雪も降っていることだし、映画の感想でも書いてみるかな。

 

「対岸の彼女」という映画を見た感想

 

何故だか今となっては思い出せないのだけれど、

回想で高校生になった時に、それは主演の夏川結衣の回想なのだと思って見続けた。

かなり長い間、高校生のアオイという人とうまく付き合えない子は、夏川結衣の若い頃なのだと信じて疑わなかった。

財前直美がアオイという名前の役だと分かってからも疑うことはなく、

なんでこんな紛らわしい名前なんだろうと疑問に思いながら…

実際、それが財前直美演じる葵だとはっきりわかった時には、あまりにびっくりして、

一緒に鑑賞していた人と見合ったほどだった。

 

多分、回想シーンに入り方が悪かったのだろう。

もうひとつは、高校生役の女優が夏川結衣と雰囲気を同じくしていたことだろう。

 

通常、回想に入る時、誰の回想かわかるような工夫をする。

また、見ている人に(必要ならば)早めに役名を記憶させる工夫をする。

それは脚本や演出によって行われるが、

それが不十分だったのだと思われる。

 

もしもその混乱をわざと狙って作ったのではないとすれば、

その点で大きな失敗をしている作品だ。

 

雰囲気はあるし、空気感もあるが、

実際のストーリーに疑問を残しすぎた。

 

もう1つの失敗は、

若い頃のその高校生二人(多部未華子と石田未来であっていますか?)の声がそっくりなのだ。

多部未華子はかなり個性的な声をしているので、誰かと混じることが少ないと思われるのに、

この二人は多分喋り方がそっくりなのだ。

だから、ロングで二人を撮って会話が挟まれているシーンで、

一体どちらが喋っているのか判別できない。

 

ラスト、この高校生2人と、夏川結衣、財前直美が座るシーンに至るのだが、

これも財前直美が主演ならば納得できるが、

そうでないならば、非常にバランスの悪い4人である。

それが狙いならば仕方ないのだけれど、その狙いが観客に正しく伝わらなければ混乱を来すだけである。

 

原作、角田光代だ。

是非、原作を読んでみたいと思っている次第である。