今回はいいドラマがいくつかあって、それなりに楽しめるドラマはいくつもあって、私は大忙しでした。
私が一回でもチェックしたドラマは下記19作品
【GIVER:Love or Not 2:主婦カツ!:結婚相手は抽選で:記憶:ドロ刑ー警視庁捜査三課:こんな未来は聞いてない!!:今日から俺は!!:大恋愛〜僕を忘れる君と:下町ロケット:あなたには渡さない:忘却のサチコ:SUITS:中学聖日記:獣になれない私たち:僕らは奇跡でできている:僕とシッポと神楽坂:黄昏流星群〜人生折り返し、恋をした:ゴーイングマイホーム】
STING'S アカデミー賞
作品賞 「大恋愛〜僕を忘れる君と」(ごめんなさい、超ラブストーリーと若年齢アルツハイマーとムロツヨシ。最初から決まっていた感が…)
主演女優賞 榮倉奈々(僕らは奇跡でできている) (次点:広瀬アリス)
主演男優賞 賀来賢人(今日から俺は!!)
助演女優賞 石野真子(ハラスメントゲーム) (次点:菊地凛子)
助演男優賞 太賀(今日から俺は!!) (次点:田中泯、富沢たけし、一ノ瀬ワタル)
脚本賞 橋部敦子(僕らは奇跡でできている)
ストーリー賞 ゴーイングマイホーム
音楽賞 黄昏流星群〜人生折り返し、恋をした (ごめんなさい、どの曲って言えません)
作品ごとに一言(敬称略)
[ハラスメントゲーム]
最近の唐沢寿明は、すっかり「一見平凡などこかからやってきた正義の味方」みたいになっていますね。合っていて、いい役で、はまり役だと思います。
最初は面白かったですが、後半の会社の合併問題あたりは、なんかしっくりと来なく、合併とか乗っ取りとかってこんな感じ?って(分からないけど)茶番劇とか土下座とかそういうこと?って。だから、秘書役の市川由衣が、最初からしっくりこなかったのか…って納得したりして。それ以外は面白かったです。
広瀬アリス、やはりいいですね。感情が前に出るし、出方がまっすぐだし、涙の流し方もパーフェクト(一回だけ流すべきじゃないところで流れちゃったけど、どこだか言えない)
今回ずば抜けて良かったのは、石野真子。若い頃は芝居下手で、今は下手じゃないけど演技派でもない。でも凄く魅力的。人間らしさが前面に出てくる。もっともっとお母さん役で登場してください。
[主婦カツ!]
どうしてスーパーマーケットを舞台にしたドラマがふたつ?とか、鈴木保奈美が、[SUITS]では、メチャ綺麗だけど、こっちはただの主婦の顔してるわとか、楽しみました。楽しめました。けど、キャリアウーマンになっていくのはちょっと無理もあってついていけなかったな。
[結婚相手は抽選で]
最初つまらない~と思いながら見てたら、途中ちょっと面白かった。野村周平演じる潔癖症が難しいとは思うけれどどうしても作られている感が強く受け入れるのに時間がかかる。高梨臨は好きではないけどパキパキ男に言う役は合ってると思う。若村麻由美は綺麗でした。
[僕とシッポと神楽坂]
癒し系の男がやはり流行っているのでしょうか。相葉雅紀に合わせたようなぴったりの役どころでした。しかし、犬猫使うのはずるいです。たいして面白くなかったけど最後まで見ました。犬猫と相葉雅紀の醸し出す雰囲気(イッセー尾形もいい空気感)のみのドラマでした。気に入らないのは、動物病院がすぐ手術をすること。こんな病院絶対に連れて行かない。←つまり高円寺先生のキャラに合わない。最後、相思相愛だったトキワさんが記憶も残らない夫の元へ行ってしまうこと。そもそも夫の子供を育てている時点で変だし、その割には親子関係が喧嘩し過ぎだし(仲がいいという意味)芸者三人のシーンもアイデアはいいけど、結局どれもこれも可もなく不可もなく
[僕らは奇跡でできている]
また癒し系男子の話。1話見て、こんな話どうやってドラマにするんだろう?って感じた。なんかヌルくて、つかみどころのないこのテーマで、しっかりドラマにしたのは、ひとえに、橋部敦子さんの力です。素晴らしかったです。記憶に残るセリフが多々あり、シナリオライターとしてもっとも重要な部分をしっかり書く人。実際、橋部敦子脚本だったから迷わず最後まで見たんですけどね。
脚本がいいので、それぞれの役者もそれなりに皆良かったですが、主演の高橋一生は、どうしてもこう言う役なので作っている感が否めない。良かったのは榮倉奈々。前からうまい役者だとおもっているけど、彼女の上手さは目立たない。今回は、相河の言動に翻弄される彼女のリアクションがとても素晴らしかった。微妙な役作りや微妙な表情、リアクションを巧みに演じる素敵な女優です。
[獣になれない私たち]
