掃除をするために洗剤を選ぶ。
石鹸のほうがいいかと液体せっけんを購入する。
それから重曹で何が落ちるのか調べてみる。
そもそも「重曹」って何なの?

掃除の基本は、酸性とアルカリ性の戦いであった。
汚れの本質を調べて、
酸性のモノにはアルカリ性を
アルカリ性のモノには酸性を加えれば、汚れは落ちる……らしい。

酸性とアルカリ性は、
リトマス試験紙の色が変わることで知った。
そして、それが私の知識のすべてになった。
小学校で理科の勉強を適当にしていたことが悔やまれる。
別に適当にしていたわけでもない。
面白くなかったし、
リトマス試験紙の色が変わったからどうだ?と
無駄にも思えたし、
実際、よく分からなかった。

しかし、今、家事をやっていると、小学校で習ったに違いない理科で一杯だ。

掃除をしていると、それに気づく。
油汚れがよく落ちる。と書かれた洗剤を使うのではなく、
もっと自然の重曹やクエン酸を使って掃除をすると、
なるほど~と理科の実験時のような驚きに満ちている。

料理を作ると、これは理科と図工と美術と算数と……
とにかく小学校で習った基本的なことで満ち満ちている。

部屋の中の湿度と外の湿度の戦いで、
部屋の中を心地よくする方法があるし、
洗濯物を効率的によく乾かすためには、天気図を見る必要がある。

家事は、理科だらけなのだ。

理科をもっと勉強しておけばよかったと思う。
でも、これからやっても手遅れではないだろう。

料理に凝りだすと、今度はプランターで野菜を作りたくなる。
またまた理科の登場だ。

理科を楽しく教えてくれる先生に出会い、
理科が大好きな小学生がもっと増えるといいと思う。
私の印象では、理科は男子が好きな教科だった。
女子で理科が好きな人に出会った記憶がほとんどない。
が、家事は、これほど理科に満ち満ちている以上、
女子が理科を好きになると、
家事をもっと楽しめるはずだ。