のCMにしか見えないやり方で、ダサかった。

 

この冬は、「妻、小学生になる」だった。

こちらの使い方は素晴らしかった!

仕事に熱が入らないダメダメなオジサン、主演堤真一が、会社の会議中に、とうとう主張をするのか?!と思わせて、ダンっと立ち上がる。何か発言する!と思わせた次の瞬間、普通に歩いて行ってこの空気清浄機のスイッチを入れ、静かに着席し、当初よりも小さな存在になる。

演劇的に素晴らしい効果的なシーンで、商品はごく自然に使われ、きちんとその商品も映されていた。

 

この春は、「インビシブル」

こちらはコメディー的に使った。

主演、柴咲コウが滞在している部屋を(詳細忘れました)快適にするだかなんだかで、ちょっと模様替えをしたというような流れで、その部屋に入ってみると、その空気清浄機をなんと3台も稼働させていた。というふざけた構図。商品のCMとしてはバッチリだった。

 

今チェックしてみたのだけれど、

去年の秋は「最愛」をやっていた。

そのドラマでは、私は気づくことができなかった。

そして、今回は「石子と羽男」である。

 

スポンサーから色々な意味で要求が入ることがあるだろう。

それが良いかどうかはともかく、

当然、スポンサーの商品はドラマの中で使われている。

しかし、このair dogのようにあからさまに、ドラマの中で商品がUPで映るように使って欲しいという要求は、作品のイメージを壊すこともあるので、演出家が考慮すべきところ。

でも、所詮テレビドラマは、娯楽の一環であるのだから、芸術性を捨てない範囲で、つまり演出家のセンスで、楽しめたら素敵だと思う。