田舎暮らしを考えた最初のきっかけは、30年前のニューヨーク生活だけれど、

それから歳を重ね、実際に田舎に来る原動力となったきっかけは、東日本大震災だった。

あの時、考えさせられた人は多いと思う。

そして今回のコロナ騒動で、また暮らし方を考え直す人がたくさん出てくるだろう。

 

私の田舎暮らしは丸4年になる。

この4年間、たびたび、田舎への移住は正解だったと思わされるが、

今回のコロナ騒動はその最たるものだ。

 

そもそも都会生まれの都会育ち、それに飽き足らずニューヨークまで行ってしまった私だから言える、

都会の良いところと悪いところ。

それに対して、今いる田舎の良いところと良いところ(悪いところが見当たらない)

考えている人には心からお勧めします、田舎暮らし。

若い頃都会に憧れ、都会を楽しみ、私は今歳を経て、田舎を愛しているのです。

だから、間違いなく、タイミングはあるのだと思います。

思った時が、実行へのスタートの時期です。

 

先日図書館で借りた一冊。

タイトルが、私とぴったりだったので借りてきて読み始めたところです。

 

私が田舎暮らしに求めていたひとつは、「丁寧に暮らすこと」

 

ある日、きちんと暮らしていないことに気付いてしまった。

人はまず最初に、暮らしがあるはずなのに、

それはそっちのけで、仕事とか、遊びとか、友人付き合いとか、仕事とか、SNSとか、人付き合いとか、仕事とか、趣味とか、そんなことで私の毎日の時間は埋め尽くされていた。

いやいや、その前にきちんと暮らさなければいけないと、遅ればせながら思ったのだ。

 

まずきちんと暮らしてこその、仕事とか遊びのはずだったのに、

いつの間にか逆転していた。

 

きちんと暮らすと言うことは、まず、衣食住の環境を整えること。

掃除、洗濯、台所仕事をきちんとすること。

田舎で畑を耕し、自分で作った野菜で料理をし、ゴミをなるだけ出さずに、できる限り肥料とか再利用する。

自然と共に生き、無駄をなくし、もったいない精神で生活していく。

旬のものを食べる。

洗濯だけではなく、できれば着るもの、身に付けるものも手作りしたい。

何事もやっつけ仕事にならないこと。

 

戦後、開発された電化製品は、そのほとんどが大変な家事仕事を楽にすることのために作られてきた。

今更、冷蔵庫や洗濯機のない生活に戻りたくはないけれど、

蛇口をひねれば、水どころかお湯が出るこの環境で私はもう十分。

これ以上の便利は求めないことにした。

 

子育てと仕事で忙しいお母さんたちにとっては無理なのだろうけれど、

クックパッドを眺めると、料理を楽にするための工夫ばかりが目に付く。

時短、時短、時短。

それを求めていくと、結果として、暮らしは忙しくなり、雑になる。

どんなに忙しいお母さんでも、もしも週に1日お休みがあるのならば、

時短しないで、丁寧に料理をすることが、暮らしを豊かにしてくれる。

 

何故なら、家事は(家事だけではなく、やらなければならないことの殆ど)ゆっくりやれば楽しめるが、

忙しなく片付けていると、決して楽しめないからだ。

楽しめなければ、体にも心にも良いわけがない。

そして余計な時間になってしまうのだ。

 

朝、起きて庭に出て、今日は何か収穫できるものはないかしら?と畑を一周する。

今は、イチゴが2、3個採れる。

形の悪いものをジャム用に冷凍庫へ移すと、口に入るのは1日1個。それでも私が育てた苺は美味い!

 

今は、若くて、忙しくて、余裕のない人たちは、

いつか自分に合った時の流れの中で、感じてゆくのだと思う。

それでいいのだと思う。

だって私がここに行き着く価値観を得るのに半世紀掛かったのだから。

 

ただ、コロナで感じた人は多いと思いますが、

田舎はいいです。農業もいいです。

なるだけ若い時に、それに気づき移住すれば、農業で生活していくことも可能です。

 

丁寧に暮らし、豊かな心と豊かな時間を大切に生きていきたいと思っているのです。