東日本大震災以降よく耳にするようになった「風評被害」という言葉が、
どうも独り歩きしているようで、ニュースなどで聞くたびにモヤ~と厭な気分になる。
風評被害…根拠のない噂のために受ける被害。
今回の福島第一原発の処理水を海に放出するというニュースとともに
政府は、「風評被害対策をしっかりやる」としている。
なんかしっくりこない。
「風評」の意味は、世間であれこれ取り沙汰すること。
するんだ。
世間は必ず、あれこれ取り沙汰する。
当たり前なのだ。
それによって起こる被害。
あるでしょうね、あれこれ取り沙汰するのだから。
しかし、全てが風評被害ではない。
そして、問題は、風評被害ではなく、事実がきちんと知らされていないこと。だと思われる。
2年後の処理水放出によって、福島のお魚は買わないという人たちが多く出てくるとしよう。
その人たちの中には、ほんの微量の放射性物質でもそこに排出されるならそこのお魚をわざわざ買う必要はないだろうと考える人もいるだろう。
それは風評被害ではなく、本人の判断。
別に福島のお魚買わなくても、北海道や日本海や九州からおいしいお魚を取り寄せられる時代だもの。
福島だけではなく、原発があるところからは、必ず他所よりも高い放射能物質が発生している。
海にも流されている。
例えば、九州では現在原発が稼働しているので、休止しているところよりは放射能物質が発生しているだろうけれども、九州のお魚は買う。
この違いは、原発事故があったか、起きていないかの違いなのだろう。
どうも軽く「風評被害」という言葉が使われているような感じがしてならない。
しょっちゅう耳にする。
政府が言う「風評被害対策」ってなんだろう?って思ってしまう。
そんな言葉よりも
「科学的な根拠に基づく情報発信をしている」のならば、
「福島の海は、ー科学的根拠を並べてーこんなに安全ですから、安心してお魚食べてください」
といえば済むだけのことだと思うのだけど、
ここで「風評被害対策」ってわざわざ言う必要があるのだろうか?
これを聞くと、福島の食品を買わない人はみんなありもしないことに左右されている人みたいな気分にさせられる。
問題は、どんな科学的な根拠を並べようと、政府や行政が言うことをまっすぐに信じることが出来ないこと…かな。