古くてごめんなさい。ロードショーとか新作とかに取り立てて興味がないもので…
2009年公開映画
監督 深川栄洋 脚本 古沢良太
出演 中村雅俊、原田美枝子、井上順、戸田恵子、イッセー尾形、綾戸智恵
良かったですよ。あんまりつまらない映画について書評を書くエネルギーはないので、
基本的には良かったという感想。
役者では、原田美枝子とイッセー尾形が素晴らしかった。
原田美枝子は、デビュー当時(「ああ、野麦峠」以来)からずーっと大好きな女優。
つまり一番大好きな60代の女優さんです。
綺麗だし、芝居が雰囲気でやっている割に、緻密。
今回も本当に細かい芝居をやっている割に、美しかったり可愛らしかったり、
彼女が出ている時は、ほぼ彼女を見ています。
イッセー尾形は、渋谷のジァンジァンで一人芝居をされていた頃に、
一度だけ見に行ったことがありますが、
映像の世界に来てからは、ちょっと芝居が濃い、うるさい。
でも、今回は素晴らしかった。
奥さんが病気になってからは、ハンサムにさえ見えました(笑)
それ以外のキャスティングはちょっと異色でした。
役者としてはそれほど好きではないのだけど、
それぞれ今回の役には合っていた感じがあります。
脚本も良かった。
脚本はセリフ勝負です。
いいセリフがいくつかあったし、
いい役者を生かしたり、役者がセリフを生かしたりしていた。
気になったのは、いくつかのカメラワーク。
なんでそっちからその角度で撮ってるの?っていうカット
まず、原田美枝子が石黒賢と初めてレストランでデートしたシーン。
原田の右下から彼女の顔を押さえているのだけど、全く意味不明。
「この角度面白くないですか?」「ああ、いいんじゃない?」的な
思いつきで使われたとしか思えないカット。
そこからパーンするならともかく、
実際右側には別の客の背中を舐めているので、右にパーンするのは不可能。
どちらにしてもパーンはなく、次のカットはなんとなんと、石黒賢なめの原田。
二人の会話だけのシーンなのに、原田を撮るカットが2つ続くのに、流れも美しさもない。
もう1つ引っかかったカットは、
家の前で石黒が原田にキスをしようとしたシーン。
左から少しロングめで撮っていたところから、急に右からのアップめになる。
これは、家の敷地内に隠れた中村雅俊目線とう意味を持ってしまうのに、
彼は実は藪の中に後ろ向きで隠れている。
つまり彼の目線ではないようなんです。
意味のないカット、または不用意に間違った意味を持たせてしまったカット。
もう1つは、戸田恵子と井上順の娘役金澤美穂のシーン。
とにかく気持ち悪かった。
金澤美穂を舐めて戸田恵子を移している時の、まず証明が変!
彼女の髪の毛のあたりも変。
このシーンは、2、3カット切り替えるのだけど、
細かいことは覚えていないのだけど、
とにかく金澤舐めのカットは全て変!でした。 気持ち悪かった。
なんで?のクエスチョンの連発。
カメラワークで何か変わったことをやってみようという思いつきの結果だとしか思えない疑問カットでした。
内容としては、最後に中村雅俊と原田美枝子の夫婦が元の鞘に戻るのだけど、
これは「ありえない!」と声に出してしまった。
女性から見たらありえないです!
が、「実話」とのコメントがあったので、仕方がないです。
「実話」と言われてしまうと、もう言い返せないですから。
感動という意味では、イッセー尾形の歌。良かったです。