ドラマを見始めて、脚本家が岡田恵和さんであると知ってビックリ。

火曜日22時枠は、大人のドラマをはずさずにやってくれる枠なので、

なあんにも調べずに毎回見ています。

親友である2人が、ある日入れ替わってしまう話と知っていたので、

まさか岡田恵和さんのオリジナル脚本とは思わず……。

 

入れ替わるという基本的な無理。

その事実を、誰にも言わずに入れ替わって生活するという無理。

それがドラマの根底にあるので、リアリティという点では難しい話ですが、

テーマは、親友の生活をしてみることで学ぶこと、発見する事。

そして、病気という形で身体と心を失う事。

家族の形。

などなど奥深く、

それを描くための、ドラマならではの設定になってる。

 

今回のこのドラマを見て、私がどうして岡田恵和さんの作品が好きなのか分かりました。

私の書く話に似ているのです。

話しというよりも、根本的に大切に思っていることが似ているのだと思います。

 

家族の大切さ、愛情の大切さと言うモノは多くの人が書いているのだけど、

こんな家族があってもいいじゃないか。

ってところが、今回見ていて、あらあらと思いました。

癌になった友人の家には、子どもと家の広さに余裕があり、

そこにその家の子どもの本当の母親と、(入れ替わった親友の身体をしている)

旦那と別居状態の親友とその二人の子どもが同居する。

それを成立させるためには、

ちょっと変わったドライな旦那(藤木直人演じる)が必要だったのだと分かりました。

 

私が書いた『忘却』という脚本では、

若年性アルツハイマーになった独身の女性の家に、

親友二人が、父と母という形で入ってくる。

そして同居する男は、記憶を無くした若い男。

 

そういう少し普通じゃない男を入れることで、

女三人の同居を、バランスのとれた家族的な環境にしたかったのだと。

 

女優三人の力がどうしても比較されてしまうドラマ。

主演 永作博美、石田ゆり子、佐藤仁美

うーん、やはり石田ゆり子さんが、ぐっと演技力で落ちます。

佐藤仁美さんが、好き勝手に楽しんで演じていて、

セリフや演じる技術を持っている人は、

自由自在にこうやって楽しむことが出来るなと感心して見ていました。

永作博美さんは、相変わらずの童顔ですが、

すっかりお母さんらしい雰囲気も出て、

一瞬の表情が天才的な演技をされる方。
雰囲気で役を掴む、つまりセンスのある役者さん。

それに比べて石田ゆり子さんが、可哀そうなくらい演技力がない。

でも、魅力があるんですね。

まず、美しいということ。
年齢的にその美しさは衰えを見せているけれど、
一瞬の美しさは、時々垣間見られ、
それが非常に印象的に残る。

観客は、一瞬の美しさで目を奪われるモノですから。

でも今後は、顔の美しさではないところで勝負して行かないと、ですね。

 

佐藤仁美さん演じる妻と谷村美月さん演じる愛人が

レストランで隣り合わせに座って会話するシーン。

岡田さん得意のセリフ芝居を楽しませてくださいました。

これがまた私の好みなのだと。

 

そもそも私が書きたかった脚本は、ほとんどこのテンポの好い会話。

この二人のやり取り素晴らしかったですね。

 

私の執筆と比較するのはおこがましいのですが、

力とか面白さとか凄さとかそういうことではなく、

求めていたモノ、好きなモノが同じという意味で、

ちょっとだけ比較させて貰っちゃいました。

 

それにしても、最近、岡田恵和さんの作品が続いています。

 

実は、以前から大好きなシナリオライターでしたが、

しばし作品がなくなっていた感じがするのです。

調べてみたら同年代。

ってことは、これからもっともっとどんどん新作を書いてくださるということですよね。

大期待しております。

 

4月からの新番組にもありました!!

いい感じで筆が進んでいらっしゃるのだと思います。
本当に嬉しいです。

フジテレビの『心がポキッとね』 楽しみにしています。