やっぱり脚本家、金子茂樹、サイコーです。今、楽しめるし感動できるドラマを書かせたらトップだと思います。今後も、絶対に金子茂樹作品は見逃しません!! 

 面白い脚本家も、時代からずれてくるのか、年をとって色々落ちてくるのか、偉くなって勝手に書くからつまらなくなるのか、色々な理由で、すごく優れた面白い作品を描き続けた脚本家もつまらなくなっていくことが多々ある。そんな中、今最も旬な脚本家だと思います。

 

 そんな金子茂樹作品、楽しみにしていたのに、キャストがあまり好きではない。それでも芝居が下手なわけではないから、よく練られたドラマに仕上がりました。

 

 仲野太賀は大好きです。初めて見た時から素敵な子だと思っていたけれど、今回の役が一番良かった。本当に良かった。あんな男の子に会ってみたい。

 

 他、あまり好きではない役者陣、菅田将暉、神木隆之介、有村架純、なんですけど、この3人にはすごい共通点がある。最近の役者志望の若い子たちに好きな役者を聞くとトップに出てくる3人なのです!!  演技派と呼ばれているのかな。以前は菅田将暉が男優のダントツトップだったんだけど、その後神木隆之介が並んだ。女優では(基本的に役者志望の女の子の意見です)有村架純がダントツトップです。そして何故か私はこういう若くて演技派と呼ばれる役者の多くを好きではない傾向がある。

 

 好きではないなりに、感想を書くと、有村架純は、これが彼女なのかもと思わせる、この役とのピッタリ感があった。もし彼女とかけ離れたキャラならば芝居が上手いということになる。この中浜里穂子というちょっと変な女を好演していた。

 菅田将暉は、このくらい何にもしないでくれるといい。

 マクベスの3人のバランスが非常に良い。ハルトと潤平2人だったらぶつかりそうだったところに、シュンタが入って、最高のバランスになった。役者としても神木隆之介が一歩ひいているところがあり(年下に見える)2人の間を取り持っている感じのバランスは悪くない。

 

 ドラマの中、感動して何度か泣きました。まず、あのサイコーのじゃんけん。言ってみれば中学生の男の子たちが毎日遊んでいるようにコントを考えている。その楽しそうなこと。そして何かを決める時のじゃんけんのテンションの高さ。ああいうふうに遊べばいいと思う。もしかしたら最近の男の子はああやって遊ぶ時期を経ないで大人になってしまうのではないかと感じた。私が若い頃は「女の友情は続かない」とよく言われていた。しかし、年取って今の現実は、明らかに「男の友情は続かない」になっていて、女性はそれなりに友達付き合いを続けている。いつからそうなったかは分からないが、以前の男の子たちはああやって下らないことに精一杯の仲間がいたから男の友情が続いたのではないかと余計なことを考えた。

 

 ドラマとしては、前回作と同じく、モラトリアム期の男の子を描いたドラマ。最近はモラトリアムが20代後半とか、もっと遅くにも来るらしい。しかし、その時期を悩みながら過ごして、彼らは大人になっていく。そこには笑いがあった方がいい。

 10年やって売れなければやめる。というのは、私が18歳で女優を始めた時決めたことと同じだったし、ライブをやって動員することの大変さはよく知っている。因みに私の劇団も10年やって解散した。何かをやり遂げるのに10年はやった方がいいと思うし、ダメならやめるという選択をいつも脇に持っていた方がいいと思っている。好きなことなら尚更、ダラダラと続けることはできる。そちらの方が簡単な場合さえあるのだから。

 

 最も良かったのは、もちろん! 芳根京子演じる奈津美が、お風呂から飛び出すシーンである。潤平がバイトの後に中浜家に来ると必ずお風呂場で足を洗うという習慣を少し前の回で出し、それを忘れた頃に、風呂場で足を洗わせて、濡れた奈津美が飛び出す。風呂場から濡れた人が飛び出すだけでも驚くのに、そこには愛する奈津美がいて、あの時の仲野太賀の表情もサイコーでした。

 

 番組を作る上で、どこまで構成がしっかり出来上がっているかは重要で、特に連続ドラマは、毎回毎回誰かの意見やアイデアでコロコロ変わっていくこともあるようなのだが、基本的には、ドラマは前半で伏線を張りまくり、(だから前半は面白くするのが簡単ではない)後半、観客が忘れた頃にそれを利用する。そうして欲しいのに、伏線張ったと思ったらすぐに使ってしまうつまらない作りのドラマにもよくお目にかかる。ただ、このドラマも、あの男3人のサイコーのじゃんけんが出てきたのは第5話だったのです。その後何度か出てきて、最後非常に重要なシーンを持たせたことから考えると、最初が少し遅い感じがする。

 

 番組は毎回、ハルトのアップでコントのタイトルが発せられ、コントの一部を見せ、番組の最後でそのコントのオチを見せる。第一話から最終回まで全てが繋がっている上に、毎回完結のようにしっかりとドラマを終わらせる。連続ドラマとして、素晴らしい!しか出てこない。

 他の優れたシナリオライターの皆さんにもこういったきちんとした構成のドラマを全話に渡って書いていただけるようにテレビ局側のスタッフさんには頑張って貰いたいものです。