このドラマもよくもこんなテーマで作ったなぁと。こちらは出演者の魅力だけで押したドラマですね。脚本の野木亜希子は、すべて無難にまとめていたけど、取り立てて記憶に残るシーンはひとつもない。それぞれの役者をバランスよく引き立てることとか、局の意向に沿った台本を書いたと言う感じ。
役者は、役者という見方ではなく、それぞれの人間性の魅力で引っ張っていました。新垣結衣、可愛い子だったけど、大人になり、芝居も地味だけどしっかり出来る人で、今後どうなっていくんだろう? 今回のドラマを見ていて、知らないけど、新垣結衣ってこんな子なんだ。って思わせるところがあって、彼女のすごいところだと思います。
松田龍平、田中圭、黒木華、松尾貴史、菊池凛子、それぞれの個性が魅力的でした。でも、こんなドラマ作ってどうするんだろう? って感じ。やっぱり今の若い子たちはこういう人物に共感するのでしょうか?だから作ったんでしょうね、このドラマ
[大恋愛~僕を忘れる君と]
ムロツヨシが、シリアスドラマで主演!! もうこのことだけでこのドラマは凄いです。2005年に私も若年性アルツハイマーの芝居を打ったのですが、若年性アルツハイマーについての記述としては、それから10年以上経ってもあまり新しいことがないことにびっくりしました。当時は、日本人が書いた資料はほとんどなかったのだけど。戸田恵梨香は、とても可愛らしく、ムロツヨシはとても優しい男で、素敵な夫婦像でした。前半は、大恋愛というタイトルそのまま(いつも書いていますが私はラブストーリーが大好きなのです)泣けて泣けて幸せなドラマでしたが、後半ちょっと引っかかる部分が…
尚の元婚約者と尚の母親が結婚するという流れ…必要なのかなぁ? 私はやっぱりちょっと気持ち悪い。この二人の役者はとても大人でナイスで格好良く演じていましたが。
小池徹平演じる松尾の意地悪ぶり。最初に事件が起こり始めた頃はどうなるんだろう?ってドキドキ展開は良かったけど、終結の仕方を見ると、必要だったの?って。
自分が忘れていく姿を見せたくなくて、遠い地に行方不明になるというのは、若年性アルツハイマーの人としてどうなんだろう?家族と離れたいと思うかなぁ?もしそう思う人は自殺してしまうのではないかなぁ?家族のそば以上に安心できる場所はないから、あれほど不安な状況に追い詰められた人が…果たして。
ラブストーリー好きの私としては、単に若年性アルツハイマーの進行のなかでの夫婦愛をもっと描いて欲しかった。
そもそも若年性アルツハイマーの人が、新しい恋をして、新しいアパートに住み、次にマンションに引っ越し、家を建てる。その環境の変化は非常に危険だと思うし、新しいことから忘れていく病気なので、結婚して数年の旦那よりも母親を思い出す確率の方が高い。新しい家に移るのはトラブルの元。ドラマだからいいか…って言ってしまえばどれもありですが。
このシリアスラブストーリーの主演にムロツヨシをキャスティングしたことが素晴らしいです。思えば、あの「高嶺の花」というドラマも、石原さとみの相手役、主演男優はムロツヨシなら、良かったのかも。
[SUITS]
可もなく不可もなく、それなりに楽しめる月9らしいドラマでした。だから書くこと何もないです。
東京ラブストーリーの織田裕二と鈴木保奈美が向き合うたびにちょっと考えさせられたり、新木優子と中村アンが綺麗だなって楽しんだり、主演の中島裕翔は素敵な子でした。そうそう小手伸也、この人、私無理です。彼がやっていることは役者の仕事(役を演じる)じゃないですよね。この人役者じゃないでしょう?できれば見たくないです。
[黄昏流星群 人生折り返し、恋をした]
言ってみれば、初めて不倫の方を成立させてしまったドラマと言っていいのかもしれませんが、その成立のさせ方は、3人家族みんなバラバラに不倫?みたいな常識では考えられない形でして、「恋」をしたというちょっとロマンチックな表現とは、実態はかけ離れていて、でも役者も設定(家の作りとか)もセンスがあるので、ドロドロしている感じを見せなかった。このドラマを見て不倫について随分考えさせられました。
佐々木蔵之介と黒木瞳は、同年代で女が未婚だからなんか普通に見える。石川恋と高田純次は、年の差が大きすぎるのでちょっと厭な感じ。中山美穂と藤井流星は、年の差が逆なので気持ち悪い。とか、今回は別のドラマでLGBTを扱っていたりしたので、いろいろな形の恋愛について自分が率直にどんな感想を持つのかを確認しながら見ていました。慣れもあるのでしょうが、私の中でこれはOKとかこれはNGとか自分で再確認してみた。でも、ドラマの場合は脚本や役者の力でそれなりによく見せてしまうこともあるのでよくわからないですが。
振り返ってみると、どこもかしこもお金持ちで、素敵な家に住んでいて、その点で何の問題もないからこのドラマは成立したのかもしれないですね。
