今日、川内原発は、1号機に続いて2号機が再稼働した。
吐き気をもよおすニュースである。

ニュースでは、福島の事故後、
まるで安全基準を厳しくして、安全を確保したから再稼働。
のようなニュアンスで報じられるが、
実際はそうではない。

まず、「地震などの自然災害で原発事故が起こることはない」というずーっと言われてきた想定は、
福島第一原発事故で破たんしたのだ。

川内原発に関して言うと、
住民の避難路が確保されていない地域があり、避難訓練さえされていない。
具体的には、原発に最も近い場所、滄浪地区(そうろう)は、災害が起これば避難路がすべて絶たれ、孤立恐れが指摘されている。
当然、住民も反対している。

さらに、本日再稼働の2号機に関しては、古い蒸気発生器を取り換えずに再稼働に踏み切った。

そもそも川内原発では、
蒸気発生器の細管の腐食が相次いでいて、
1号機は2008年に交換し、
2号機についても交換することが決まっていたが、
福島の事故後、新規制基準に基づく審査の対応に追われて、交換時期は延期されてきた。
そして古い蒸気発生器のままで規制委の認可を受けて、交換されていない。
九電は、規制委の審査をクリアしていると言っている。

つまり、新規制基準とはその程度のモノであり、
電力会社は、安全のために交換すると言ったにも拘わらず、
ま、いいかってことでこれほど危険なものを再稼働してしまう会社なのだ。

福島第一原発事故後、政府は、ひとつずつ原発を再稼働させようとしている。
その一番が、川内原発になった理由は明白ですよね。
東京から一番遠いからです。
しかし、風向きのことを考えたら、
川内原発が事故を起こしたら、近畿地方まで被害をこうむる
非常に危険な場所です。
さらに、今年に入ってから噴火が続く火山の多い地域。

安倍首相は、「完全に安全を確認しない限り、原発は動かさない」と言っていましたが、
「完全な安全」は確保されていません。

安保法案のほうが、身近な問題なのか、全国規模で反対運動を巻き起こしています。
同時進行でもちろん(安保反対の立場の人は原発反対の人が多いので)原発反対活動もしていますが、
どうも、安保法案よりも無関心な人が多く感じます。
でも、近所の人だけが被害を受けて、
その電力を使用している私たちが無関心なのはひどすぎます。
それでは福島の二の舞です。

再稼働されてしまったので仕方ないという考え方はやめましょう。
消費税が8%になって生活が厳しくなったけど仕方ないというのはやめませんか?
特定秘密保護法案、武器輸出三原則撤廃、そして安保法案が通過して、
あっという間に、日本は戦争に巻き込まれて、死傷者を出した時も、
仕方ないと言ってしまいますか?

ずるがしこい政治家は、この国の国民は、
時が経てばすぐに忘れると思っています。
今こそ、広島も福島も、大戦も、すべてのことを忘れない、無関心にならない意識が重要だと感じています。