6年前、田舎への移住を考えていた頃、
田舎に行ってのんびり自由に暮らすようになったら、自分探しをしようと心に決めていた。
ふと、気づいたのだ。
若い頃の私は(つまり本当の私は)こんな性格ではなかった、と。
長く業界で仕事をするうちに、
そこで仕事や人間関係をうまくやっていくために、
随分と自分を変えて生きてきたように感じる。
仕事をしている以上は、その社会でうまくやっていかなければならないし、
社会生活を送る上でも、とにかく人間関係をスムースにしないと面倒なことになる。
つまり生きにくくなる。
だから、人は多かれ少なかれ、他人に合わせたり、自分の本質的なところを隠したりしている。
私は、自分の心に嘘はつかないし、表裏の極端に少ない人間だ。
と、思っているけれど、
人に合わせるのも得意である。
田舎に行って、それほど一生懸命稼がなくて良くなって、
そうしたら、好きな人とだけ付き合って、自分らしく生きていけるに違いないから、
(自分探し)昔の本当の自分を取り戻そうと試みた。
朝ヨガをやりながら、身体がリラックスしてくると、心もリラックスできる。
そんな時、本当の自分を見つめてみる。
心が緩んでくるので、自由に時間を飛び、人生を遡ることができる。
そして、
実は、結構落ち込んでしまったのだ。
本当の私は、「ネクラ」だった。
本当の私は、もっと「オクテ」だった。
本当の私は…。
あまりいいことが出てこない。
そして、考えることを止めた。
自分探しは、もうしなくてもいいのかも知れないと最近思っている。
そもそも、どれが、どのタイミングの自分が本当の自分なのか、もう全然分からない。
生まれた時が、本当の自分のような気がするけれど、
育ち、生きてきた流れの中で、積み重なっていったことを全て持ち合わせているのが、「自分」だ。
勝手に、私はこんなじゃなかったと思ってみただけで、
実は、今ここにいる私が唯一無二の、一番自分らしい「私」なのかも知れない