何処が良いの?って思っていた佐々木蔵之介のいい面が初めて見えて、黒木瞳が相変わらず可愛らしくて、この二人の苦しみながらの恋をもう少し見たかったです。佐々木蔵之介は、不倫(恋)している夫が、別に嫌いになったわけでもない妻の待つ家に帰った時の居方がとてもいいですね。こんな感じの優しさありかな?って思える。
[下町ロケット]どうして今回はこんなにもつまらなかったのだろう? 同じことの繰り返しだから? とりあえずイモトアヤコ、そんな頭の良い技術畑の人にみえません。それに魅力がない。他のいい役者さんを当てて欲しかった。これは重要なことだったと思います。途中この役がいなくなるのだけど、彼女がいなくなった喪失感が感じられなかったもの。
[中学聖日記]原作ものだし、脚本金子ありさだし、仕方ないのかもしれないけど、引っかかることの多いドラマでした。
中学三年の男子が、新人の女性教師に憧れ、恋をするのは分かりますが、次に再会した時18歳と28歳。この二人の気持ちが変わっていないことは考えにくい。純愛を描いた漫画だからそれはある種テーマだから仕方ないのだけど、気になるのは、この28歳の10歳も年上の女性が、強烈なぶりっ子だということです。根本的に男子はみーんなぶりっ子な女が好き。ということなのかもしれないけど、10歳年上の女性を好きになる時、そういうタイプの人を好きになるものなのでしょうか? そして、中学高校の男子が女性を好きになる場合、性的欲求が強くて、それはもう純愛を簡単に通り越してしまうと思うのですが…
最近、かなり年上の女性との恋愛、流行っているのでしょうか?これだけ描かれるのだから流行っているのでしょうね。(黄昏流星群や大恋愛) でも超ぶりっ子の末永聖と結婚しようと思っていた30歳くらいのエリートが、40歳くらいの気の強いバイセクシュアルの自由奔放な女に、タイプが違うから惚れるのはわからないこともないけど、結婚しようと思うかしら?
そもそも、黒岩晶が18歳になった、つまり最初のドラマから3年後に、この原口律という女性は登場する必要ないですよね。連絡も取っていない元婚約者の会社の上司であり恋人?は、普通、聖の友達になったり助けたり関係をもったりしないですよね、大人の女性ですし。なんか3年経っても狭い世界で同じことを繰り返している感じになってしまいました。
そしてラストに至るわけですが、ま、これはいいか、純愛ラブストーリーなのだから。ただ、そこに感動がないのは、私が若くないからですか? タイに行くまでの末永聖という女性は、単にバカな子にしか見えなかったです。それともいい子でバカだからモテるのかな? 黒岩晶に手を引っ張られて電車に乗ってしまったり、フェリーに乗ってしまったりは、好きだったからで済ませられるけど、地図が読めなかったり、バンガローに行くのに道に迷ったり、雨なのに歩いたり、ついでに足くじいて、携帯壊して、もうバカとしか言いようがないです。その日晶が発見してくれて二人で小屋に滞在したときに、とうとう聖は告白するのだけど「黒岩くんが好き」のあのまるで子どもが告白するような音、しょっと無理です。それにもかかわらず、すぐに晶に対して先生風吹かせた喋り方になる。言葉ではなく、音がそうなので、有村架純の演じ方なのかと思われます。黒岩晶を演じた岡田健史、中学生はちょっと無理あったけど、これは仕方がない。魅力的な男の子でした。
[LOVE or NOT2]出演者6人が、地味だけどそれぞれ魅力的で、単純なラブストーリーで楽しめました。
[忘却のサチコ]
楽しめました。高畑充希は、初めて民放のドラマで見た時に、達者な役者さんだけど個性がなくて印象に残りにくいと思っていたけど、アレよあれよというまにNHKの朝ドラに出て主演女優になりました。今回も上手でした。食べ方も綺麗だった。正面から見る限りにおいて口は小さいのにとても綺麗に食べていた。食べているシーンの後ろのNAの読みが素晴らしかった。あまりにも極端なキャラクター作りは、このところ彼女に多く、どうなのかなぁ?とはおもうけれど、まもなく違和感はなくなっていくので、やはりうまいのだと思います。
[ゴーイングマイホーム]
映像が綺麗でした。基本ドラマの最初に移るマンションのベランダからの雰囲気がとても好きでした。山口智子の作る料理も美しく、現実感はあるんだけど、センスがあって、美しい。ただ、長野の田舎が、架空の地名で寂れていく村なんだけど、時として八ヶ岳周辺の映像を使っていて、うーんって(私が住んでいる八ヶ岳周辺は移住大人気地なのでです。ドラマには全然関係ないです)YOUも良かったし、阿部寛も、子どもも良かったなぁ。無駄に長回しして、ちょっと映画見ている雰囲気にさせてくれるところも好きでした。
[今日から俺は!]
