初めて日本水泳選手権というのをテレビで見た。
今回の選手権は、リオ五輪出場権が掛かっている大会。

それぞれの競技種目に、
派遣標準記録が設定されていて、
その記録を超えて、且つ、2位以内に入ることが
オリンピック出場条件。
非情にわかり易い。

今回の大会で出場権を得られなかった北島康介選手は、
準決勝で、その派遣記録を超えていたのに
決勝で、2位に入ったにも関わらず、派遣記録を越えなかった。

例外のない世界。
だから、誰も文句が言えず、すっきりとしている。
そもそもタイムで争うようなスポーツはこれでいいのだと感じさせられる。

レースを見ていて、いくつかの種目に関しては、
経験のためにもオリンピックに行かせてあげればいいのに……と感じるものがあった。
例えば、選手が中学生や高校生と若く、
この競技大会でも、泳ぐたびに自己記録を更新し、
あと少しで派遣記録に届くような選手。
オリンピックまでまだ時間があるので、
それまでにぐんぐん伸びる可能性がある選手。
実際、水泳とは、若い選手の場合、そうやってメダルを獲得してしまう選手がいる競技だから。

でも、例外はない。
だから、不満も出ない。
3位に入って派遣標準記録を超えていて、且つ、優勝候補だった選手は、
おしなべて、悔しそうな顔で表彰式に上がることになるが、
誰も文句は言えない。
そういうルールで、例外がないからだ。

他のスポーツも学んだ方が良いと思う。

特にマラソン……?

マラソンの代表選手は、3名と決まっているのに、
その代表選考レースが4つある。
それだけでおかしい。

基本的には、それぞれのレースに
超えて欲しいタイムと、日本人トップという条件があるのだけれど、
超えることが出来なくても行けることもある。
日本人2位でも行けることもある。
あくまでも4つのレースを見て押しなべて決めるからだ。
だが、誰が決めるか?
そもそも別のレースなのだから、タイムの比較は出来ない。
順位だって、一緒に走っている選手が違うのだから比較できない。
比較できないものを並べて、
なんとなく上位の選手を日本陸連が選ぶ。
そしてこれまで何度も、気持ち悪い選考結果があったのだ。
そうなると落ちた選手は、悔しい表情を見せるだけでは済まないだろう。

今回から柔道は、その選考の様子を公開するという方法に出た。
とても良いと思う。
柔道は、タイムで争う競技ではないので、
ひとつの大会の優勝者を行かせる。
という風にルールを決めることが出来ないのだろう。

どの選手も4年に一回のオリンピックに出場するために
4年間を費やしてきている。
オリンピックに行ける人も、
行けなかった人も
納得できる形で先行してあげたら、
とても素敵だと思う。