1996年7月7日生まれ(と言っても捨てられていたので、拾った動物病院の人が推測した誕生日)のシュルツくんが、今年の初めから急激に動けなくなり、食欲も落ち、その後、トイレもままならず、でもほとんど苦しまず、先週の金曜日に亡くなりました。18歳半でした。

写真は、亡くなる1週間くらい前、
食欲がなくなり、餌をほとんど食べないので、焼いた鮭を差し出したら、
目が爛々とした。
そして、口につけてあげると、美味しそうに食べた時のモノ。
それだって、ホンの数口で終わってしまったけど、
でも元気でお座りできている最後くらいの写真。

元々あまり人に懐かなかった子で、特に最初の10年間は私と二人きりの生活でしたので、
誰かが遊びに来るといつもウォーウォー騒いで、
ほとんどの人が、彼を怖がっていました。
でも本当に怖がっていたのはシュルツ本人なのだと思います。

その後、家族が増え、犬が増え、猫がどんどん増え、
人嫌いのシュルツくんには苦悩の日々がやってきますが、
気づいてみれば、それから8年経ち、
それなりに(普通よりはるかに遅いけれど)順応して行ったのだと思います。

私にとっては、初めて飼った猫で、
子猫の時は、男の子ということもあり、暴れん坊でいう事をきかず、
爪は痛いし、かまれるし、なかなか捕まえて抱っこすることもままならず、
当初は、どうしよう~って感じだったけど、
長く一緒に居るということはとても意味のあることだと思います。

脱走したことも何度もあり、
(どこに行ったんだろう?)と泣き、
(もう、帰ってこないならいいや!)と怒り、
そして諦めた頃に帰ってきたことも何度かありました。

今年に入り、もうやばいって時に、突然階段を転げるように降り、
下まで行って、ドアの前で小さな声で鳴いていた。
あれは、死に場所を求めて歩いて行ったのかと思いました。
でも、家猫ですから、それは許されませんでした。

いつになっても体を障られるのを嫌がり、
かなり年老いておとなしくなった左近でも、
下半身は絶対に触らせず、爪も切らせず、
一匹オオカミのような猫でした。

それだけに身体が思うように動かなくなってきた今年の初めから
介護生活になり、
水を飲みに行っては途中でへばっているシュルちゃんをベッドに戻し、
トイレに行こうと立ち上がると、
トイレまで連れて行き、
うっかりトイレでそのまま頽れてしまうので身体を支え、
毛づくろいをしなくなってしまったおかげで、
少々おしっこ臭くなってくる身体を、
一日に何度か拭いてあげる。
相変わらず厭みたいで、蚊の鳴くような声で鳴くのだけど、
後ろ足で少々蹴るのだけど、
もう私の介護にはかなわず(笑)
経った半月だったけど、
今振り返ると、本当に幸せな日々でした。

これほどシュルツを眺めながら長い時間を過ごしたのは、
1999年に、猫の芝居『三年三日でネコまんま』を書くために
シュルツをずーっと観察していた執筆生活中以来だと思います。

シュルツと私の二人きりの生活が終わり家族が増えた後、
数人の友人が、
「シュルツに何かあったら私がペットロス症候群になるのでは?」と心配していたと言ってきました。

よく愛猫が亡くなると、次の猫が飼えなくなるという話を聞きます。
だから、シュルツを飼ってからすっかり猫好きになった私は、
次の猫をさっそく飼うことにしました。
次にきたアビシニアンンの姉妹は、
びっくりするほど人間好きで、犬のような性格で、
シュルツとは真逆。
いつも私の膝の上でベタベタ、ゴロゴロしています。

愛情は分散するモノだと知りました。
その子たちが来てから、
懐かないシュルツくんは放っておいて、
ベタベタにゃんこを子どもの様にかわいがる日々でした。

ただ、シュルツと私の間には18年半と言う、
そしてそのうちの10年間は、二人で生活してきたという長い歴史がありました。

1年くらい前からは、本当におとなしい老猫になり、
他の猫たちにもいろいろな意味で負けるようになりました。

それでも八ヶ岳で過ごしたお正月は、
まだ身体に触れるとウォーウォー怒ってどこかに行ってしまったので、
本当に元気だったのです。
旦那に言わせると、20歳までは生きると思っていたようです。

急に老いが進み、
たった半月しか面倒を見させてくれませんでした。
もっともっと寝たきりで生きていてくれてよかったのに。
山ほど購入したペットシーツは。
一段目も減らないで逝ってしまったシュルツくん。
短い間だけど世話させてくれてありがとう。
最後の半月は、本当に私のために頑張ってくれたのだと思います。

全然懐かなくて、
誰が見ても、怖いだけの猫だった。
私だって、怖くて爪も切れなかった。
でも、私にとって初めてのにゃんこちゃんで、
シュルツが来たことによって、私の生活は一変した。
それまで年二回だった海外旅行に行かなくなった。
そしてその後、3匹の猫を飼うことになった。

シュルツ亡きあと、3匹は、のびのび生活しています。
特にシュルツを怖がっていたモネは、
「私の時代がやってきたわ!」とばかりに
2匹のアビシニアン姉妹をいじめています(笑)

金曜日仕事から帰ってくる一時間前くらいに息を引き取ったそうです。
その日だって、まさか亡くなるとは思わなかった。
傍に居た旦那が、「私が帰ってくるまで頑張れ!」って言ってくれたらしいし、
それには反応があったらしい。
亡くなった後、旦那が、形を整えて、伏せた形で四足を綺麗に揃えていたので、
旦那が「死んじゃった」と言っても、
その後シュルツの姿を見ても信じなかった。
「シュルツが死ぬわけないじゃん」と笑っていた。
でも体は少し固まり始めていた。
温かかったけど。
抱きしめてひとしきり泣いた。
もっともっと抱きしめていたかった。