私にとって今回の穴馬。1980年代の突っ張りドラマということで、見たくない~!好みじゃない。でも主演が賀来賢人だから、とりあえず1話だけみることにする。ドラマ始まる前にキャスト見てびっくり。伊藤健太郎?! とっても好き。太賀! は見たい。その後、ちょっと待って、ムロツヨシ、見なくちゃ。結局嫌いなタイプのドラマを最後まで楽しく見ました。なんか役者が好き放題になる時があって、明らかにアドリブ。特に佐藤二朗とムロツヨシが止まらなくなる。周囲の女優が笑いを堪えている。こういった状況はドラマを好きになっていないと引く、と言う最悪の状態に入ります。が、私の場合は気に入っていたので微笑ましく見ていました。賀来賢人は、とてもうまい役者だけど、中途半端に顔が良いので、今後どうなるだろう?って心配していた(←余計なお世話でした)とても達者ですが、今回は太賀にちょっと食われたところも…。太賀は後半にいくに従って役になりきっていきましたね。時として成立させるのが難しい状況を完璧に成立させていた。必要以上の熱さとかバカさ加減とか煩さとか。とにかく素晴らしかった。吉田鋼太郎がそのテンションや遊び具合で目立たなくなるほど、ムロツヨシ、佐藤二朗、半端ないです。
1980年代の突っ張り。私はしっかりイメージできるけど、はっきりいって嫌い。でも、なんかバカな男たちの可愛い面が初めて見えたんです。好きな女には、デレデレ、でも男の(つまらない)プライドは守るって分かりやすく描かれていた。男って単純です。でもそれを魅力的に見せたのは素晴らしいです。
最初のタイトルバック、主題歌の「男の勲章」をライブで歌っているんだけど、なんかこれを見ているとウキウキする。通常こう言うところは一回見て飛ばし見する私ですので、これを毎回ウキウキみちゃったことは、実は大変なことなのです。
[記憶]韓国作品のリメイクにしては、気になるところ少なく、楽しめるドラマでした。後半、片桐直人の交通事故を隠すための殺人とかちょっとドラマ過ぎたけど。落井実結子(子役)が可愛らしかった。
ここで気になったことをひとつ。日本語には、自分を示す言葉がたくさんあるように相手を示す言葉もたくさんある。英語だと「YOU」しかないのに。だから脚本を書くときは、どう呼ぶかは重要だ。例えば、男性が自分のことを、俺と呼ぶのか、僕と呼ぶのか、私と呼ぶのかによってキャラクターは変わってくるし、当然状況によっても呼び方は変わる。
これは絶対にないだろうと思われたのは、本庄遥香(優香)が旦那の友人、沢(モロ師岡)に会いに行ったシーンで、彼女は、夫のことを「主人」と2度呼んでいる。そもそも私は妻が夫のことを「主人」と呼ぶことには抵抗があるが、弁護士という過程で専業主婦なら、世間的にそう呼ぶことも、ある種キャラクター設定においていいと思う。しかし、夫の友人に対して、あの状況で「主人」とは呼ばないだろうな。
今回は、「僕とシッポと神楽坂」の広末涼子のセリフにも同じことがあった。最後に夫が見つかって、恋心を持っていた男に対して「主人が見つかった」と「主人」と言うだろうか? 嫌味ならわかるけど。
この国は、いつまで夫のことを「主人」とまるで召使いのように呼ぶ女性が描かれるのだろうか?
ちなみに、先日、一般人のインタビューで女性が「主人」を使ったら、NHKは字幕スーパーを「夫」としていましたね。
今回は、一般的ではない年の差カップルはうまくいきましたが、年代の近い男女は、男が草食系で恋愛になっていかない。という傾向が見られました。ラブストーリー好きの私としては、そんなに凝って変わった組み合わせとか、変わった設定とか作ってくれなくてもいいのにな。たった10回くらいの連続ドラマなのに、前半は良かったけど…とか、途中から面白くなった…とかが多く感じられるのは、ちょっと残念です。