バドミントン界に衝撃が走った。
違法賭博事件。

そこには、今度のリオデジャネイロオリンピックで、
金メダルを狙える選手がいた。

バドミントン男子で初めてのメダルを期待されていた選手。
その選手の事件に、
記者会見の席で、スタッフも号泣した。
期待していたのに……残念で仕方がないのだろう。

その後、当人も記者会見をした。
彼が尊敬していた先輩選手に誘われて賭博を始めた。
その先輩は、記者会見で、反省の弁を述べ、
なんとか彼がバドミントンを続けられるように懇願した。

当人も反省の弁を述べた。

その記者会見を見る限り、
純粋なとても心の綺麗な若者に感じられた。

さて、
スポーツ界は、上下関係の厳しい世界だ。
先輩後輩の関係が、今も色濃く残っている。
尊敬する(尊敬しなくても)先輩選手から、賭博を誘われた。
一緒に行かないかと誘われたのだ。
それを断れる若者が一体どのくらいいるのだろうか?
8割は断れないと、私は思う。

だから仕方がないと言っているわけではない。

まず、日本人は「NO」と言えない国民と、
これは昔からずーっと言われてきたことだ。
未だに変わっていないのではないかと、
やはりスポーツ界のような体質の世界では余計に感じる。

私は、少し古い体質の残るスポーツ界は、
どちらかというと好きだ。
分かりやすいし、
西洋の一部いいとこどりで、根拠なく変わってきたこの国の体質よりも。

しかし、スポーツだけやってきた純粋な若者に
社会性のないことが問題なのだと思う。

スポーツは、若い時から始めていることが
世界で戦うためには重要だ。
結果として、才能のある選手は、
小学校から中学生高校生大人になるまで
そのスポーツばかりをやってきている傾向がある。
下手すれば学校の勉強もおろそかになり、
大人になってもスポーツ界以外の、社会勉強をしていないのではないだろうか?
その彼らに、急にお金が入り始める。
お金の使い方もよく分からない。
または、スポーツ以外やっていないので、
貰ったお金を使う当てがない。

これは問題だ。

合宿などでがんじがらめにするのならば、
スタッフがしっかりと社会性も含めて一般常識をしっかり教育していかなければ。

この選手は21歳で、将来がある選手。
是非、今後もバドミントンを続けて、
東京オリンピックを目指して欲しい。
しかし、無期出場停止という状況で、
これから4年間頑張れるだろうか?
これも周りのスタッフ次第だと思う。
才能のある選手が頑張れるように周りのスタッフはいるのだから。

もしも、彼が、今回のことを乗り越えて、
次のオリンピックを目指し、努力を積み重ね、
そしてオリンピックに出場できたとしたら、
彼は、今回のリオで取れる以上のメダルを手に出来なかったとしても、
彼の人生においては、もっと大きなメダルを獲得したことになるのだ。